函館ハリストス正教会(主の復活聖堂)の歴史と魅力

函館ハリストス正教会(主の復活聖堂)の歴史と魅力

函館ハリストス正教会は、函館市元町にある日本初のロシア正教会聖堂です。異国情緒あふれる元町エリアには歴史ある教会がいくつも存在しますが、函館ハリストス正教会はエリアを代表する教会のひとつ。クリスマスには、一般向けのクリスマスミサが行われますので、この日に訪れるのもおすすめです。

今回は函館市のカントリーサインともいえる函館ハリストス正教会の見どころをたっぷりとご紹介します。

目次

函館ハリストス正教会(主の復活聖堂)の歴史と魅力

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1.函館ハリストス正教会について

函館ハリストス正教会

江戸時代末期の1860年(安政7年)、初代ロシア領事館の附属聖堂として建造されました。正式名称は「函館ハリストス正教会復活聖堂」。「ハリストス」は「キリスト」を意味するギリシャ語です。

翌年の1861年には青年司祭聖ニコライ神父が函館を訪れ、この聖堂を拠点に日本で正教会の布教を始めました。初代聖堂は残念ながら1907年に起きた函館大火で消失しましたが、1930年に現在の聖堂が完成。2代目となる函館ハリストス正教会は、白壁と緑屋根のコントラストが美しいロシアビザンチン様式の建築物です。

1983年6月2日に国の重要文化財として指定されたことにともない、1986年から本格的な調査・修復が施されました。
週末になると、美しい鐘の音色が函館山の麓一帯に響き渡ります。

2.主の復活聖堂

函館ハリストス正教会 主の復活聖堂

函館ハリストス正教会という名称は教会名であり、正式には「主の復活聖堂」です。その名が表す通り、キリストを意味する「ハリストス」の復活を記念する聖堂となっています。

この聖堂は、愛知県知多郡内海村出身の建築家・モイセイ河村伊蔵が設計を担当。秀麗なビザンチン様式が目を引く美しい聖堂です。

3.外観の特徴と魅力

異国情緒漂う町並みに建つ洋風建築物の代表格ともいえる函館ハリストス正教会。漆喰塗仕上げの白壁と青緑色の銅板を用いた屋根がくっきりと映え、どこから見ても絵になる美しさです。

函館ハリストス正教会

屋根にはクーポルと呼ばれるドーム状の小塔が6つあり、それぞれの塔には十字架が据えられています。これはロウソクの炎をかたどったもので、ロシア式聖堂の特徴。教会は毎夜22時までライトアップされますので、美しい夜の聖堂を眺めに出かけてみませんか。

4.函館ハリストス正教会の内部の紹介

聖堂内部は高いドーム型の天井、窓から射しこむほのかな光、キリストや聖人たちを描いた美しい絵画が迎えてくれる神聖な空間です。

絵画(イコン)が描かれた木製のついたてのようなものは「イコノスタス(イコノスタシス)」。聖所と至聖所を区切る聖障の意です。
このイコノスタスはロシア・サンクトペテルブルクで造られ、船で函館港に輸送されてきました。イコンからはロシアらしさが垣間見え、非常に重厚感が感じられます。

聖堂内部は神聖な祈りの場所のため撮影は禁止ですが、見学することはできます。

5.聖像(イコン)画家・山下りん

イコノスタシスをはじめ聖堂内には、見応えのある約70枚の聖像(イコン)がまつられています。

「主の昇天」や「ハリストスの降誕」などは、ハリストス正教会の専属画家であった女流イコン画家・山下りん(イリナ山下りん)が描いたイコン。山下りんが描いた作品は函館をはじめ、日本各地のハリストス正教会に残されています。りんの描く聖像画はロシアのイコンとは異なり、日本的な目鼻立ちが特徴。温かみが伝わってくるような魅力があります。

