オーストラリア - ダーウィンについて

ダーウィンはオーストラリア北部に位置する港湾都市で、ノーザンテリトリーの中心地として知られている州都です。オーストラリア大陸の最北部にあることから、この地域は「トップエンド」とも呼ばれています。国内の他の主要都市からは離れていますが、アジアに近いため多様な文化を形成しているのが特徴です。古くからオーストラリアの原住民「アボリジニ」が多い地域としても有名でしょう。北方にはティモール海に繋がるビーグル湾があり、その北部にはティウィ諸島、ティモール海があり、北方にはインドネシアが位置しているのが特徴です。街は港を見下ろすことができる低い崖の上に形成され、東部はフランシス湾、西部がカレン湾に面しています。ダーウィンの内陸部から東側へ約250kmの場所には、オーストラリアで最初に世界遺産登録されたカカドゥ国立公園があり、多くの観光客が訪れている地域の1つです。元々アボリジニのララキア族が住んでいる土地で、古くから東南アジアとの交流があったため、オーストラリアの中にあって独自の文化圏を形成していました。19世紀にイギリスの植民地となったことで、文化などは少なからず影響を受けているのも特徴です。地名は入り江を発見したイギリス人チャールズ・ダーウィンによるとされていますが、諸説あります。19世紀末頃、当時のイギリス首相の名前にあやかりパーマストンと名付けられた後、20世紀初頭に現在の「ダーウィン」となりました。最北部に位置することから、第2次世界大戦中には日本軍からの攻撃を受けたこともあります。現在はエネルギー産業が盛んな地域となっており、日本企業も開発に携わったことから両国の関係は良好です。1974年にはサイクロンにより壊滅的な被害を受け、多くの人々が避難する事態になりましたが、その後再建を果たしています。21世紀初頭にはオーストラリア大陸縦断鉄道、通称「ザ・ガン」によってオーストラリア南部の街アデレードと結ばれました。この長距離旅客列車は、ダーウィンとアデレード間の3000kmの距離を約50時間かけて走っています。ダーウィンはサバナ気候に分類されているため、乾季と雨季がはっきりしている地域です。また赤道付近に位置していることから、平均最高気温は年中30度以上となり暑さが厳しいことで知られています。6月から7月の約2ヶ月間だけ20度を下回るので、これが平均最低気温となっていますが、その他の時期は20度から26度と比較的高めな推移のため、暑さ対策が必要です。乾季から雨季へと変化する時期はビルドアップと呼ばれ、気温と共に湿度も上昇します。11月頃から3月いっぱいまで雨が多く、特に12月以降は激しい雷雨が発生することでも有名な地域です。一方乾季は気温が下がり、爽やかな海風も吹いているので過ごしやすい晴天が続きます。ダーウィンの中心部にあるスミス・ストリートは、古い建物や歴史的建造物が建ち並ぶショッピングポイントで観光スポットとしても人気です。原住民のアボリジニが作った工芸品を手軽に購入できるショップが多く、斬新なデザインを駆使した様々なアートに出会うことができるでしょう。ノーザンテリトリー美術博物館は、街の中心部から北へ車で5分ほどの場所にあります。ノーザンテリトリー州に生息している動植物の生態に関する資料のほか、アボリジニに関する歴史的な展示物を閲覧できるので、オーストラリア北部の詳細な歴史を学ぶには最適の場所です。ダーウィンに壊滅的な被害を与えたサイクロントレイシーの資料の閲覧や、猛威を体験できる部屋も設置されています。1994年に完成した州議事堂は、スミス・ストリートの南部から徒歩で5分ほどの場所です。南国建築による建物は白で統一され、独特な雰囲気を醸し出しており、図書館も併設されているので観光以外にも利用価値が高い施設でしょう。中心部から車で15分ほどの距離にあるクロコディラスパークは、餌付けされたクロコダイルと触れあうことができます。オーストラリアでしか見られない動物たちと出会うことができるでしょう。街の東方にはチャールズ・ダーウィン国立公園や、絶景の夕陽が有名なミンディル・ビーチなどがあります。ダーウィンは誰もが楽しめる観光スポットが豊富な街です。宿泊エリアは街の中心部であるスミス・ストリートから西部方面に向かった場所に位置する、高級ホテルが建ち並ぶ地区がおすすめとなっています。部屋からの景色を堪能したいのであれば、ウォーターフロントコンプレックス地区も選択肢に入れるとよいでしょう。ダーウィンの街は郊外部と違いコンパクトなので、どこを選んでも充実した観光ができます。