クルエーンとタッチェンシニー=アルセクに広がるカナダの美しき世界遺産!

クルエーンとタッチェンシニー=アルセクに広がるカナダの美しき世界遺産!

アメリカアラスカ州の南東部、いわゆる「アラスカ・パンハンドル(取っ手)」と呼ばれる細長くカナダと入り組んだ地域に、広大な世界自然遺産があります。正式名称を「クルエーン/ランゲル=セント・イライアス/グレイシャー・ベイ/タッチェンシニー=アルセク」という長い名前のこの世界遺産には、カナダとアメリカのそれぞれ2つずつの公立公園が含まれています。この地域には高い山々と氷河・氷原の景色が広がり、樹木は平地に近いところでしか成長できません。野生動物の貴重な生息地としても知られ、その豊かな自然が評価されて世界遺産に登録されました。今回は、そのうちカナダの世界遺産区域に絞って見どころをご紹介したいと思います。

目次

クルエーンとタッチェンシニー=アルセクに広がるカナダの美しき世界遺産!

クルエーンとタッチェンシニー=アルセクとは?

世界遺産「クルエーン/ランゲル=セント・イライアス/グレイシャー・ベイ/タッチェンシニー=アルセク」のうち、カナダに属するのはクルエーンとタッチェンシニー=アルセクの2つです。ユーコン準州にクルエーン国立公園が、ブリティッシュ・コロンビア州にタッチェンシニー=アルセク州立公園があります。

ツンドラ森林地帯や氷河から流れ出る水によって作られる川や滝、湖や沼などの壮大な景色が魅力!ハイイログマ、トナカイ、ドール・シープが数多く生息していることも。世界遺産に登録された理由の1つです。

1979年にクルエーン国立公園とランゲル=セント・イライアス国立公園の2つが世界遺産に登録され、1992年にグレイシャー・ベイ国立公園が、そして1994年にタッチェンシニー=アルセク州立公園が追加登録されました。アラスカとカナダにまたがる山岳公園群は北アメリカ大陸の太平洋側北部に位置し、氷原と氷河の広がる幻想的で美しい景色を見られる場所として有名です。

クルエーンとタッチェンシニー=アルセクへのアクセス

アメリカ側のグレイシャー・ベイには、アラスカ州の州都ジュノーをはじめいくつか観光の町が含まれています。対してカナダ側の世界遺産区域周辺にはこれといった有名な町はありません。まずは、バンクーバー経由でユーコン準州の準州都ホワイトホースの国際空港に降り立ちましょう。

この町で観光ツアーを探すか、バスで世界遺産区域の入口の町ヘインズ・ジャンクションまで移動します。ここには宿泊施設や飲食店も整っていて、ビジターセンターもあります。ホワイトホースかヘインズ・ジャンクション地元のツアーに参加して入山するのがおすすめです。

アラスカとカナダにまたがる山岳公園群のおすすめポイント

1. クルエーン国立公園

世界遺産に含まれるカナダの2つの公立公園のうち、北側にあるのがクルエーン国立公園です。公園内のアメリカとの国境には、カナダの最高峰にして北米大陸でも2番目に高いローガン山がそびえています。しかもこの山は麓がすべて氷河に覆われていて、山頂が見えるエリアまで車で行くことができません。カナダの自然がいかに雄大かがわかりますね。

公園自体も山地と氷河が面積の83%を占め、とくに氷河見学ツアーは世界遺産「クルエーン/ランゲル=セント・イライアス/グレイシャー・ベイ/タッチェンシニー=アルセク」観光の定番です。ほかにもハイキングやマウンテンバイクでの散策はもちろん、澄んだ雪解け水でのボートやラフティングも人気ですよ。

2. タッチェンシニー=アルセク州立公園

出典: commons.wikimedia.org

タッチェンシニー=アルセク州立公園は、世界遺産の4つの公立公園のうち最後に登録を果たしたところです。1980年代半ばにこの地域で大規模な露天掘りの銅鉱開発計画が持ち上がり、それにたいしてアメリカ・カナダ両国で激しい抗議運動が巻き起こりました。1993年にクリントン政権が誕生し、環境問題に熱心なアル・ゴア氏が副大統領に就任すると保護活動が一気に進展し、タッチェンシニー=アルセクは同年中に州立公園となり、世界遺産に追加登録されることになったのです。

そんな劇的な経緯をもつタッチェンシニー=アルセク州立公園は、地図上でもはっきりわかる、さすまた型の長大な氷河が特徴です。こうした氷河の存在は、ツキノワグマやハイイログマ、グリズリーなどの自由な移動を保証し、広範な生息域の確保につながっています。ほかにも州立公園内では、野生のヤギやヒツジ、ヘラジカ、オオカミ、ワシ、ハヤブサといった動物たちを目にすることができます。

◎まとめ

最大規模の世界遺産「クルエーン/ランゲル=セント・イライアス/グレイシャー・ベイ/タッチェンシニー=アルセク」のうち、カナダに属する2つのエリアをご紹介しました。5000m級の山が連なり、ツンドラや氷河などアラスカならではの雄大な自然を目の当たりにできる4つの公立公園。澄み切った空気のなかで野生動物とともに過ごす時間は、人間社会の日常ではそうそう味わえるものではありません。海にも近いアメリカ側も良いですが、比較的マイナーで静かにアクティビティを楽しめるカナダ側の世界自然遺産観光もおすすめですよ。

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