トルコ - アダナについて

アダナは、トルコにある都市です。
詳しくいうとアダナ市は、トルコの南部中央、
アダナ県にある都市で、その県都でもあります。

トルコの国土は、西アジアと東ヨーロッパの地域にあります。
トルコ国土の西側にある東ヨーロッパの地域には、
バルカン半島の東端にある東トラキア地方を有しています。

トルコは、国土の東側にある西アジアの地域に、
アナトリア半島を有しています。
アナトリア半島は小アジアとも呼ばれます。

アダナは、アナトリア半島の南部中央の地域にあります。
アナトリア半島の南には地中海があります。

アダナの町の起源は紀元前にさかのぼり、ローマ帝国の時代にあるとされています。
ローマ帝国の勢力が大きい時代、紀元前63年に
ローマ帝国の政治家である大ポンペイウスによって町が作られたとされています。

ローマ帝国が存在していた間は、街道駅として交通の要所となって栄えましたが、
紀元後ローマ帝国が滅亡した後、町は衰退していきました。

8世紀になると、中東でイスラム帝国のアッバース朝が勢力を拡大してきます。
アッバース朝の最盛期には、
西ヨーロッパにあるイベリア半島から、東は中央アジアまでにわたる
広大な地域を支配しており、大きな勢力をもっていました。

アッバース朝の最盛期の指導者であったのがハールーン・アッラシードです。
8世紀になるとハールーン・アッラシードのもとで、
衰退していたかつてのアダナの町が再建されました。

13世紀の終わりになると、アナトリア半島に小さなイスラム王朝ができました。
名をオスマン朝といい、その後、帝国と呼ばれるほどの大きな勢力を持つことになります。
オスマン朝はやがて勢力を拡大していき、
15世紀になると東ローマ帝国を滅ぼすまでになりました。

東ローマ帝国の首都は、アナトリア半島の北部にある
コンスタンティノープルという名前の都市でした。
現在ではイスタンブールという名前となっている都市です。

15世紀、オスマン朝は東ローマ帝国を滅ぼした後、
その首都であったコンスタンティノープルをオスマン朝の首都としました。

オスマン朝の勢力はさらに拡大いき、
17世紀になるとオスマン朝の領土は最大となりました。
東ヨーロッパから地中海をまわって西アジア、北アフリカにわたる
広大な土地を領有しオスマン帝国となりました。

アダナもオスマン帝国の支配下に入ることになります。
しかし、アダナの地域には遊牧的な伝統が強くありました。
この伝統がオスマン帝国との摩擦を生み、
1865年には政府軍が派遣され遊牧民が抑圧されました。

これによってアダナの地域は産業の転換を迫られました。
遊牧民の抑圧後、アダナの産業は綿花栽培へ転換しました。

オスマン帝国は多くの民族が属している多民族国家であったため。
帝国内では、民族間の格差や対立がたびたび発生してました。

帝国内のアルメニア系の住民が大農園を作り、労働者として
トルコ系の小作人やクルド系の人たちを酷使することがあるなど
民族間の対立が大きくなりました。

20世紀初めはオスマン帝国の末期にあたります。
19世紀末から20世紀初頭にかけては、
アルメニア人が強制移住させられたり、
虐殺によって多くの犠牲者をだしました。

1909年、アダナにおいてもアルメニア人の大虐殺が発生し、
およそ3万人が犠牲になったとされています。

その後1922年にオスマン帝国は滅亡し、
1923年、トルコ共和国が誕生しました。
現在のアダナは、
小麦やブドウ、オリーブ、綿などを生産地から集め、消費地へ送る集散地です。
産業は食品加工、繊維工業が中心となっています。

宿泊施設はアダナの街の中心部に密集しています。
ビジネスホテル、リゾートホテルなど多くのタイプのホテルがあります。

観光は、アダナ中央公園があります。
トルコの中でも最大の公園で、
ミナレットと呼ばれる、イスラム教の宗教施設にある塔が
6つある特徴的なモスクがあります。
アダナの街に流れるセイハン川には、石橋がかかっており、
アダナのシンボルとなっています。

トルコ全体の治安は、良い地域と良くない地域に分けられます。
アナトリア半島の西側の治安は比較的良いですが、
東側から南にかけて国境付近を中心に
治安はあまりよくありません。

アダナの治安は比較的安定していますが、
トルコ南部中央は、情勢が不安定であるシリアの国境に近く、
治安が良い地域と良くない地域の境目にあります。

渡航の際には最新の情報に注意しましょう。