フィリピン - タクロバンについて

タクロバンは、フィリピンのおよそ真ん中、レイテ島と呼ばれる島の北東部に位置する海岸沿いの都市です。2008年12月に高度都市化都市として認定されました。東ビサヤ地方における経済発展や観光、教育や文化、そして政治の中心となっています。また、国内外の貿易や大型船の出入りが盛んな港町としても有名で、国内で最も経済成長している都市の1つと言われています。

そんな経済成長の豊かさを示す数字として貧困率の低さがあります。日本ではあまり貧困率に関して取り上げられることは少ないものですが、発展途上国であるフィリピンでは経済格差は大きく、貧困層のボリュームが大きい状況です。

そうした状況での貧困率の国内平均は30％です。しかし、この街では最低水準の約9%と驚異の低さを誇り、東ビサヤ地方で一番豊かな都市なのです。バランガイ(集落)の数は138と非常に多く、2015年時点では約24万人の人々が暮らしています。その規模の大きさから、第二次世界大戦中はフィリピンの臨時首都としても機能していました。

加えて、タクロバンは空路の玄関口として、ダニエル・Z・ロマオルデス空港(タクロバン空港)からは各都市への交通網がのびています。市街地からは、カンカバト湾とサン・ファニーコ海峡を望むことができ、交易が盛んなこともありとてもカラフルな市場が広がっています。市場で地元の品々を物色するのも楽しいですが、市場をぶらぶらと散策するだけでも楽しめるでしょう。ちなみに、タクロバンはサン・ファニーコ橋のおかげで近くにあるサマール島と結ばれており、その美しさから「湾のそばの美しい街」との別称もあるのです。それでは、タクロバンの名所をいくつかご紹介していきましょう。

・サン・ファニーコ橋
サン・ファニーコ橋はタクロバンがあるレイテ島とサマール島をて結んでいる橋で、国内で最も長い橋として有名です。その長さはなんと2.16キロメートルもあり、市内で大きな被害をもたらした台風の際でもこの橋に関しては被害が少なく、避難者が市外へ非難する際の移動手段や不足している物資の運搬経路としても活躍しました。

・マリア観音像
マリア観音像は、日本とフィリピンの友好の証として建立された観音像です。タクロバンの市役所近く、カンフラウ・ヒルに像は立っています。この像が建てられたのは、第二次世界大戦に生じていたフィリピン人の日本人に対する嫌悪が戦後関係修復とともに友好関係を築かれていったことに由来しています。第二次世界大戦中に、当時の住民がフィリピンを解放するため日本軍を受け入れ、ここにキャンプを建てさせたました。しかし、後に米軍が優勢となり劣勢になった日本軍は敵視され、フィリピン人の嫌悪の対象となったのです。戦後は日本政府がフィリピンと友好関係を築き、お互いの発展を支えあうようになり、今の関係に至りました。

・レドーニャ邸宅
この邸宅は、19世紀頃に建設された住宅であり、1944年にフィリピンが日本から解放され、セルヒオ・オスメニャの邸宅であったと言われています。昔からの建築技術を未来へと残すための文化財として、現在も保管され残されています。

・サント・ニーニョ教会
サント・ニーニョ聖堂ともいわれるサント・ニーニョ教会は、マグサイサイ大通りからリアル通りに入ってまっすぐ南に進んだところにあります。この教会はタクロバンで最も重要な教会として地元の人々に古くより愛されています。守護聖人とされているサント・ニーニョの奇跡に関する絵が教会には保管されており、マルコス元大統領と妻であるイメルダさんの実際の生活を再現した博物館も併設されています。

・タクロバンメトロポリタンアリーナ
アストロドームとも呼ばれているアリーナで、その収容人数は約5,000人です。ここは、バスケの試合や各種コンサート、他にもミス・コンテストなどに用いられています。よく利用されるアリーナのため、その周りには多くのお店が軒を連ねており、イベントが開催される時期は多くの人でにぎわいます。

以上の通り、魅力ある都市タクロバンですが、台風が多いことでもよく知られています。そのため、タクロバンへの旅行計画を立てる際は、出発前にフィリピン諸島近郊の台風情報を忘れずチェックしておきましょう。また、宿泊の際は、湾岸沿いの大通りにビジネスホテルからリゾートホテルまで多数のホテルが連なっているので、人通りの多い通りにあるホテルを選んでおくのが安心です。