名称:ジェッダ歴史地区:メッカへの玄関口(Historic Jeddah, the Gate to Makkah)
住所:ジェッダ, サウジアラビア
公式・関連サイトURL:https://whc.unesco.org/en/list/1361/
「ジェッダ歴史地区:メッカへの玄関口」は、サウジアラビアにある世界遺産のひとつ。多彩な文化や建築技術、紅海特有の建物が多数残るジェッダの歴史地区は、2014年に世界文化遺産として登録されました。アラビア半島西部の紅海に面したジェッダは、人口300万人を超える、首都リヤドに次ぐサウジアラビア2位の大都市。貿易・金融・経済の中心都市であるとともに、にぎやかで開放的な雰囲気のする街として知られています。そんなジェッダの旧市街地にある世界遺産「ジェッダ歴史地区:メッカへの玄関口」を中心にご紹介しましょう。
目次
サウジアラビアの世界遺産「ジェッダ歴史地区:メッカへの玄関口」
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「ジェッダ歴史地区:メッカへの玄関口」とは?
7世紀頃から貿易の中継地として繁栄したサウジアラビアのジェッダ(ジッダ)。イスラム教が普及し、信者のメッカ巡礼が増えるにつれて、紅海に面したジェッダは「メッカへの海の玄関口」としてさらに発展していきました。
ムスリム(イスラム教徒)にとってメッカ巡礼は、一生に一度は果たすべきイスラム教の大切な義務の1つ。年に一度の巡礼であるハッジのほか、財力や体力の許す限り随時行う小巡礼のオムラもあるため、一年を通して巡礼に訪れる人が絶えることはありません。安全上の理由から巡礼者の数を制限していますが、毎年200万人以上の巡礼者がジェッダの空港か港へ向かい、メッカを目指しているのです。
そんなメッカへの玄関口として発展してきたジェッダの旧市街地である歴史地区では、大きな特徴がある建物を目にすることができます。それは木製の飾り窓。色や形、装飾、外壁から出っ張るように取り付けられているもの、整然としたものから歪んだものまでいろいろあるんですよ。世界遺産に登録されたユニークな建築様式が残る歴史地区を歩いて、メッカへの海の玄関口として栄えたジェッダの歴史にふれてみたいですね。
「ジェッダ歴史地区:メッカへの玄関口」へのアクセス
日本からサウジアラビアへの直行便はありません。アブダビやドバイ、イスタンブール、マニラなどを経由して、ジェッダの空の玄関口であるキング・アブドゥルアズィーズ国際空港へ向かいます。
かねてよりウワサのあった観光ビザについて朗報です!ついに2019年9月27日から、サウジアラビア王国は観光目的でのビザ発給を開始しました。イスラムに基づく諸法律・規則を順守し、サウジアラビア社会の価値観と伝統を尊重することが必要とされるなど、ルールを守ってサウジアラビア王国を訪問しましょう。
【サウジアラビアの治安】渡航する際には現地のルールを必ず守ろう!
※2019年11月現在の情報です。公式サイトで必ず最新の情報をご確認ください。
名称:在サウジアラビア日本国大使館
公式・関連サイトURL:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000225.html
ジェッダのおすすめポイント①:バラッド(旧市街)
紅海に面した小さな漁村だったジェッダは、647年にイスラムの指導者的存在のカリフが聖地メッカへ巡礼に向かうために整備したことから街作りが始まりました。高層ビルや大型モールが目立つようになりつつあるジェッダですが、旧市街の中に一歩入ると、そこは昔ながらのアラブの街並みが広がっています。
ジェッダの旧市街の入り口メディナ門から入ると、古い建物が並ぶのが目に入ります。特徴的なのは、木製の装飾窓。イスラム建築で良く見られる窓格子マシュラビーヤです。遮光カーテンのように外の陽射しを和らげて室内に明るさを取り入れるのは、暑い国ならではの工夫ですね。面白いのは、外から中を覗こうとしてもなかなか見えないのに、中からはちゃんと外が見えること。部屋の中にいる女性を考慮した優れた装飾ですね。スークには金細工の店やが並ぶ一角があり、昼間は暑いため閑散とした雰囲気ですが、夜になると多くの人でにぎわいます。
ジェッダのおすすめポイント②:キング・ファハド噴水
ジェッダには世界一を誇る噴水があります。その名前は「キング・ファハド王の噴水(King Fahd's Fountain)」。ジェットエンジンで噴き上げる紅海の海水は、高さ約260~300m、時速約375kmにも達するといわれています。新幹線より早く、東京タワーの展望台くらいまで上がる!と思うとわかりやすいですね。
この噴水は、意外と古く1985年に完成しました。海水を利用した噴水であることから、金属の腐食、砂やゴミのろ過、海洋生物の付着対策など日々のメンテナンスが欠かせません。昼間の紅海の青とのコントラストも美しいですが、夜のライトアップもおすすめ。500以上のスポットライトによるイルミネーションと、夜空に噴き上げる噴水の迫力のコラボは必見です。
ジェッダのおすすめポイント③:ジェッダ・タワー
アラブ首長国連邦と世界一の高さを競っていることで話題の「ジェッダ・タワー(Jeddah Tower)」を先取りしてご紹介します。まだ建設中ですが、ジェッダでは話題の建物。湾岸諸国では競うように高層ビルを建てていますが、サウジアラビアが世界一を目指して建設しているのが、このジェッダ・タワーです。
完成予想は252階建て、高さは暫定1008m!ビジネスオフィス、ホテル、巨大モール、レストラン、アパート、コンドミニアムなどが入る予定で、ジェッダが大きくイメージチェンジすることは間違いありません。写真は2019年8月の様子で、完成予想は2021年。世界一の高層ビル完成のニュースを聞く日が待ち遠しいですね。
名称:ジェッダ・タワー(Jeddah Tower)
住所:Obhur Al-Shamaliyah, Jeddah 23811
公式・関連サイトURL:http://www.skyscrapercenter.com/building/kingdom-tower/2
注意事項
ジェッダ歴史地区を観光する際は、現地のガイドを頼むと安心。1日5回ある礼拝の時間には公的機関、レストランやお土産屋さんなどほとんどがストップするので注意してください。夜の外出は控えましょう。
女性はアバーヤという体の線を隠すゆったりとした服の着用と頭髪を隠すことが義務付けられているほか、特に女性に対して制約が多くなっています。厳しいイスラム教の戒律を守るサウジアラビアには多くの制限があるため、旅行前に現地の習慣やルールを調べ、最新の渡航情報も確認しておきましょう。
◎まとめ
ジェッダの街は、外国人労働者が多いのが特徴。特に隣国であるエジプトをはじめ、シリア、レバノン、フィリピン、バングラデシュ、インド出身の人が多く、多国籍な雰囲気が漂っています。そのため、世界各国のレストランがそろっており、新鮮な紅海の魚料理とあわせてバリエーション豊かな食事が楽しめますよ。
今回ご紹介したジェッダ歴史地区と、ジェッダの観光スポットのほか、ジェッダでは紅海でのダイビングが人気!ダイバー憧れの紅海の中でも、ジェッダには素晴らしいダイビングスポットがたくさんあります。世界遺産の街ジェッダをぜひ訪ねてみて下さいね。
※2019年11月現在の情報です。公式サイトで必ず最新の情報をご確認ください。
名称:在サウジアラビア日本国大使館
公式・関連サイトURL:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000225.html