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美しい泉が多く沸き立つ、山東省の省都「済南」

中国の華東地方・山東省の大都市、済南。美しい景色があることで、古くから知られています。趵突泉（しゃくとつせん）や大明泉（だいめいせん）は済南の水の豊かさを今に伝える名勝です。大明泉には中国の有名な詩人である杜甫が詠んだ詩を彫った石碑があります。彼らも建物の壮麗さと柔らかい柳の景色に癒やされたことでしょう。そして、済南の欠かせない観光スポットは千仏山（せんぶつざん）。興国寺（こうこくじ）を中心としたこの山は、済南の仏教信仰の厚さがうかがえます。また山の中腹には大きな弥勒菩薩の像があります。これは日本の和歌山県から贈られたもの。というのも、和歌山市が済南の友好都市だからです。弥勒菩薩は布袋様の化身とされているため、この大仏は布袋様にそっくりで、にっこり笑った姿は可愛らしいです。また、千仏山の山頂は黄河の流れを眺めることのできる絶景スポットです。

済南の歴史

12世紀、北宋時代に、女流詩人である李清照（りせいしょう）や書家の趙明誠（ちょうめいせい）といった一流の文化人が、風光明媚なこの地を愛しました。そのことから、済南は文化の発信地として、隆盛を誇ります。19世紀、清の時代から多くの外国人が集まり、商業も発展し始めました。次第に、日本人の居留地ができ、日本の郵便局や日本総領事館が済南に置かれたことでも知られています。そのため、済南は日本と深いつながりがある都市と言えるでしょう。

済南の経済

済南は1978年から始まった改革開放から工業を中心に発展しました。鉄鋼業が主な産業として、この街の発展を下支えしています。特に済鋼集団（さいこうしゅうだん）という製鉄の大企業が、済南に拠点に置き、経済をリードしています。また、済南は中国政府からハイテク産業開発区に指定され、6万もの人がハイテク産業に従事する都市でもあります。