名称:アル・ヒジュルの考古遺跡/マダイン・サーレハ(Al-Hijr Archaeological Site/Madâin Sâlih)
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1293/
サウジアラビアの世界遺産に行ける!観光ビザ発給で注目の6つの世界遺産へ
世界遺産が6か所あるサウジアラビアは、アラビア半島の4/5を占める広大な国。砂漠、紅海、遺跡など観光資源がたくさんあります。言わずと知れた石油大国で、国民はリッチそのもの。そんなサウジアラビアは、厳格なイスラム国。観光目的で渡航することは叶いませんでしたが、2019年9月27日から観光ビザの発給が開始され、旅行に行くことができるようになりました!さっそくサウジアラビアにある6つの世界遺産をチェックしてみましょう。
目次
サウジアラビアの世界遺産に行ける!観光ビザ発給で注目の6つの世界遺産へ
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1.アル・ヒジュルの考古遺跡(マダイン・サーレハ)
マディーナの町から北西へ約400km離れたところにある「マダイン・サーレハ」は、ヨルダンのぺトラ遺跡以南では最も大きいナバテア文明の遺跡。紀元前1世紀から紀元後1世紀に繁栄し、イスラム教の預言者サーレハにちなんでサーレハの街と呼ばれています。
▶砂のアトランティス!サウジアラビアの世界遺産アル=ヒジュルの考古遺跡
マダイン・サーレハは「アル・ヒジュル(岩の多い場所)」とも呼ばれ、イスラム教の啓典・クルアーンの第15章『アル・ヒジュル』にも登場する大切な場所。アル・ヒジュルの民が使徒の警告を聞き入れずに罰を受けたという事実が記されています。
遺跡には岩の壁や岩山に掘られた100以上におよぶ墓や岩窟神殿、用水路や貯水槽の跡が残り、ナバティア王国よりも前の時代の碑文も発見されました。紀元前10世紀頃から同地に住んでいたリヤーン族の物だと推測されており、2008年、サウジアラビア初の世界遺産に登録されました。
2.ディルイーヤのトライフ地区
首都リヤドの近郊「ディルイーヤ」は、サウド王朝最初の首都として15世紀に創設された都市です。18世紀から19世紀初頭にかけて、政治・宗教の中心地としての重要性が高まり発展しましたが、1818年のオスマントルコの侵略によって破壊されました。
▶サウジアラビアの建築遺跡!世界遺産「ディルイーヤのトライフ」
ディルイーヤオアシス周辺には、巨大な宮殿を中心に土レンガで造られた多くの建造物が残されています。中心地の「トライフ(ツライフ)地区」は2010年に世界文化遺産として登録。廃墟となった1818年以降、元の住民たちはそこを去り、大部分がリヤドに移住しました。
20世紀後半になるとベドウィンなどが再び住居を構えるようになり、政府によって1970年代後半に新しい都市が建設されています。対して古都の廃墟は観光地になっていて、城壁の塔や宮殿などが再建されました。当時の都市の全体像はサウジアラビア国立博物館の精密模型で知ることができます。
名称:ディルイーヤのトライフ(At-Turaif District in ad-Dir'iyah)
住所: Ash Shaikh Muhammad Ibn Abdul Wahab,Saudi Arabia
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1329
3.メッカの玄関口にあたる歴史都市ジッダ
かつては静かな漁村だった紅海に面した大都市「ジッダ」はイスラム教が普及し、やがて玄関口として発展するようになりました。現在は巡礼の時期になると、毎年200万人もの巡礼者がジッダの港や空港に降り立ち、ここからメッカに向かいます。2014年には「メッカの玄関口にあたる歴史都市ジッダ」として世界文化遺産に登録されました。
▶サウジアラビアの世界遺産「ジェッダ歴史地区:メッカへの玄関口」
首都リヤドに次ぐ都市で人口は約340万人。世界一の高さを誇る超高層ビルが建設され、メッカやマディナを結ぶ高速鉄道も開通し、より近代化への動きが見られます。世界最大級のキング・ファハドの噴水や、1000年の歴史を持つ旧市街バラッド地区など見どころも満載。忘れてならないのは世界最高レベルの透明度を誇る紅海で、ダイビングスポットもたくさんあります。
名称:メッカの玄関口にあたる歴史都市ジッダ(Historic Jeddah, the Gate to Makkah)
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1361
4.サウジアラビアのハーイル地方の岩絵
「ハーイルの岩絵」とはサウジアラビア中北部、ネフド砂漠にあるハーイル州のジュッバとシュワイミスの岩絵群です。ハーイル州の2遺跡に残る岩絵群は、中東で最大規模と評価されているだけではなく、アラビア半島が砂漠化していった1万年におよぶ生活様式の変遷を伝えている点でも価値があると評価され、2015年に世界文化遺産として登録されました。
▶1万年の歴史!世界遺産サウジアラビアのハーイル地方の岩絵
「ジュッバの丘」はかつてはふもとに湖をたたえ、ネフド砂漠南部の人々や動物の水源となっていた場所です。その岩肌には当時の人々が描いた多数の岩絵や碑文が残っています。「シュワイミス」には1万年前からの人類や動物の岩絵が無数に残り、岩絵は長い間砂に埋もれていて、発見されたのは2001年のことでした。同時に関連する石器類も発掘されています。
名称:サウジアラビアのハーイル地方の岩絵(Rock Art in the Hail Region of Saudi Arabia)
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1472/
5.アハサー・オアシス、進化する文化的景観
サウジアラビア東部、フフーフ市街地の少し東に、250万本のヤシなどが生育する世界最大のオアシスがあります。ここは「アハサー・オアシス、進化する文化的景観」という名称で登録された、サウジアラビアで5つ目の世界遺産。天然の水が湧出し続けている貴重な場所として知られており、2018年に世界文化遺産として登録されました。
名称:アハサー・オアシス、進化する文化的景観(Al-Ahsa Oasis, an Evolving Cultural Landscape)
住所:7498,4318 36343 Hofuf and Mubarraz サウジアラビア
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1563
6.ヒマー文化圏
サウジアラビア南西部にあるヒマーの古代岩絵群が、2021年に6つ目の世界文化遺産として登録されました。ヒマーは、アラビア南部とメソポタミア、レバントやエジプトを繋ぐ貿易の主要な場所でした。
そこを通る人々により、野生動物や植物、ムスナド文字やサムード文字、初期のアラビア文字など貴重な古代文字が描かれた岩絵群を残しています。
名称:ヒマー文化圏
住所:Hima Najran Province Saudi Arabia
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/1619
◎まとめ
サウジアラビアには2018年に登録されたアハサー・オアシスをはじめ、計6つの世界遺産があります。団体旅行に限り受け入れていた時期もありながら、イスラム教徒しか受け入れてこなかった国でした。待ちに待った観光ビザの発給が始まったことで、これらの世界遺産や、神秘的かつ魅力的なサウジアラビアへ観光に行くことができるようになりました。ただし、厳格なイスラム国であるということを忘れず、ルールを守りながら旅行を楽しんでくださいね。
▶【サウジアラビアの治安】渡航する際には現地のルールを必ず守ろう!
※公式サイトで必ず最新の情報をご確認ください。
名称:在サウジアラビア日本国大使館
公式・関連サイトURL:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000225.html