名称:サウジアラビアのハーイル地方の岩絵
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1472/
1万年にもおよぶ歴史を持っているサウジアラビア。ハーイル地方にある2つの遺跡には、当時の生活様式の変遷を表現した岩絵があります。圧倒的なスケールで描かれたこの岩絵は、歴史的な雰囲気を感じられるだけではなく、芸術性も優れているのです。今回はそんなサウジアラビアの世界遺産、「サウジアラビアのハーイル地方の岩絵」について紹介します。
目次
1万年の歴史!世界遺産サウジアラビアのハーイル地方の岩絵
サウジアラビアのハーイル地方の岩絵とは?
「大いなる砂」と呼ばれているナフード砂漠を取り巻く北部諸州の一つ、ハーイル地方には2つの遺跡があります。そこに残る岩絵群が貴重なことから、2015年に「サウジアラビアのハーイル地方の岩絵」として世界文化遺産に登録されました。特徴は中東で最大規模と評価されているスケールの大きさと、アラビア半島が砂漠化していった1万年におよぶ生活様式の変遷を伝えているといった点があげられます。
また、ハーイルから北西90㎞離れたジュッバに隣接した考古遺跡「ジャバル・ウンム・シンマン」と、ハーイルから南方約250km離れたところにある「ジャバル・アル=マンジュール」と「ジャバル・ラアト」という2つの構成資産で成り立っていることも特徴。
中でもジュッバの丘はかつてふもとに湖があり、ナフード砂漠南部の人々や動物の水源となっていた場所と推測され、当時の人々が描いた様々な種類の岩絵や碑文が観光客を魅了しています。類似した岩絵は他にも見ることができますが、1万年にもおよぶ生活の変遷を伝える時代や期間、さらにはハーイル地方の岩絵の量や質を考慮したことが世界遺産登録への繋がりとなりました。
サウジアラビアのハーイル地方の岩絵へのアクセス
この世界遺産があるハーイル地方は、サウジアラビアの首都リヤドから北西約600㎞のところにあります。都心部から離れたところにあるので、最寄りのハーイル空港を利用して向かいましょう。
なお、この世界遺産を見学するには、ハーイルの中心部から約90km離れたジュッバに隣接する考古遺跡ジャバル・ウンム・シンマンと、約250km離れているシュウェイミス近郊のジャバル・アル=マンジュール、ジャバル・ラアトに行く必要があるため、ハーイルからも車での移動が必須となります。
おすすめポイント①:ジャバル・ウンム・シンマン
「サウジアラビアのハーイル地方の岩絵」を構成している「ジャバル・ウンム・シンマン」は、ハーイル地方のジュッバに隣接した考古遺跡です。観光客から人気を博している観光スポットとなっています。
特徴は岩絵の種類の多さ。地面に近いところから斜面の上の部分に至るまで彫られているので、美術館のように様々な芸術作品を楽しめるでしょう。広大な土地に掘られた岩絵は、その芸術的なデザインと圧倒的なスケールが見事にマッチし、世界中から注目されている世界遺産となっています。
さらには岩絵だけではなく、古代文字が書かれた岩なども見学できるので、歴史的な雰囲気を感じられますよ。サウジアラビアに訪れた際にはぜひ、圧倒的なスケールのジャバル・ウンム・シンマンで芸術や歴史を肌で感じてみてはいかがでしょうか?
おすすめポイント②:1万年にもおよぶ歴史
世界中にたくさんの岩絵が存在する中、「サウジアラビアのハーイル地方の岩絵」が世界遺産に登録された大きな要因としては、1万年にもおよぶ歴史があることが挙げられます。この地域が砂漠化していった1万年におよぶ生活様式の変化を、岩絵で把握することができるので、人間の歴史を解明していくうえで貴重な遺跡となっていますよ!
また、このような長い歴史を持っているがゆえ、すでに掘られた岩絵をさらに新しい時代に絵を重ねて彫るという手法もとられています。見学する際はぜひ芸術的な面だけではなく、当時の生活様式などを伝えた人類の歴史を感じてみてください。
◎まとめ
世界遺産「サウジアラビアのハーイル地方の岩絵」は、1万年も前からこのような形で生活様式を伝えていたという歴史的な背景や、圧倒的なスケールの中で芸術作品として楽しめるデザインなど様々な魅力が詰まっています。サウジアラビアの東部と南部は治安があまり良くないことから、訪れる機会があれば注意して観光してくださいね。
▶【サウジアラビアの治安】渡航する際には現地のルールを必ず守ろう!
※2019年11月現在の情報です。公式サイトで必ず最新の情報をご確認ください。
名称:在サウジアラビア日本国大使館
公式・関連サイトURL:https://www.ksa.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000225.html