中国 - 蘭州について

蘭州は蘭州市と呼ばれ、中国の西北に位置する甘粛省(かんしゅくしょう)の省都です。古称は金城と呼ばれおり、漢代にこの地域一帯に金城郡が設置されていたことが由来とされています。

東西には黄河が流れており水資源に恵まれいる土地で、さらに、中国最大の石油埋蔵量を誇る甘粛省に属しているため、石油や鉄鋼に関する工業も盛んなため、中国政府から中国西部の工業と交通の重要拠点の一つと指定されています。

ほとんどの場所が海抜1,500m～3,000mの間にある高原地帯で、夏は涼しく冬は寒いという気候です。そのため、夏季は避暑地としても人気があります。

街の様子や食文化には、黄河やシルクロードなどの地理的要因や多民族が共に生活することで様々な民族文化が織り交ざり、独特の文化が築かれいます。そんな蘭州市の名所をいいくつかご紹介します。

・中山橋(ちゅうざんばし)
中山橋は東西に流れる黄河に掛けられた全長234mの鉄橋で、黄河に掛けられた最古の橋とも言われています。1907年にドイツ人とアメリカ人技師の指導の下に建築され、当初は「蘭州黄河鉄橋」と命名されましたが、1942年に中山橋と改名され、現在は蘭州市のランドマークとして年間を通して多くの観光客が訪れています。
・白塔山(はくとうざん)公園
白塔山公園は先ほどご紹介した、中山橋を渡った先の市内からほど近い場所にある観光名所です。橋を渡ってそのまま徒歩でも行くことができますが、やや高い丘の上にありますのでロープウェイを使って黄河を含めた蘭州市内の景色を楽しみながら登るのもおすすめです。この公園の名前の由来ともなっている山頂にある白い仏塔は中国の元時代に建立され、明時代に修復をされた歴史ある建物です。
・五泉山(ごせんざん)公園
五泉山公園は市内から少し離れた山々に囲まれた場所に位置しています。市内から離れているとは言っても、観光バスが出ていますので現地までは簡単に行くことができます。この公園の敷地は26万7千㎡と巨大で、その中には名前の由来となっている5つの泉があります。公園を階段で登った先には色鮮やかな寺院があり、そこからは市内を一望することができます。
・甘粛省博物館
蘭州市は甘粛省の省都ということで、甘粛省博物館が置かれています。1956年に甘粛省博物館として成立し、2012年には中国でも有名な故宮博物館同様に国家一級博物館にも指定されています。展示品には甘粛省の観光名所である敦煌(とんこう)の莫高窟(ばっこうくつ)などの仏教芸術やシルクロードの中継地点であったということからシルクロード文明のものも多く、非常に見ごたえがあります。観光客はパスポートを見せると無料で入場できるだけでなく、蘭州西駅からは徒歩圏内とアクセスも良いのでおすすめです。
・炳霊寺石窟(へいれいじせっくつ)
かなり辺鄙な場所にある名所としてご紹介する炳霊寺石窟は、市内から車でも2時間以上かかりその後もボートなどで1時間弱かけてやっとたどり着きます。しかし、183の数を誇る石窟群は圧巻で、過去の宗教間争闘からも免れた状態の良い大仏や涅槃仏、壁画などを見ることが可能です。その中でも169と番号を振られている石窟は中国で最古の石窟と言われており、仏像も壁画も見ごたえがあり、一般料金とは別に特別料金が設定されており、さらに上に登らなければなりませんが、時間とお金と体力に自信のある方はぜひ挑戦してみてください。
・正寧路夜市
市内中心部に位置し、中山橋から車で10分弱のところにある正寧路夜市はこの土地の名物はもちろんローカルの中国料理を楽しむことができるおすすめのグルメスポットです。イスラム教を信仰している民族が多いところなので、食文化にもその宗教色が濃く反映されており牛肉や羊肉の料理が多いです。その中でも、蘭州拉麺は中国全国的にも有名なので、蘭州を訪れた際にはぜひ試してみてください。ちなみに、この夜市の営業時間は午後6時～午後24時で、観光客だけでなく地元民の方も訪れる場所のため常に賑わっています。

蘭州駅近くにはホテルや飲食店が多く、名物料理のお店もたくさんあります。また、駅には列車だけでなく今回ご紹介した名所へのバスも複数運行されていますので、滞在だけでなく観光にも便利な場所です。
蘭州市は人気の観光地なので治安も比較的良い街ですが、夜間の外出や携行品の管理などにはくれぐれもご注意ください。