中国 - 鄭州について

鄭州は、中華人民共和国の河南省に位置する地級市です。中国の南北を結ぶ交通路と東西を結ぶ交通路が交わる交通結節点になっています。古くから交通の要所だった土地です。約3,500年以上の歴史があり、中国文明発祥の地「中原」はこの土地のことを指します。総面積は7446.2メートル、人口は736.6万人です。日本の都市と比べると、埼玉県の約
2倍の面積に、埼玉県の人口と同じくらいの人が住んでいることになります。

3,500年前には商王朝の都邑（街や村）があり青銅精錬や陶器生産の技術が非常に発達していました。黄河流域を文明発展地の1つとして「黄河文明」と呼ばれることもありましたが、中国最大の「長江」周辺でも高度な農耕文明があることが判明し、その2つを合わせて「中国文明」と呼ばれるようになりました。しかし、鄭州は中国第二の大河である「黄河」の中流に位置していたため、2年おきに川が氾濫し水害を受けており、経済発展は緩やかだったのです。20世紀初めに2本の鉄道が建設されてから、今のような交通の要所となり、経済発展も急激に進みました。2001年以降からは都市化計画が進められており、コンベンションセンターや高層ビル、高層住宅などが建ち並ぶようになっています。人工の湖も作られ、夜には毎日噴水ショーが行われています。

この土地は、日本の気候とよく似ており、四季がはっきりとしていることが特徴です。しかし、日本よりも空気が乾燥しているため、夏はカラっと暑く、冬は厳しい寒さと乾燥に見舞われます。観光をする際は、乾燥対策で保湿できる化粧水やマスクなどを忘れないようにしましょう。1年間の気温変化も日本と似ていますが、冬は日本よりも寒さが厳しく、1月の平均気温は0.3℃と非常に低くなっています。また、79月は雨季なので、観光のベストシーズンは35月の春と、910月の秋になります。この頃には、爽やかな晴天が続き、春だと花が咲き誇り、秋だと紅葉を楽しむことができるのです。

鄭州は人気観光スポットであるため、観光地となるランドマークも数多く存在します。それらの一部をご紹介します。

・鄭州黄河風景名勝区
鄭州黄河風景名勝区は、鄭州から30キロメートルほど離れた場所にある観光スポットです。黄河についての観光スポットになっており、黄河を間近で見ることができたり、黄河と中国人の関係性を像にした「哺育像」が見られます。また、「炎黄二帝」という中国伝説上の帝王「炎帝」と「黄帝」の像があります。巨大な顔が二つ並んでいる像なので、その迫力に圧倒されてしまうでしょう。他にも、黄河の水を利用するための施設や博物館、黄河を一望できる展望台など、観光する場所が盛りだくさんです。
アクセス方法としては、鄭州の駅からタクシーかバスになるでしょう。バスは1時間に何本も走っているわけではないので、時間を調べてから向かうといいでしょう。特に、帰りのバスの最終時間は必ず聞くようにしてください。鄭州黄河風景名勝区は観光スポットが多いため、意外と時間を消費してしまいます。時間に余裕を持っていくと、鄭州黄河風景名勝区全体を楽しむことができます。

・商代遺址
中国の古代王朝「殷（商）」の時代の城跡が残る場所です。1955年に発見された遺跡で、宮殿や井戸、民家、銅製や陶製の随葬品なども出土されましたが、商代遺址で観光できるのは城壁のみになります。城壁が長く続く道なので、遺跡というよりは地元に住んでいる方の憩いの場になっています。城壁周辺でウォーキングや太極拳をしている方が見かけられ、人が少ないので中国の人混みに疲れてしまった時にオススメの場所です。

・二七紀念塔
地下鉄二七広場駅や鄭州駅から徒歩で行ける場所にある「二七紀念塔」は、シンボルと言える存在です。繁華街のど真ん中に歴史的な建物が建っているため、不思議な感覚になりますが、気軽に立ち寄れる歴史的建造物です。二七紀念塔は建築デザインが珍しく、2つの塔が横並びに隣接しており、10階建てになっています。内部は二七事件や二七紀念塔についての資料館になっていますが、ワンフロアが広くないため、観光にはそこまで時間を有しません。しかし、10階建てですがエレベーターは付いていないため、最上階に上がるためには階段を上る必要があります。小さいお子さんや高齢の方には少し厳しいかもしれません。夜には黄色くライトアップされ、また違った二七紀念塔を見ることができます。

ホテルを取る場合は、中心街から少し外れた場所がオススメです。中心街になると交通網が発達していることもあり、宿泊費が高くなってしまいます。しかし、その分良いホテルが揃っているため、予算に余裕がある方は中心街に宿泊してもいいでしょう。あまりに中心街から外れてしまうと田舎になってしまうので、中心街から少しだけ離れた場所がベストです。