オーストラリア - ホバート(タスマニア島)について

ホバート(タスマニア島)は、タスマニア州の州都であり、オーストラリア最大の都市シドニーに次ぐ2番目に古い都市です。歴史を感じさせる古風な建築物や先端のアートの発信地としても知られており、美しい自然を感じるために国内外から多くの人々が訪れています。ホバートの面積は1357平方キロメートル、これは東京23区の約2倍強の大きさに相当するのですが意外と知られていません。人口はオーストリアの各州都の中で最も少ない約21万4000人、島内にある銅・亜鉛・鈴・鉄などの鉱業、豊かな木材を扱う林業や農業に加えて島内の資源を活かした観光業が主な産業です。ホバートは温暖な海洋性気候のため、日本のようにはっきりとした四季があります。南半球に位置しているので日本とは季節が逆です。春は9～11月ですが、10月まで雪が降ることも珍しくありません。夏は12～2月、秋は3～5月までと天気が変わりやすく、冬の6～8月は内陸部で雪が降ります。夏の気温も落ち着いており、海岸部に属するホバートの気温は21～25度前後で、25度を超えることはあまりありません。2009年の夏には熱波により42度に達することもありましたが、基本的に1年を通じて平均気温が12.5度前後と過ごしやすくなっています。ランドマークはタスマンブリッジでしょう。リバー・ダーウェントを東西に横断する架橋で、長さは約1.12kmです。市民の大切な足であり、対岸にあるモンタギューベイやローズベイへ移動できます。タスマンブリッジの近くにある総督官邸もランドマークと言って良い存在です。15haの敷地内にゴシック・リバイバル建築様式をした建築物は、タスマニア州知事の公邸として使われています。特別な石材を用いて造られた外観には、浅浮き彫りの建築彫刻が施され、敷地内には英国風庭園も整備されていて定期的に公開されているため、運が良ければ内部を見学できるでしょう。ホバートやタスマニアの歴史を知りたいならタスマニア博物館と美術館がおすすめです。1846年にタスマニア王立協会によって設立され、現在では年間40万人が訪れています。博物館と美術館に加えて州立標本館としても機能しており、絶滅したと考えられているタスマニアデビルの標本といったタスマニアの動物や植物に関連する展示物も豊富です。タスマニアの歴史に関わった人物らの肖像画や写真、先住民らのパークカヌーや網カゴ、貝殻のアクセサリーなども見学できます。またモニュメントなどのアート作品も特徴的です。タスマニアのアート作品に触れたいならミュージアムオブオールド・アンド・ニューアート（MOMA)でしょう。ホバート市の北部ベリーデール地区にあります。鮮やかな真紅の外壁が目印、エントランスエリアには独創的なオブジェが設置されています。現地の富豪デイビッド・ウォルシュによって2001年開館したムーリラ古代博物館（2006年5月20日閉館）を前身としており、改修を施した後、2011年1月21日に公式オープンしました。デイビッドが収集した1900点のコレクションに加えて、現代芸術や日本コーナーが常設されているのが特徴です。敷地内にあるワイナリーやビール醸造所やレストラン、ホテルもあるので美味しい料理を味わえます。ホバート観光の代名詞はウェリントン山でしょう。街の中心部から西へ移動した先にあるウェリントン山は、頂上まで車で簡単に移動できるので観光客からの人気が高い山です。頂上にある広い駐車場に車を停車し、整備された遊歩道を移動すると、ホバート市街を一望できます。夜景も美しいですが、夜は冷えるため夏でも上着が必要です。また、天気が良ければ頂上でのトレッキングツアーにも参加できます。観光地の定番と言えば、サラマンカマーケットです。サラマンカ広場で毎週土曜日に開催される市場には、沢山の屋台が並びます。屋台では現地で栽培された農産品や工芸品、手作りのアクセサリー、帽子、洋服、タスマニア産の蜂蜜などのほか、お土産や軽食の販売あるので多くの人が楽しめる場所でしょう。サラマンカ広場の中央にある、ドラゴンのような姿をした噴水も有名です。この周辺はベーカリーやレストラン、カフェなどが集まる市内随一のお洒落スポットなため、とても賑わっています。ボタニカルガーデンの中でも有名な観光名所です。リバー・ダーウェントを横断するタスマンブリッジの麓近くにある公園は14haの敷地を有しており、ジャパニーズガーデンも存在します。日本風（沖縄風）な門構えや朱色に塗装された月見橋、地元の人達が富士山と呼ぶ土を盛って岩や草木を合わせた造形物が魅力的です。西洋庭園やタスマニア固有の植物に加えて、世界で唯一とされる亜南極植物ハウスも見学できます。ビジターセンターではレストランでの軽食やお土産の購入も可能です。