オーストラリア - ロックハンプトンについて

ロックハンプトンはオーストラリアの東海岸部、セントラルクイーンズランドコーストにある都市です。州都ブリスベンから北へ約600km、車で4時間ほどのサザン・グレートバリアリーフ、フィッツロイ川沿いに位置し、クイーンズランド州とオーストラリア北部では最も古い都市の1つとなっています。カプリコーン地区は、元々アボリジニのダルンバル先住民の居住地でした。オーストラリアがイギリスの植民地となり、ロックハンプトンも1853年以降影響を受け始めます。19世紀中頃に放牧地を探していたアーチャー兄弟によって開発が始まり、ロックハンプトンという名前もアーチャー兄弟らによって名付けられました。ダルンバル族はイギリス人と戦いましたが1856年7月に征服され、以後イギリス人の定住もあって徐々に開発が進められることとなります。フィッツロイ川の南岸に、ロックハンプトン初の建物として警察の兵舎が建設され、1860年代には国立図書館も建てられています。フィッツロイ川の豊富な水源と広大な放牧地もあって、この地域は急速に拡大し続けました。1858年には正式に「ロックハンプトン」の名前が宣言されています。フィッツロイ川の名前は、川を発見したチャールズ・フィッツロイにちなんだものです。早いうちに金が発見され、北オーストラリアにおけるゴールドラッシュのきっかけにもなっています。ゴールドラッシュはロックハンプトンの街に好景気をもたらし、街は州内で2番目に大きい港町へと急速に変化を遂げました。中でも世界で最も生産性の高い金鉱山の1つであったマウントモーガン鉱山でのゴールドラッシュは、建築様式の多くの基礎を築くことになります。1880年代から90年代にかけて、フィッツロイ川の河口に隣接した海岸に港が設立されました。1898年にはブロードマウントとの間に鉄道が開通したほか、街には多くのレンガ造りの公共建築物が造られましたが、これらのほとんどがモーガン鉱山のゴールドラッシュ時代のものです。このためロックハンプトンには、数多くの重要な歴史的建造物が残っています。郵便局や最高裁判所、セントジョセフ大聖堂などがその一例です。1909年には路面電車が運行を開始し、ロックハンプトンはクイーンズランド州で唯一路面電車が走る都市となりましたが、熱帯気候の街に路面電車はフィットせず、後に廃止されてしまいました。現在ロックハンプトンは北部の産業および農業の中心地であり、重要な観光拠点となっています。ロックハンプトンは亜熱帯気候に分類されるため、年中晴天が多く温暖で湿潤、特に夏季は厳しい暑さを伴うのが特徴です。平均最高気温は一年を通して23度以上、夏季に至っては30度を以上、暑い日は40度を超えます。一方冬季は平均最低気温が9度前後までしか下がらず温暖です。サイクロンの影響を受けやすいのも特徴の一つで、過去には大きな被害を被った歴史もあります。1967年設立のロックハンプトンアートギャラリーは、フィッツロイ川のほとりに建つオーストラリアでは最も優れたギャラリーの1つです。クイーンズランド州で唯一のこの地域ギャラリーには、主に20世紀半ばのオーストラリアやアボリジニのアーティストの作品が展示されています。1869年に設立されたロックハンプトン植物園は、サウスロックハンプトンのスペンサー通りにあります。手入れの行き届いた敷地全体に、ヤシ、ソテツ、シダの優れた標本を見ることができるのです。100年以上も前の標本も展示されるなど、この地域の自然と歴史に触れることができます。ロックハンプトン動物園は、植物園とマレーラグーンの間にあります。コアラやチンパンジー、ワニやカンガルーのほか珍しいヒクイドリも暮らしている貴重な動物園です。カプリコーン・ケイブスは、ロックハンプトンの北23キロメートルにある石灰岩の洞窟です。1881年にノルウェーの移民ジョンオルセンによって最初に発見されたもので、私有の洞窟として一般公開されています。クイーンズランド州では最も長く続いている観光名所となっています。ロックハンプトンでおすすめの宿泊ポイントは、北部のロックハンプトンアートギャラリー周辺です。フィッツロイ川から程近く、川の夜景を一望できるほか、観光時のアクセスにも事欠きません。フィッツロイ川沿いに南東方面へ向かう通りも、人気のホテルが建ち並ぶおすすめのエリアです。