フィリピン - レガスピについて

レガスピは、フィリピンの中部にあるビコル地方アルバイ州の都市です。アルバイ州の州都でもあり、ビコル地方の政治的中心都市でもあります。レガスピの周辺には日本の富士山のような形をした成層火山のマヨン山がそびえており、周辺地域のシンボルとなっています。

ルソン島の南部に延びているビコル半島と、周囲の小さい島々から構成されている2つの州(カタンドゥアネス州とマスバテ州)とのおよそ真ん中に位置し、東へ開いたアルバイ湾の奥にある港湾都市のため、周囲の島々への航路や空路が整備されています。また、フィリピンの国鉄本線の南の終着駅としてレガスピ駅もあります。2000年時点では、バランガイ(集落)の数は70で、人口は約16万人です。

レガスピという地名は、16世紀にフィリピンを征服したスペイン人コンキスタドール、ミゲル・ロペス・デ・レガスピの名前が由来となっています。レガスピは、かつてアルバイを支配していた首長のガット・イバルに入植した人々が作り上げ、小さな入植地にある低湿地を埋め、ニッパヤシやトウでできた小屋が集まる小規模な集落が広がりました。

小規模な集落から始まり、現在ではナガ市に続きビコル地方では第2の金融都市にまでなりました。市内には40前後もの銀行や支店があります。さらに通信関係に注目すると、DCTVとESTVという2つのケーブルテレビ会社があるほか、ビコル地方や周囲の島嶼部全体に電波を発信しているテレビ局やラジオ局が数多くあります。

そして、レガスピにももちろんお祭りがあり、1990年代初めに始まってから毎年10月に開催され、ビコル地方でも多くの人に知られるイバロン・フェスティバルが最も有名です。このお祭りは、フィリピンにしては珍しく、宗教とは関係のない祭典なのです。また、毎年5月いっぱいと長期間で開催されるアルバイ地方のお祭り、マガヨン・フェスティバルのメイン舞台もここレガスピです。それでは、レガスピの名所をいくつかご紹介していきましょう。

・マヨン火山
市街地のわずか15kmほどの距離にある活火山です。成層火山のため形の美しさでフィリピンでも非常に有名で、火山活動が活発で時には危険な反面、一方ではレガスピの街の観光のシンボルでもあります。雲ひとつない青く晴れた日に見えるマヨン火山は、思わずカメラを向けたくなるほどの絶景でしょう。

・ベラ滝
ベラ滝は、マヨン山の北部に位置するマリナオ火山のふもとを流れ落ちる滝です。レガスピの市街地からは車で約1時間半で到着します。地元の方に愛される人気の滝は、滝のすぐ下が丁度良い広さのくぼみになっており、まるでプールのように泳ぐことができます。水は綺麗で透明度が高く、海はベトベトするからちょっとという方には最適です。
・アルバイ・パーク・アンド・ワイルドライフ
ここでは、フクロウやワニ、ダチョウなどあわせて75種類もの動物を見ることができる動物園兼公園です。多くの動物を見てひとしきり楽しんだ後は、家族や友人でピクニックを楽むのも良いでしょう。園内には湖もあるため、ランチの後はレジャーシートの上で湖を眺めながらのんびりするのも素敵な時間です。遊び足りない子どもには、滑り台やジップラインでアクティブな遊びで満足してもらえます。

・カグサワ教会跡

今ではその姿はないものの、かつてはレガスピの街にあったカグサワ教会です。フランチェスコ修道会によって1724年に造られ、1814年2月に起きたマヨン山の大噴火によってカグサワ教会は破壊されてしまいました。現在は残念ながら廃墟となっていますが、当時の噴火の激しさを忘れないようにこうして教会跡が残されたのです。教会の隣では、マヨン山の歴史や噴火した際の噴出物についての展示品などを見ることができる博物館があります。

以上の通り、複数の観光名所のあるレガスピですが、この街での暮らしやすさにも定評があります。ビコル地方最大のショッピングモールとしてパシフィック・モール・レガスピがあるほか、リバティ・コマーシャル・センターも複数店舗あり、地元の人々に古くから親しまれています。
また、アルバイ地区のにぎやかで新しさを感じる繁華街には、市役所やその他の公的機関が密集しており利用するのに便利になっています。周囲には多くのファストフード店があるほか、多くのビストロが遅くまで営業しています。

そして、ビストロで美味しいご飯を食べた後はホテルでゆっくりしたいですよね。おすすめなのは、ペニャランダ公園周辺のゲストハウスやホテルです。三ツ星で評価の高いホテルが複数あるほか、お手頃なのに快適なゲストハウスもあります。駅からも近く、ジョリビーやフィリピン料理の専門店もあるほか、ロビンソンズ・スーパーマーケットもあるので便利ですね。