大韓仏教の総本山・曹渓寺（チョゲサ）は、仁寺洞からも近い色鮮やかな寺院

曹渓寺（チョゲサ）は韓国にある600年以上もの歴史を誇る寺院です。曹渓寺は曹渓宗（チョゲジョン）の総本山であり、ソウル市の中心部にあります。曹渓宗総務院や中央宗会などが位置しており、韓国仏教の中心としてその役目を果たしています。また一年を通して法会や講座、法事などの儀式が行われており、その中でも「燃灯祝祭（ヨンドゥンチュッチュ）」はとても幻想的です。

1. 曹渓寺の歴史を予習～曹渓宗とは？～

曹渓寺は1395年に創建、1910年までは「覚皇寺（カックァンサ）」、その後の日本統治時代には「太古寺（テゴサ）」と呼ばれていましたが、1954年の仏教浄化運動の後、曹渓宗の僧侶が集まり改称され現在の「曹渓寺」になりました。「曹渓宗（チョゲジョン）」とは1700年もの韓国仏教の歴史と伝統を代表する韓国最大の宗派のことを指し、国家が認定している寺院（約870ヶ所）のおよそ9割が曹渓宗となっています。

2. 曹渓寺内の見どころ

曹渓寺内は「大雄殿」を中心に、「極楽殿」、「梵鐘楼」といった、いくつかの建物があります。それ以外にも樹齢が500年も超えていると推定されている天然記念物の「白松」、仏様の真身舎利１顆が奉安されている「8角10重仏様真身舎利塔」など、歴史を深く広く感じることが出来ます。また施設内には観光に来た人のための「外国人観光案内所」もあり、韓国の仏教や曹渓寺の歴史などについて説明してくれるので分からないことがあっても安心です。

3. 曹渓寺の必見スポット BEST3

■ 大雄殿

「偉大な英雄の釈迦牟尼仏を祀っている殿閣」という意味をもつ「大雄殿」。なんと韓国にある一階建ての建物としては最大級の規模を誇っており、またソウル市地方有形文化財第127号にも指定されています。釈迦牟尼仏・薬師如来仏・阿弥陀仏の三体が奉安しており、その姿には圧巻されます。スロープも設置されているので、車椅子の人も入れます。

■ 極楽殿

大雄殿の裏側にある2階建ての建物で、西方浄土極楽世界の教主であり、すべての生き物を極楽の世界へ導いてくれる阿弥陀仏を祀っている殿閣です。さらに観世音菩薩と地蔵菩薩が保管されています。また、2階には信徒教育や文化講演のために使われる2つの説法殿があります。

■ 梵鐘楼

梵鐘楼は、法鼓（ほっく）、木魚、雲版（うんぱん）、梵鐘など仏殿四物があるところで、この順番によって朝夕の礼仏、また特別な行事があるときに鳴らします。もともとは竜門山上院寺にあったものが移築されたものであり、梵鐘の高さは154cm、口径は89cmあります。梵鐘は礼拝時に鳴らすことで、煩悩から開放し、悪徳から救い出すことが目的で、法鼓は地上の生き物、木魚は水の中の生き物、そして雲版は空中の生き物を救い出すための仏具です。

4. 観光するなら5月の燃灯祝祭がおすすめ！

「燃灯祝祭」とは韓国最大級の祭りであり、毎年5月にお釈迦様の生誕を祝い、あらためてお釈迦様の教えを布教するために行われています。ソウルで市をあげて開催され、街のあちこちに沢山の燃灯（提灯）が飾られます。もちろん曹渓寺も例外ではなく、期間中は東大門（トンデムテン）～曹渓寺を結ぶ通りで約10万個もの燃灯を手にしたパレードも行われます。空も見えなくなるほど隙間なく飾られた燃灯はまさに圧巻です。

5. 曹渓寺は宿泊もできる！？

曹渓寺はなんと泊まりながらお寺を体験できます。お寺での作法、僧侶との茶談、蓮華・塩曼荼羅つくり、さらには鉢孟供養（パルコンヤン）、参禅や仏参などがあり、人気のプログラムとなっています。詳しい内容についてはお寺のHPで確認してみてください。

6. 寺のアクセス

二通りの方法があります。

【地下鉄3号線安国（Anguk）駅からアクセス】
6番出口を出て直進、左手に観光案内所があります。さらに進むと大きな道路に出るので左折して直進、右手に見えてきます、徒歩5分。

【地下鉄1号線鐘閣（Jonggak）駅からアクセス】
2番出口を出て直進、しばらく進むと左手に見えてきます、徒歩6分。

◎ 最後に：仁寺洞と併せて観光しましょう！

今回は曹渓寺の魅力についてご紹介しました。韓国を訪れた際は是非行ってみてください。また近くには若者から年配の方まで楽しめるソウルの人気観光地「仁寺洞（インサドン）」もあります。ここも併せて観光し、韓国を心ゆくまで思いっきり楽しみましょう！