600年の時を経て輝く伝統文化!韓国の歴史的集落群:河回と良洞

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600年の時を経て輝く伝統文化!韓国の歴史的集落群:河回と良洞

韓国の南東部に位置する慶尚北道(キョンサンプクド)。ここにある安東(アンドン)市の河回村(ハフェマウル)と、慶州(キョンジュ)市の良洞村(ヤンドンマウル)が2010年に「韓国の歴史的集落群:河回と良洞」として世界遺産に登録されました。茅葺きや瓦葺きの屋根を持つ伝統家屋と畑が広がるのどかな風景は、なんとなく日本の田舎町でも見られそうな気がしますが実際はまるで雰囲気が異なります。

村そのものが博物館のようだと言われているように、集落には朝鮮王朝時代に作られた韓屋(ハノク)や文化財があちらこちらに散らばっており、最近ではそんな歴史ある世界遺産に泊まれるとあって民泊が大人気なのだとか。これは訪れる価値がありますよ!
それでは「韓国の歴史的集落群:河回と良洞」の魅力についてご紹介していきましょう。

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目次

600年の時を経て輝く伝統文化!韓国の歴史的集落群:河回と良洞

韓国の歴史的集落群:河回と良洞とは?

出典: mac/PIXTA(ピクスタ)

世界遺産「韓国の歴史的集落群:河回と良洞」は、安東市にある河回村と慶州市にある良洞民俗村で形成されています。貴族階級である「両班(ヤンバン)」の生活様式を当時のままの姿で残す村として、また、今もなお伝統を引き継ぐ子孫たちが生活する村として世界からも注目を浴びている世界遺産なのです。
なんと過去には、イギリスのエリザベス女王やアメリカのブッシュ大統領(当時)も訪問したそうですよ。

安東河回村は、豊山・柳(リュウ)氏が約600年に渡って暮らしてきた村です。姓の前につく「豊山(プンサン)」は地域を表しており、韓国では自分の姓のルーツがどこにあるかがわかるようになっています。
河回村は同じルーツを持つ人が集まって暮らす所謂「同姓村」で、現在ここに住んでいる住民の約70%がこの豊山・柳氏なのです。

河回村は、高麗時代から作られているユニークな木彫りの仮面(タル)でもよく知られています。
ここで披露される「河回別神(ハフェビョルシン)グッ仮面劇」が大変有名で、毎年河回村では「安東国際タルチュムフェスティバル」も開催されているんですよ!
集落内にある「河回洞仮面博物館」にもぜひ足を運んでみてくださいね。

慶州市にある良洞民俗村では、驪江・李(イ)氏と月城・孫(ソン)氏が約500年に渡って共存しています。
同姓村に2つの姓が存在することは非常に珍しいことだそうで、互いに切磋琢磨しながらこの伝統を守ってきました。また、良洞村は歴史に名を残す名士を多数輩出してきた名門集落としても有名で、中には朝鮮王朝時代の最高教育機関である成均館(ソンギュングァン)の成員や有名な儒教者などもいたのだとか。

伝統家屋を見て街並みを楽しむのも良いですが、風水学的に最高と評される自然環境にも注目してみてくださいね。谷川と山に囲まれた良洞村は水がきれいで空気も美味しいため、優良な農作物が育ちます。
特にここで作られる味噌は絶品!味噌鍋(テンジャンチゲ)や麹味噌鍋(チョングッチャン)は、そんな良洞村の名物となっています。

韓国の歴史的集落群:河回と良洞へのアクセス

<安東河回村>
安東市内から46番バスに乗れば、50分程で「安東河回村(アンドンハフェマウル)」に到着です。
バスは1時間に1本と少なめなので、予め時刻表をチェックしておきましょう。
安東まではソウル、釜山(プサン)、大邱(テグ)などの各都市からバスでアクセス可能。ソウル市内からは高速バスと市外バスが出ており、どちらも安東までの所要時間は3時間弱です。釜山から行く場合もソウル同様、バスで3時間弱かかります。こちらはバスの本数も少ないので注意が必要です。
長時間バスに乗るのを控えたい方には、同じ慶尚北道内にある大邱からアクセスするのがおすすめ。
約20分間隔でバスが運行しており、所要時間も約90分と少ないので便利です。

