自然大国カナダの世界自然・文化遺産情報スポット20ヶ所

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自然大国カナダの世界自然・文化遺産情報スポット20ヶ所

文化・自然の分野で登録されているカナダのユネスコ世界遺産は、2022年3月時点で20か所あります。文化遺産が9か所、自然遺産が10か所、複合遺産が1か所。州別で見てみると、ニューファンドランド・ラブラドール州に世界遺産が4か所、ノバスコッシア州に世界遺産が3か所に集中。カナダ東部とカナダ西部に分けると世界遺産数が半々なのです。数で見てみると少し興味が沸いてきますね。それではカナダの世界遺産をご紹介します。

目次

自然大国カナダの世界自然・文化遺産情報スポット20ヶ所

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1. ランス・オ・メドー国定史跡

出典: Russ Heinl/shutterstock

1978年より世界遺産のひとつとして指定されたカナダ北東にある島、ニューファンドランド島北部のランス・オ・メドー国定史跡には、ヨーロッパ人が初めてアメリカ大陸に上陸した重要な証拠が残されています。

千年以上前に、グリーンランドから古代スカンジナビア人の遠征隊が海を越えてやってきて、木材を組み泥を積み重ねた壁を草で覆い住居を作った北欧バイキングの集落地。この世界遺産の地、ランス・オ・メドー国定史跡で、更に、船作りに使用された製材所や溶鉱炉の跡や多くの鉄器が発見されています。ランス・オ・メドー国定史跡は、世界文化遺産あると同時に、カナダ国定史跡としてもカナダ政府機関Parks Canadaによって保護されています。

2. ナハニ国立公園

出典: Vadim Gouida/shutterstock

1978年より、世界自然遺産として認定のカナダ・ノースウェスト準州にある世界遺産のナハニ国立公園は、イエローナイフから約500km西側にある総面積およそ4700平方kmのマッケンジー山脈が広がる自然保護地区です。ナハニ国立公園は、人間による自然開発の手が及んでいない未踏の自然地帯、山々が連なる山脈の中の奥深い川や渓谷がある領域。

ナハニ国立公園の真ん中を約320kmに渡って流れているサウス・ナハニ川に、カナダ・ナイアガラの滝の倍の高さから水が流れ落ちる有名なバージニアの滝(別名、ナイリチョ Nailicho)があります。但し、その滝を見るためには、チャーターフロート水上機、運営許可所有サービス業者のカヌー、ラフティング、4輪駆動車を利用して自力で向かうかの手段となります。

この世界自然遺産のカナダのナハニ国立公園では、ハイイロ熊、シロイワヤギ、ウッドランドカリブー、などの野生動物が見られ、訪れる人々を魅了させています。

3. アルバータ州立恐竜自然公園

出典: Ronnie Chua/shutterstock

1979年に世界自然遺産に指定されたカナダにあるアルバータ州立恐竜自然公園は、世界中の恐竜化石発掘現場の中でも一番豊富な恐竜化石が発見されていることで知られています。7千5百年前ここは、現在の北フロリダのように熱帯気候で、海岸沿いの広い浅地の平原に、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、原始哺乳類、そして35種類の恐竜など、数えきれないほどの生物が生存していました。その化石が、ここカナダの世界自然遺産アルバータ州立恐竜自然公園で、数多く発見されています。

1880年から始まったレッド・ディア川沿い約27km発掘調査で、今までに保存の良い300体以上もの恐竜の骨が発見!その多くは世界の30都市の博物館で展示されています。ここから車で北方面へ2時間ほどのドラムヘラーに、ロイヤル・ティレル古生物学博物館が開館した1985年以来、発掘された貴重な世界遺産は、ここに収められるようになりました。

4. クルアーニー/ランゲル・セント・イライアス/グレーシャー・ベイ/タッチェンシニー・アルセク(アラスカ・カナダ国境地帯の山岳公園群)

出典: A. Michael Brown/shutterstock

ユネスコ世界自然遺産指定のアラスカ・カナダ国境地帯の山岳公園群は、北米大陸大使用側のカナダのブリティッシュコロンビア州とユーコン準州、アメリカ合衆国のアラスカ州と両国の4地区に跨っています。5000m級の山々の中の森林、湖、海に浮かぶ氷河、広大な自然が作り出す美しさ、その自然の中に生きる数多くの生物、ザトウクジラ、ゴマフアザラシ、シャチ、ラッコ、ハイイログマ、トナカイ、シロイワヤギ、バイソン、ビーバー、ガチョウ、白鳥、ハクトウワシなどが保護されている自然保護区です。

