日本の隣国である韓国には、国内の隅々まで鉄道の路線網があり、様々な列車が走っています。なかでも韓国版新幹線ともいえるKTXは、ソウルと釜山を約2時間15分〜3時間で結んでいるので、韓国国内の移動にとても便利です。ソウル~釜山には国内線の飛行機もありますが、空港までの移動時間を考えればKTXに軍配が上がります。
一方で、韓国国内には客車を用いた、日本で言う急行や快速列車であるムグンファ号も走っています。こちらは日本では味わう機会が少ないレトロな旅を楽しみたい方におすすめといえるでしょう。
本記事では、そんな韓国の鉄道の予約方法・きっぷ(乗車券)の買い方やおすすめ列車をご紹介いたします。
目次
韓国の鉄道・列車のきっぷの買い方は?KTXからムグンファ号までネット予約OK!
韓国の鉄道事情
韓国では自動車は日本と違って右側通行ですが、新しい地下鉄を除いた鉄道に関しては日本と同じ左側通行です。これは、日韓併合前にできた京釜線を除いて、朝鮮半島を日本が占領していたころに大部分の路線が敷かれたため。
また、在来線も線路の幅が日本の新幹線と同じ1435mm(なお日本の在来線は1067mm)なので、KTXが在来線に乗り入れることが日本と比べて簡単にできます。
韓国の鉄道はネット予約でOK!乗り放題パス(KORAIL PASS)も買える
韓国の鉄道乗車券はこちらからネット上で購入できます。日本語で全部予約できるので安心ですね。
日本にいながらにして、座席予約も可能です。
窓口や自動券売機でも買うことができますが、韓国語や英語が苦手な方はネット予約をおすすめします。
乗り放題パス(KORAIL PASS)とは?
外国人用鉄道乗車券「コレールパス(KORAIL PASS)」がをリニューアル!
— 韓国観光公社-VISITKOREA (@twittkto) August 9, 2017
①「コレールパス」と「ハッピーレールパス」統合
②窓口で引換えずHPで予約時に発券可能
③韓国入国前にHPで乗車日30日前からの座席指定が可能
詳細⇒https://t.co/f4nhAywskr pic.twitter.com/girVxaLotO
地下鉄や一部を除く韓国の鉄道が乗り放題のKORAIL PASS(Korea Rail Pass)もネットで購入することができます。
KORAIL PASSには種類があり、2~5日間有効の券があります。連続使用もOKですが、それに加えて任意の2日、3日、4日間を指定することもできるチケットもあります。1つの都市をじっくり見て回りたいときにもおすすめです。
2名以上のグループでご利用であれば、セイバーパスがお得。そして、ご利用される方が27歳以下であれば青年割引もあります。仁川国際空港や駅の窓口で乗車券に引き換えてご乗車ください。
◆券売機や窓口でも乗車券が買える
ソウル駅のみどりの窓口
— わたべ🇨🇦 (@wata_beee) September 6, 2018
青い券売機では韓国のクレカしか使えないが、白の機械では海外発行のカードも使える模様 pic.twitter.com/2X5mVnSTXn
上記の方法のほかに、駅の券売機や窓口でもきっぷを購入することができます。ソウルや釜山と言った大きな駅には英語がわかる職員がいるので、行き方を尋ねてみるのもありでしょう。
自動券売機は韓国発行のクレジットカード専用のものと現金・海外発行のクレジットカードに対応しているものの2種類があります。日本語表示も可能なので、購入もスムーズです。
券売機の操作方法が分からない場合や、先述のKORAIL PASSで急に乗りたい列車が決まった時も窓口で対応できます。
韓国の鉄道の種類
日本の列車にも「特急」、「急行」などがあるように、韓国にも列車種別があります。韓国の新幹線にあたる「KTX」と「SRT」および、在来線特急「IT-セマウル号」、急行・快速にあたる「ムグンファ号」「ヌリロ号」、そして「通勤電車」です。