<良洞民俗村>
慶州(キョンジュ)市内にある慶州駅、新慶州駅、慶州市外バスターミナルの各停留所から203番のバスに乗り、「良洞初等校前(ヤンドンチョドゥンギョアプ)」で下車。所要時間は慶州駅から約50分、新慶州駅から約70分、慶州市外バスターミナルからは約90分です。市外バスターミナルから出る200~202番、205~208番、212番バスも「良洞民俗村入口」まで行きますが、そこから良洞村まで徒歩で15分かかります。
慶州まではソウルまたは釜山からKTX(韓国高速鉄道)が運行しているので、ぜひ利用してみてください。
ソウルから約2時間、釜山からは30分足らずで到着です。周辺の各都市からは高速バスや市外バスも乗り入れています。

韓国の歴史的集落群:河回と良洞のおすすめポイント

◆街並み

出典: topic_w7/PIXTA(ピクスタ)

世界遺産「韓国の歴史的集落群:河回と良洞」には「韓屋(ハノク)」と呼ばれる瓦屋根と茅葺き屋根の建物があります。韓屋はソウル市内の北村(プクチョン)などでも見ることができますが、河回村と良洞村は敷地が広いため建物がより立派でたくさん建っているのが特徴です。ちなみに安東河回村には127、良洞民俗村には164の家屋が今の残されています。

安東河回村には日本人観光客にとても人気の韓屋があるんですよ。それが「澹然齊(タミョンジェ)」。かの有名な韓流スター・リュウシウォンの宗家です。彼は豊山・柳氏なんですね。この「澹然齊」は、1999年にイギリスのエリザベス女王が訪れたことで一躍有名になりました。

時間がある方は、洛東江(ナクトンガン)を挟んで反対側にある「芙蓉台(プヨンデ)」を訪れてみてくだい。渡し舟で洛東江を渡り少し歩いて丘を登ると、河回村全体を見下せる絶景スポットに到着します。
目の前に広がるのどかな風景は、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような錯覚さえ起こさせますよ。
ぜひ記念撮影をお忘れなく!

良洞民俗村で最も有名な韓屋といえば「香壇(ヒャンダン)」でしょう。1543年に建設されたというこちらの韓屋は、かつては99間(180m)もある大規模な豪邸でした。しかし一部が消失してしまったため、現在見ることができるのは56間(約102m)に縮小された姿のみ。それでも良洞民俗村では最も立派な韓屋です。今でも実際に人が住んでいるため自由に見学することはできませんが、事前予約をすれば見学はもちろん伝統文化の体験もできちゃいますよ。

◆安東河回洞仮面博物館

出典: romance/PIXTA(ピクスタ)

安東河回村には、伝統家屋以外にも高麗(コリョ)時代から伝わる伝統文化があります。それが河回仮面(ハフェタル)です。韓国には様々な仮面(タル)がありますが、国宝に指定されているのは唯一この河回仮面のみなのだとか。

河回村の入り口には「安東河回洞仮面博物館」があり、当時の仮面と同様に作られたものが展示されています。河回仮面は本物の人間のように左右非対称の顔をしており、角度によって色々な表情に見えるのが特徴です。ちなみに、本物の仮面はソウルの「国立中央博物館」に展示されているそうですよ。

博物館では河回仮面のほかに、世界35ヶ国から集めた仮面約500点を展示。日本の能面や天狗、なまはげ、おたふくのほか、西遊記の孫悟空や三蔵法師、三国志の登場人物など中国の伝統芸能で使用される仮面もあります。河回仮面を被って行われる「河回別神(ハフェビョルシン)グッ仮面劇」も必見です。

◎まとめ

時が止まったかのような街並みと、そこに600年以上にもわたって伝わる伝統文化。まるで生きた博物館とも言える「韓国の歴史的集落群:河回と良洞」は、韓国に来たらぜひ抑えておきたい観光スポットです。
ソウルで煌びやかな古宮を観光するのも良いですが、当時の庶民の暮らしぶりを知って初めて本当の歴史を学ぶことができるのではないでしょうか?

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