世界最大を誇る世界遺産アラスカ・カナダ国境地帯の山岳公園群は、カナダ・ユーコン準州のクルアーニー国立公園保護区が1979年に、アメリカ・アラスカのランゲル-セント・イライアス国立公園保護区と共に登録され、その後、1992年、アラスカのグレーシャー・ベイ国立公園保護区、1994年、カナダBC州のタッチェンシニー-アルセク州立自然公園と続いて追加登録されました。

5. ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプ

出典: canadastock/shutterstock

ユネスコ世界文化遺産ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプは、カナダのアルバータ州南西部にあるポキュパイン・ヒルにあります。何千年もの間、カナダ先住民にとって、バイソンは、生活の糧でした。肉は食料、皮は衣服や住居、骨や角は道具、フンは火元。

そのために、大量狩猟が行われたのがこの世界文遺産ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプの崖。数えきれないほどのバイソンの群れをこの10mから18mの高さの崖に追いやり突き落として殺す。その狩猟法は、5700年程前に始まり19世紀の半ばまで続けられました。その崖下で、死んだバイソンの身体は解体され、今では、不必要となった骨の堆積が深さ11mもあり、その保存状態は良好です。世界一を誇るバイソンの骨の堆積量とその歴史が考古学上・人類史上貴重なものとして、このカナダのヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプが1981年に世界文化遺産に登録されました。

6. スカン・グアイ

出典: Bob Hilscher/shutterstock

世界文化遺産スカン・グアイは、カナダのブリティッシュコロンビア州西部の海に浮かぶクイーンシャーロット諸島のグアイ・ハアナス国立公園・ハイダ国定史跡の最南端にある無人島です。その無人島に、かつてこの島に住んでいた先住民ハイダ族(アメリカ・アラスカ州とカナダ・ブリティッシュコロンビア州に住む)の村落廃屋やデザイン画、そして、トーテムポールが残されています。

1981年に、カナダに消滅しつつある現存の文化的・文明的伝統を残す貴重な証拠を歴史的に重要性が高いとして、スカン・グアイは世界文化遺産として指定されました。今では、この世界遺産に残されている住居跡やトーテムポールは随分と朽ちて来て、ハイダ族の教え通り本来の自然に帰る途を辿っています。

7. ウッド・バッファロー国立公園

出典: Dancestrokes/shutterstock

1983年にユネスコ世界自然遺産として登録されたウッド・バッファロー国立公園は、カナダ北部中央の平原アルバーター州北東部とノースウエスト準州にまたがるカナダ最大の広さおよそ4500㎢ある国立公園です。

絶滅危機に近いと言われているウッドバイソンの群れが世界最大規模であり、更に最大規模の未踏の牧草地・スゲ草原地で囲まれた地帯の生態学と生物学の過程が現在進行形で残っている北米での優れた例として、世界遺産に指定されました。絶滅危機寸前のアメリカシロズルが夏季に繁殖する湿原地としても知られている重要な世界遺産に値するカナダの保護するウッド・バッファロー国立公園です。

8. カナディアン・ロッキー山脈自然公園群

出典: Peter Wey/shutterstock

世界的にも日本人観光客にも、有名なカナダの観光地カナディアン・ロッキー山脈自然公園群は、1984年にユネスコ世界自然遺産として登録されました。このカナディアン・ロッキー山脈自然公園群は、バンフ国立公園、ジャスパー国立公園、クートーニー国立公園、ヨーホー国立公園の4つの国立公園とブリティッシュコロンビア州のハンバー州立公園、アシニボイン山州立公園、ロブソン州立公園の3つの州立公園を含む全面積23,400㎢の広さがあります。

3000m級の著しい山々の景観、その峰々、氷河、湖、峡谷、鍾乳洞はなんとも素晴らしい自然の産物は、本当に素晴らしい世界遺産に相応しいカナダの宝です。山脈の間を抜ける河川流域の上流に源泉を持つホット・スプリング(温泉)が楽しめるカナダ唯一の世界遺産でもあります。

9. ケベック歴史地区

出典: Songquan Deng/shutterstock

世界遺産のカナダ東部ケベック州のケベック歴史地区は、1964年5月までに、ケベック国民議会にて制定された1.4km範囲内のケベック自治体地区です。そのケベック自治体が、1985年12月、ユネスコ世界文化遺産と指定されました。ケベックは、17世紀初期にフランスの探検家サミュエル・ド・シャンプランによって発見されました。街は、宗教・政治・軍事の機関があった崖上のアッパー・タウンと多くの商人・職人・漁師が住む住居と商業が営まれた崖下のロウアー・タウンがあります。

