海辺の要塞！世界遺産マサガン（アル・ジャディーダ）のポルトガル様式市街

エキゾチックな魅力が漂う北アフリカの国モロッコ。映画でも有名なカサブランカやマラケシュなど美しく魅惑的な都市に雄大なサハラ砂漠。世界遺産に登録されている街も多く、世界中の観光客をひきつけています。

大西洋に面した美しい港町アル・ジャディーダもモロッコの世界遺産の1つ。カサブランカから南西に約90キロ。かつてポルトガル人により築かれた要塞都市で、ポルトガル語ではマサガンと呼ばれていたました。要塞と城壁を残す世界遺産の街アル・ジャディーダについてご紹介します。

世界遺産マサガン（アル・ジャディーダ）のポルトガル様式都市とは？

アル・ジャディーダ（マサガン）の歴史は古く、紀元前5世紀頃には港として開かれていたと考えられています。この街が大きく発展するのは大航海時代に入ってからのことで、1506年にポルトガルがマサガン砦を築き、1542年には町全体が城壁で囲まれました。

モロッコ人はマサガンを200年以降にわたって攻撃し続けましたが、この要塞都市は容易には陥落しませんでした。しかし、1769年についに攻め落とされ、町の名はマフドゥマと改められます。この戦いで城塞と城壁は大きく破壊されましたが、1832年にようやく再建が決定。この時にアル・ジャディーダ（「新しいもの」の意）と改称されました。

戦争で荒廃したとはいえ、16世紀から残っている建物も多く、ポルトガルのマヌエル様式を伝える貴重な都市として、2004年に世界遺産に登録されています。また、アル・ジャディーダ旧市街の城壁や砦はルネッサンス期の軍事設計。地下貯水槽や教会には後期ゴシック建築と、さまざまな時代の建築様式を目にすることもできます。

マサガン（ジャディーダ）のポルトガル様式都市へのアクセス

世界遺産の都市アル・ジャディーダへは、モロッコ国内各地から電車やバスでアクセスできます。

日本からは乗継便でカサブランカやラバト、マラケシュへ。カサブランカのCasablanca Port駅及びCasablanca Voyageurs駅からアル・ジャディーダ駅へは1時間30分程度です。ただし、アル・ジャディーダ駅は世界遺産の旧市街から少し離れているので、駅からタクシーを利用するのがおすすめ。

またアル・ジャジーダへのバスも、カサブランカ、ラバト、マラケシュから出ています。発着場所は旧市街地から徒歩15分程度。日帰りツアーもあるので気軽に訪れることができますよ。

アル・ジャディーダのおすすめポイント①：マサガンの要塞

アル・ジャディーダの港に臨んで、城壁と稜堡に囲まれた世界遺産の旧市街があります。かつてはマサガンと呼ばれたこのポルトガル都市には、星型につくられた要塞の稜堡の5つのうち4つが残っています。銃眼つき胸壁に囲まれた通路を歩いて、4つの稜堡をまわってみましょう。

とくに東側のエンジェル稜堡からは、アル・ジャディーダの美しい海と世界遺産の旧市街が一望できますよ。また城壁には、海上からの攻撃に備えた大砲がずらりと並んでいて迫力満点です。

まるで映画のセットのような景色が広がる要塞化された旧市街。町を堅固に守った要塞の独特な景観は一見の価値あり！アル・ジャディーダを訪れたら、まずは要塞都市を隅々まで探索してみてください。

アル・ジャディーダのおすすめポイント②：地下貯水槽

世界遺産アル・ジャディーダのおすすめポイントとしてもう1つ欠かせないのが、巨大な地下貯水槽です。アル・ジャディーダの旧市街のメインストリートにある小さな入り口。その先に広がるのは、1514年に建設された巨大な地下貯水槽！当初は武器庫として作られましたが、長期の籠城に備えて貯水槽に改築されたものです。

貯水槽が見どころといわれるとピンと来ないかもしれません。でうが、マヌエル様式のエレガントな柱にささえられた見事な空間は、貯水槽というより巨大な地下聖堂といった感じです。薄く水が張られると、柱や天井が水面に反射しさらに幻想的に！世界遺産アル・ジャディーダの旧市街のなかでもとくに人気の高いスポットとなっています。

この地下貯水槽は、1952年公開のオーソン・ウェルズの名作映画『オセロ』の撮影にも使われました。映画の舞台ともなった世界遺産都市アル・ジャディーダの誇る、美しい観光スポットですよ。

◎まとめ

世界遺産マサガン（アル・ジャディーダ）のポルトガル様式都市についてご紹介しました。アル・ジャディーダの旧市街には、ほかにもグラン・モスクや教会などの観光名所や、お土産屋さんなども点在しています。

今ではラグジュアリーなリゾート地としても人気のアル・ジャディーダ。ゆっくりと静かな雰囲気のなか、浜辺を散策するのも楽しいですよ。

海辺の要塞！世界遺産マサガン（アル・ジャディーダ）のポルトガル様式市街