トルコ - カイセリについて

カイセリはトルコの中央アナトリア地方に位置する都市であり、カイセリ県の県都です。人口はおよそ54万人です。
歴史は古く、かつてはカッパドキアの首都として「マザカ」と呼ばれていました。なお「カイセリ」という名前は、ローマ帝国時代に時の皇帝ティベリウスが「カエサルの都市」という意味の「カエサリア」と名付けたことに由来しています。
11世紀以降はトルコ系諸族の侵攻を受けており、15～16世紀にはオスマン帝国領となりました。その後エジプトやチムール・シリアなどに侵攻される等、侵攻の歴史を歩んでいます。
カイセリが様々な国から繰り返し侵攻を受けていたのは、地理的な要因です。アナトリア地方の中心に位置するこの都市は各方面への交通の要として非常に重要な地域だったのです。現在もアナトリア地方の交通の要所として機能しており、工業や産業が非常に発達しています。
また、世界的な観光地として知られるカッパドキアの玄関口としても有名です。カイセリ空港から1時間程度バスに乗るとカッパドキアの中心地まで行くことができます。
寒暖の差が非常に激しく、夏は最高気温が40度を超えることがあります。冬は最低気温が－30度を下回ることがあるため、訪れる際は季節に応じて気温対策をしっかり行うようにしましょう。
カイセリのランドマークといえばやはりカイセリ城です。6世紀に建築された大変歴史ある建築物です。現在は城壁しか残っていませんが、訪れた際は是非訪れてみるとよいでしょう。また、他にも多くの観光スポットが存在しますので簡単にご紹介したいと思います。
・ドネルキュンベット
13世紀にアラディン・ケイクバット1世が亡くなった愛娘のために建てさせた霊廟です。街の中心地に存在するため、市民は毎日目にしている街のシンボルとなっています。観光客も必ずと言っていいほど訪れる観光スポットです。
なお、「ドネル」とはねじれという意味であり、土台部分はねじれを意識した装飾が施されています。
・ハニーハトゥンコンプレックス
ハニーハトゥンコンプレックスはアラディン・ケイクバット1世の妻であるフナトハトゥンが建設した、今でいう総合レジャー施設です。ハニーハトゥンコンプレックスにはハマム(公衆浴場)やモスク、墓、メドレーゼ(イスラム教の学校)などが併設されています。ハマムでは現在もあかすりやフットバス、サウナなどのトルコ式ハマムを体験することが可能です。
・エルシエ山
エルシエ山はアナトリア地方の中心にそびえる山であり、アナトリア地方では最高である3,916mの標高を誇っています。また成層火山でもあるエルシエ山は火山活動も活発であり、かの有名なカッパドキアの奇岩群はエルシエ山の噴火により生成されたと言われています。
・ゲベルネシベ
ゲベルネシベはアナトリア中世およびセルジューク文明にスポットを当てた博物館であり、ここでしか見ることができない展示品が多く存在します。
建築や芸術、科学、衣服などのテーマに応じて様々なものが展示されており、かつて栄えた文明で人々がどのような暮らしをしていたのかを深く知ることができるでしょう。
・カイセリ時計塔
街の中心地であるクムフリエット広場にそびえたつのがこのカイセリ時計塔です。オスマン帝国時代である1906年に建てられました。高さ15mもある非常に大きな時計台であり、現在も変わらず時を刻んでいます。
時計塔の横に存在する時計室はかつてトルコ解放戦争の支部として利用されていたり、ムスタファ・ケマル・アタチュルク大統領が人々の声に耳を傾ける場所として利用されたこともあり、歴史的な舞台となっています。
・フォーラムカイセリ
街の中心部に位置する大型ショッピングモールです。ファッションからスポーツ用品、レストランなど様々な商業施設が出店しています。大型スーパーも入っているので、トルコ旅行のお土産を購入するにもうってつけでしょう。
カイセリは市内に多くの観光スポットが存在するため、市内のホテルを利用するとよいでしょう。高級ホテルから格安で宿泊できるホテルまで様々なホテルが存在するため、目的や懐事情に合わせてホテルを選択することが可能です。
また、カッパドキアへの観光も検討している場合はカイセリ・エルキレト国際空港の近くのホテルを利用するとよいでしょう。空港から周辺地域への送迎バスが運行しているため、空港を拠点に観光したい場所まで送迎バスで向かうことで効率よく観光することができます。