アッパー・タウンは、ケベックがフランス植民地時代に、イギリス軍の攻撃を防ぐために、フランス軍によって造られた城壁が当時の姿のまま今も残っているメキシコ北側の北米で唯一の要塞があります。1759年に英軍に敗れた以降も現代まで、多くの建物がケベック州遺産として守られ、フランス文化を強く残し引き継けているカナダのケベック歴史地区は確かなる世界遺産です。

10. グロス・モーン国立公園

出典: Julie A Lynch/shutterstock

カナダ東部のニューファンドランド島の西海岸にあるグロス・モーン国立公園は、1987年、ユネスコ世界自然遺産に登録されています。面積1,805平方kmあるグロス・モーン国立公園は、アトランティック・カナダ地区で第2番目に広い国立公園です。およそ6億年前に同大陸だったヨーロッパと北米が分かれ始めたといいます。その大陸の間に流れたマグマの塊の痕跡が今、グロス・モーンのウェスタン・ブルック池の崖に実存。つまり、恐竜の生存前の時代がここで確認できるということです。まさに、世界遺産に相応しい自然の宝ですね。

この世界自然遺産指定のグロス・モーン国立公園は、深い歴史を積み重ね、氷河により出来た崖壁のフィヨルドが広がり、遥か昔を思わせる光景は何とも言い難い風情です。ここに生きる生物は、トナカイ、ホッキョクウサギ、アメリカグマ、キツネ、ヘラジカなどがいます。また、海岸沖や湾内には、シノリガモやウミガモ、ミンククジラが見られます。

11. ルーネンバーグ旧市街

出典: Russ Heinl/shutterstock

カナダ東部ノバスコッシア州州都ハリファックスより、車で南方面におよそ1時間ほど行ったところにある人口2万人ほどのこのカナダの港街、ルーネンバーグ。1753年に、イギリスの植民地として創設されたルーネンバーグ旧市街は、1995年、世界文化遺産に登録されました。

事前に用意された”すべての通りは真っ直ぐに、全ての曲がり角は正方形に”というイギリス植民地「モデルタウン」プランに従い、きちっと造られた世界文化遺産のルーネンバーグ旧市街は、イギリス植民地の計画通りの街が生き延びてきた珍しい貴重な街並みとして世界遺産に認められました。18世紀、19世紀に建てられた400戸ほどが今も大事に引き継がれ、カラフルな塗装の外装は、漁師が深い霧の中でも無事港に帰って来られるようにと願いを込めて船用のペンキを塗ったのが始まりでした。

カナダで、このような歴史ある街が世界遺産に認められたのは、ルーネンバーグ旧市街が、ケベックに次ぐ2番目です。

12. ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園

出典: Jason Patrick Ross/shutterstock

1995年に、世界自然遺産に登録されたウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園は、1931年に、カナダのアルバータとアメリカのモンタナのロータリークラブが提案して、カナダのアルバータ州のウォータートン・レイク国立公園とアメリカのグレイシャー国立公園の二国の公園を世界で初めて併合させた国際平和公園です。

その併合の目的は二国間の平和と親善のためだけでなく、その保護において必要とされる荒野の国際的な協力を強調するためでした。面積526平方kmのウォータートン・レイクと面積4051㎢グレイシャーの両公園の美しくかけがいのない自然環境を保護する事は非常に価値に値するものです。まさに、自然保護に値する世界遺産に相応しい自然の宝です。

13. ミグアシャ国立公園

出典: GIBAN/shutterstock

1999年にユネスコ世界自然遺産に登録されたカナダのミグアシャ国立公園は、カナダ・ケベック州ガスペ半島にある保護区にあります。

このカナダの世界遺産ミグアシャ国立公園では、3億8千年前の「魚の時代」デボン紀時代を例証する魚の化石の発見現場です。魚類から進化する四つ足を持ち空気呼吸する脊椎動物、四つ足動物の化石が世界の中でも最も優れた状態で発見されています。ここで発見された”ミグアシャのプリンス”は、科学者たちにとって非常に注目を浴びたデボン紀の魚エウステノプテロンの化石です。これは、世界遺産が約束される発見ですね。

14. リドー運河

出典: Songquan Deng/shutterstock

2007年ユネスコ世界遺産に指定されたカナダオンタリオ州にあるリドー運河は、1832年に、カナダを植民地としていた英国が、アメリカの侵攻を防ぐために、軍用物資輸送経路として作られた石壁の水路です。当時、カナダ軍基地のあるオンタリオ湖畔のキングストンとモントリオールを繋ぐ迂回ルートでした。

