名称:Al-Hijr Archaeological Site (Madâin Sâlih)
住所:Madain Saleh, Medina Saudi Arabia
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1293/
サウジアラビアには、かつてペトラと同じように栄えていたにも関わらず、神の怒りに触れて一気に消滅したという伝説が残る古代都市があります。砂のアトランティスとも称される「アル=ヒジュルの考古遺跡(マダイン・サーレハ)」は2008年に登録された世界遺産。素晴らしい遺跡がありながら縁起が悪い場所として、アラブ人はあまりこの地を訪れたがりません。そんな興味を惹かれる世界遺産について紹介します。
目次
砂のアトランティス!サウジアラビアの世界遺産アル=ヒジュルの考古遺跡
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アル=ヒジュルの考古遺跡(マダイン・サーレハ)とは?
隣国の世界遺産ペトラ遺跡が北の都と言われていた時代、南にはアル・ヒジュルという町がありました。
一説によると人々が宗教をおろそかに考えるようになり、次第に神の存在を粗末に扱うようになったことが始まり。伝説では神の使いとして預言者Salehの言いつけを守らず、 古代のアラブ民族であるサムードの人々が、神の怒りに触れ、全てを破壊されました。かつて栄えた都は遺跡だけを残し、全て滅ぼされたと言われています。
この世界遺産に残る遺跡は、アッシリア文化やエジプト文化、フェニキア文化やヘレニズム文化など様々な文化の影響を受けています。さらにここに残された碑文には、様々な言語があり、ギリシャ語やラテン語、ナバテア語や古代文字のLihyaniteなども見られ、多くの民族がいました。歴史は古く、紀元前一世紀にもさかのぼり、隣国ヨルダンの有名な世界遺産ぺトラ遺跡に次ぐ、ナバテア人による遺跡です。
祟りのあった街として「マダイン・サーレハ」という名称でも呼ばれるアル=ヒジュルの考古遺跡は、2008年、UNESCO世界遺産に登録。50もの碑文といくつかの洞窟があります。これだけの素晴らしい歴史的遺跡であるにもかかわらず、地元住民及び、サウジアラビア人ですら寄りたがらない呪われた世界遺産ともいわれる神秘的な場所です。
アル=ヒジュルの考古遺跡(マダイン・サーレハ)までの行き方
アル=ヒジュルの考古遺跡(マダイン・サーレハ)は、Al-Ula(Al-Oula)から約22km離れた場所にあります。
イスラーム第二の聖地と呼ばれるマディーナから北西約400kmに位置し、よく比較される隣国の有名な世界遺産ペトラ遺跡からは南に500km程の所に位置します。交通の便が悪いため、観光ツアーに参加するのがおすすめです。
マダイン・サーレハのおすすめポイント①:ジャバル・アル・マーハル
アル=ヒジュルの考古遺跡(マダイン・サーレハ)で、ヨルダンのペトラ遺跡とよく比較されるのが、ジャバル・アル・マーハル(Jabal al-Mahjar)です。いくつもの巨大な岩に施された遺跡の数々は、考古遺跡の中でも特に抑えるべきスポット。
遺跡の大きいものでは、20mにも及び、9つの山から形成され、53もの墓があります。
マダイン・サーレハのおすすめポイント②:カスル・アル・ファリード
カスル・アル・ファリード(Qasr al Farid)は、31にも及ぶ墓で形成されたマダイン・サーレハ最大の墓。Qasr al Faridとは、孤独の城を意味します。別名「称娘の宮殿(Palace of the Daughter)」とも呼ばれています。
この遺跡は、2つの岩で1つの遺跡として成り立っていますが、1つの岩に29の墓があるのに対し、もう1つは2つしか墓がありません。
マダイン・サーレハのおすすめポイント③:ヒジャーズ鉄道博物館
考古遺跡内にある鉄道博物館として人気なのが、ヒジャーズ鉄道博物館(Hejaz Railway Museum)。この鉄道の歴史は古く、1907年のオスマン帝国時代につくられたのがはじまりです。ムスリムの ハッジの巡礼に、東ローマ帝国の首都であったコンスタンティノープルとマディーナーと聖地メッカを繋ぎ多くの人に役立ちました。
オスマン帝国の崩壊とともに鉄道も廃止されましたが、今も博物館として訪れることができます。
アル=ヒジュルの考古遺跡(マダイン・サーレハ)の注意事項
地元のアラブ人にとっても、神聖な場所の反対の意味として捉えられる場所でもあります。縁起の悪い場所とし、あまりアラブ人も行きたがらない場所なので、訪れる際は事前にツアー会社などを調べておく必要があります。また訪れるのには許可が必要なので、早めに計画を立ててくださいね。
◎エレファント・ロックにも寄ってみよう
マダイン・サーレハから南へ車で20分。まさにゾウのようなエレファント・ロック(Elephant rock)があるので、ぜひ寄ってみましょう。