未完の世界遺産として知られているサグラダ・ファミリア。着工から100年以上が経過した今も建設途中の珍しい世界遺産はスペイン第二の都市バルセロナにあります。 天才建築家ガウディが手がけた有名なキリスト教の大聖堂で、ガウディの特徴である曲線美を活かした独特なスタイルは、世界中の人々を魅了しています。 主な見どころの一つは「生誕のファサード」。イエス・キリストの生誕からはじめての説教を行うまでを表しており、ガウディ生前にほとんどが完成した唯一のファサードです。 また、西側にある「受難の門」では、十字架にかけられたイエスキリストの苦しみや悲しみが表現されています。夜にはライトアップされ、昼間とは違った幻想的で神秘的な雰囲気に変わります。ちなみに2026年に完成するといわれているので、完成した姿を見に行くのもおすすめです。

グラナダの象徴、アルハンブラ宮殿。ユネスコ世界遺産に登録されており、スペインの歴史を語る上で欠かせないイスラム統治時代の面影を残す、イスラム建築最高峰の建物です。 「アルハンブラ物語」をきっかけに世界中で話題になり、映画やドラマのロケ地としても知られています。アルハンブラとは、スペイン語で赤い城を意味し、グラナダの丘の上にあります。 見どころは、最初の城壁である「グラナダの門」です。グラナダとは、スペイン語でざくろを意味し、3つのざくろの実の彫刻があります。 また「アラヤネスの中庭」はイスラム建築の特徴をよく表しており、水と影、光などの自然の調和を感じることができます。

マドリード3大美術館の1つ、プラド美術館。世界屈指の美術館として知られており、歴代スペイン王室が収集した美術品やヨーロッパ絵画など、およそ8,600点もの作品を所蔵しています。 その中でも特に、ベラスケス、エル・グレコ、ゴヤ、フランドル派など、偉大な画家の作品が目白押しです。 見どころの一つは、ディエゴ・ベラスケス作の「ラス・メニーナス」です。プラド美術館の代表作であり、現実と印象派的な美しさが融合された作品です。 その他、ヒエロニムス・ボス作の「歓楽の園」も必見です。ヨーロッパ美術史において重要な三連祭壇画であり、人間の欲望、罪、苦悩を表現しています。アート好きの方は見逃せない作品が多く集まるプラド美術館に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか？

スペインの天才建築家アントニ・ガウディが設計したグエル公園。元々は公園としてではなく、自然と芸術を調和させた住宅地として設計され、1984年にユネスコ世界遺産に登録されました。 グエル公園を象徴するモニュメント「トカゲの噴水」、ギリシャ神話を連想させる「大階段」、バルセロナの街を一望できる「中央広場」などがあります。 童話「ヘンゼルとグレーテル」に登場するお菓子の家がモデルとなった建物やカラフルでユニークなモザイクタイルなど、絵本の中にいるような世界観も楽しめるのが魅力です。 見学できますが、無料エリアと有料エリアに分かれているので、訪れる際には注意が必要です。

歴代のスペイン国王が住んでいたマドリード王宮。現在は人が住んでおらず、公式行事などで使用されています。ヨーロッパ最大級の床面積を誇り、内部の豪華な装飾は見ごたえ抜群です。 マドリード王宮の特徴の1つは、ベルサイユ宮殿をモデルにした「玉座の間」。天井の高い開放的な空間は写真撮影スポットとしても人気です。 その他には、王室武器庫などがあり、ヨーロッパ最大級のコレクションを誇る保存状態の良い武器や甲冑の数々は圧巻です。王宮の近くでは緑に囲まれたカンポ・デル・モロ庭園が広がり、クジャクを間近に見ることができます。

ユネスコ世界遺産に登録されているコンサートホール、カタルーニャ音楽堂はガウディと同時期に活躍し、「花の建築家」とも呼ばれたリュイス・ドメネク・イ・モンタネールの最高傑作です。 19世紀後半、カタルーニャ地方の文化復興に貢献したオルフェオ・カタラ聖歌隊のために建設され、立体的なステンドグラスで作られたシャンデリアが特徴的です。 現在でもコンサートホールとして、クラシックからスペイン発祥のフラメンコショーまで幅広く行われています。 最大の見どころは、モデルニスモ建築を代表する美しいコンサートホールです。その中でも、天井から飛び出した太陽をデザインしたステンドグラスの美しさは息をのむほどです。