45か所の仕切りがある長さ202kmの世界遺産登録のリドー運河の内、19kmが人の手によって掘り起こされ造られました。19世紀に入り、リドー運河は商業利用され、現代は、レジャーで利用される北米で最古の運河です。カナダで運河が世界遺産として登録されているのは、リドー運河だけです。

15. ジョギンズの化石の崖群

出典: V J Matthew/shutterstock

2008年ユネスコ世界自然遺産に登録されたジョギンズの化石の崖群は、カナダの東部ノバスコッシア州のファンディ湾にあるカンバーランド小さなカンバーランド湾にあります。

このジョギンズの化石の崖群の崖23m、長さ15kmの崖から、3億年前の植物、動物の化石、更に、ガラパゴス石炭紀の化石が、世界遺産登録される随分前に、発見されました。1851年に発見された爬虫類の化石ヒロノマス・リュエリは、爬虫類最古のものです。

浸食の激しいカナダのファンディ湾にあるこの世界遺産ジョギンズの化石の崖群には、爬虫類、恐竜、鳥類、哺乳類の化石が多く発見される要素が揃っています。

16. グラン-プレの文化的景観

出典: V J Matthew/shutterstock

このカナダ東部ノバスコッシア州の村グラン・プレ(Grand-Pré)は、2012年にそのグラン・プレの文化的景観が世界文化遺産として登録されました。ここグラン・プレには、世界で一番、潮の干満差が大きい海岸線近辺に、17世紀、フランス移民のアカディア人が移り住み、広大な草原に農地を開拓し、小麦など栽培し、牧畜を行いました。

しかし、やがて、カナダにイギリスが攻め込み、フランス勢を倒し、イギリスへの忠誠を強要します。それを拒んだアカディア人の住居を焼き追放するという悲劇がここで起こりました。この歴史的事実とこの村の美しい農村地帯の景観が世界遺産のグラン-プレの文化的景観を生んだのです。

17. レッド・ベイのバスク人捕鯨基地

出典: Alina Strandberg/shutterstock

2013年にカナダで第17番目に登録されたユネスコ世界文化遺産のレッド・ベイのバスク人捕鯨基地は、カナダのニューファンドランド・ラブラドール州にあります。レッド・ベイの遺跡は、1979年にカナダ国定史跡に指定され保護されました。

世界遺産のレッド・ベイ捕鯨基地は、16世紀半ば頃からヨーロッパからやって来たバスク人がベルアイル湾に建設した基地。沿岸で捕鯨された鯨の解体や鯨の油を精製・貯蔵がここで行われていました。今では、捕鯨は打ち止めされ、海底に沈む捕鯨船、鯨の油の精製現場、住居跡、鯨の骨などが残ったままで貴重な世界遺産として保存されています。

18. ミステイクン・ポイント

出典: vagabond54/shutterstock

2016年、ユネスコ世界自然遺産に登録されたミステイクン・ポイントは、カナダのニューファンドランド・ラブラドール州にあります。全長約17km続く断崖のミステイクン・ポイントでは、約5億年前の先カンブリア時代末期に生存していた地球最初の多細胞生物で、骨格や外骨格を持たないエディアカラ生物群の化石が豊富に発見されました。

この貴重な資料が世界遺産に相応しい決め手になっています。この世界遺産に行くには、ここの専用ガイドが付いていくことが必須であり、現場では土足厳禁となっていますのでご注意ください。

19. ピマチオウィン・アキ

ウッドランド・カリブー州立公園

出典: milehightraveler

カナダで初めての複合遺産として2018年に登録されたピマチオウィン・アキ。カナダのマニトバ州にあり、川や湿地に囲まれた森林景観一帯の広大な場所です。

7000年以上にわたり、アニシナアベ族が一体となり暮らしてきた文化やカナダの広大な自然保護区が評価され登録されました。

20. ライティング・オン・ストーン/アイシナイピ

ライティング・オン・ストーン州立公園

出典: 2009fotofriends

2019年にカナダの世界文化遺産として「ライティング・オン・ストーン/アイシナイピ」が登録されました。カナダのアルバータ州南部にあるライティング・オン・ストーン州立公園には、奇岩地帯が広がり絶景!

およそ一万年前に暮らしていた先住民ブラックフット族の貴重な岩絵もあります。

◎まとめ

以上、カナダの世界自然・文化遺産スポット情報20か所でした。世界でも有数の国土面積をもつ大国のカナダだけあって、世界自然遺産の規模も広大です。個人旅行行ける世界遺産は、限られていますが絶景が多いので見逃せません。カナダ世界遺産の旅は、事前手配で準備万端、安全旅行で行ってくださいね。

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