6.「残したい日本の音風景100選」の鐘の音

再建当時は重さ約2トンの大鐘でしたが、関東大震災で被害を受けた東京神田のニコライ聖堂へ移されました。代わりに大小6個の鐘が送られ、これらを楽器のように「ガンガン」と鳴らしていたことから「ガンガン寺」というユニークな名前でも知られています。

教会の正面玄関の上にそびえる鐘塔の5代目となる現在の鐘は、「日本の音風景百選」に認定された有名な鐘です。

1983年(昭和58年)6月に三重県桑名市在住の美術鋳造家が献納したもので、毎週土曜日の徹夜祷、日曜日の聖体礼儀の際に、1回3~5分間鳴り響いています。
週末に函館を訪れた際には、耳を澄まして鐘の音を聞いてみてください。

7.「チャチャ登り」を下りながらの景色も必見!

函館聖ヨハネ教会 チャチャ登り

函館ハリストス正教会と函館聖ヨハネ教会の間に、勾配が急な「チャチャ登り」という小坂があります。“チャチャ”とは「おじいさん」という意味のアイヌ語。この急な坂を登る時は、「おじいさんのように前屈みになって腰を曲げないと登れない」ということから名づけられたという由来があります。

函館ハリストス正教会 チャチャ登り

そんなチャチャ登りから見た函館ハリストス正教会はこのような角度。ちょうど聖堂入口の反対側です。

チャチャ登りを下りながら函館の街並みを見渡したり、ライトアップされた教会や函館の夜景を見るのもおすすめですよ。

8.函館ハリストス正教会の拝観時間・入場料

聖堂は観光スポットではなく、お祈りをする場所です。聖堂内部を拝観させていただく場合は静かに見学しましょう。
写真撮影は禁止されています。

◆拝観時間

月曜~土曜 10:00~16:00
日曜 13:00~16:00
※冬期(12/26~3/1)は拝観できません

◆拝観献金(入場料)

大人(高校生以上):200円
中学生 100円
小学生以下 無料

9.一般向けのミサについて

土曜日17時からの「主日前晩祷」、日曜日10時からの「主日聖体礼儀」は、誰でも見学、お祈りすることができます。
祈祷が始まっている場合には邪魔にならないよう静かに出入りしてください。

その他にも、祭日のお祈りや感謝のお祈りなど随時行われていますので、公式ホームページの「今月の奉事・行事予定」から確認してみてください。葬儀や結婚式などの予定が入っていない限り、主日奉事には一般市民や観光客もお祈りに参加できますよ。

新年感謝祈祷、クリスマス祈祷、4月の復活祭の日など特別な日に訪れるのがおすすめです。日時が合えばぜひミサに参加してお祈りをしましょう。

2022年12月中旬頃まで聖堂は工事中ですが、2021年2月から聖堂に隣接する信徒会館でお祈りが行われています。
誰でも参加・見学できますので立ち寄ってみてください。

■お祈りの時間(主日前晩祷・主日聖体礼儀)

【​主日前晩祷】土曜日 17:00~
【主日聖体礼儀】日曜日 10:00~

◎アクセス・周辺の観光スポット紹介

函館 八幡坂

出典: aki / PIXTA(ピクスタ)

函館ハリストス正教会は、市電 「十字街」か「末広町」で下車し、函館らしい町並みを楽しみながら坂を上ると徒歩10分ほどで行くことができます。
おすすめは、末広町からロケ地として知られる八幡坂から、函館山を見ながら上がるコース!

函館 八幡坂
函館 八幡坂

画像のように八幡坂を上った突き当りでは、八幡坂と函館港のこの絶景を写真に収める観光客の姿が多数見られます。

三叉路を左折して少し歩くと左手にカトリック元町教会、そして右手に函館ハリストス正教会があります。雪化粧した坂道や、雨に濡れてしっとりとした石畳の道も趣があってステキですよ。

◆函館空港・函館駅からのアクセス

函館空港からはシャトルバス、函館駅からは函館市電が便利です。

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