KTX
最高時速約300kmで走行するKTXは、韓国の鉄道のシンボルともいえる看板列車です。ソウルから釜山の京釜線をはじめとして、様々な方面の支線に枝分かれし、麗水(ヨス)・晋州(チンジュ)・木浦(モッポ)などの地方都市にも姿を見せます。
客室は日本のグリーン車にあたる特室と、普通室に分かれます。なお、KORAIL PASSで特室に乗車したい場合は、特室料金の半額を追加で支払えば乗車可能です。
SRT
韓国の高速鉄道には、もう1つ、SRTというものがあります。ソウルでは、KTXがソウル駅と龍山(ヨンサン)駅から出るのに対して、こちらは江南(カンナム)エリアの水西(スソ)駅発着です。
そして重要なのが、SRTはKORAILとは別会社による運行のため、KORAIL PASSが使用不可ということ。行先も大邱(テグ)や光州(クワンジュ)、釜山など、KTXと似通っているためKTXと間違えないようにしましょう。
ITX-セマウル号/セマウル号
ITX-セマウル号とセマウル号は、日本でいえば在来線の特急列車です。従来のセマウル号のほとんどが写真のような新型のITX-セマウル号に置き換えられ、従来のセマウル号は長項線で走るだけとなっています。
6両編成の計376席はすべて回転・リクライニングが可能。220Vのコンセントもついているので、スマホやパソコンの充電もできます。KTXより時間がかかる在来線特急とはいえ、ITX-セマウル号は最高時速150kmで運転されるので快適な旅となることでしょう。
ムグンファ号/ヌリロ号
683系ヌリロ号撮りたいです pic.twitter.com/YihXanaWYh
— かや (@caya8192) February 23, 2017
日本でいうところの急行・快速列車に当たるのが「ムグンファ号」です。最近では置き換えのため「ヌリロ号」という新型列車も走り始めています。ムグンファ号は、後述の通勤電車(広域電鉄)が走っていない地域の普通列車としての役割を果たすことがあるため、ムグンファ号/ヌリロ号には通過駅のない列車もあります。
慶全線などのムグンファ号には、ディーゼル機関車が客車をけん引していくタイプの列車もあり、ノスタルジーさえ感じてしまうほどです。木浦駅発釜田駅行きのムグンファ号はおよそ7時間30分をかけて走行する列車ですが、時間的には遠回りでもKTXを乗り継いでいく方法や、釜山発着の高速バスの方が勝ります。
ちなみに韓国からは夜行列車が消滅しました。
通勤列車/広域電鉄/首都圏電鉄
韓国で「通勤列車」という種別があるのは、実は韓国南西部、光州市の光州松汀駅から光州駅までの短い区間ただ1か所のみです。そのほかの皆さんがイメージされる通勤列車は「広域電鉄」といいます(ソウルは「首都圏電鉄」)。
広域電鉄にもKORAIL運行のものとそうでないものがあるので注意しましょう。
観光列車
日本と同じように韓国にも「鉄道の旅」を楽しむための観光列車があります。画像の旌善(チョンソン)アリラン列車(A-train)のほか、南道海洋列車(S-train)など様々な「乗って楽しい列車」が運行されています。
いずれも風光明媚な景色を眺められるとだけあってとても人気の列車です。
◎韓国の鉄道を乗りこなそう!
韓国には、ソウルと釜山をあっという間に結ぶKTXやSRTをはじめとして、ゆっくりと車窓を眺めながら旅ができるムグンファ号、さらには観光列車に至るまで様々な列車が走っていることがお判りいただけたことでしょう。
基本的に韓国の鉄道は南北は発達していますが、東西は未発達のところが多いので、高速バスと組み合わせながら上手に旅行するのがおすすめです。
一見、韓国は景観が日本とは似ているようですが、異なる点も多いので、ぜひ車窓をよく観察してみてくださいね。