中国 - ウルムチについて

ウルムチ（烏魯木斉）は中国の新疆（しんきょう）ウイグル自治区にある都市で、自治区の首府です。西部において最大規模の都市として知られています。

新疆ウイグル自治区は1955年に設立されました。ウイグル族を中心として漢族やキルギス族、モンゴル族、カザフ族などさまざまな民族が居住しています。古くから中央アジアなどとつながりの深い地域であり、やがてモンゴルや清朝による支配が行われ、今では中国に属しています。

中国にありながらも中央アジアと密接に関わってきた地域のため、中国とは異なる文化や言語などが根付く地域です。たとえば、中国・ユーラシア博覧会を開催したことがあり、中央アジアと中国の交易の拠点として栄えてきました。ウルムチの人口は200万を超えており、中央アジアで最大の都市に匹敵します。

世界中で最も内陸に位置する都市として有名です。海からは2,300キロ以上離れていて、世界で最も海から離れた都市としてギネスに掲載されています。中国科学院はアジア大陸の地理的な中心をウルムチと測量したため、アジアの首都とも呼ばれています。

標高が919mの場所にあり、内陸性の気候の土地です。年間を通してほとんど雨が降らず乾燥しています。7月には日中の気温が30℃以上になるのですが、乾燥しているため蒸し暑くはなりません。冬になると-30℃以下になることがあって、寒暖の差が激しいです。あまり雪は降らないのですが、気温が低いため、なかなか溶けません。

国際空港が設置されていて、中国の主要都市や日本などへの定期便が出ています。高速道路や地下鉄も開通しており、近代的な都市として発展している街です。ランドマークといえるのはビジネス地区にある中信銀行大廈というビルであり、高さ301mあって、中国北西部と中央アジアのなかでは一番高いビルとなっています。

このようなウルムチの有名なスポットについて紹介しましょう。
・新疆ウイグル自治区博物館
1959年に創立された古い歴史のある博物館です。自治区内では最大規模の博物館となっています。展示物のなかでも特に注目されているものはミイラです。楼蘭の美女という女性のミイラであり、1980年に発掘されました。紀元前19世紀のものであり、2004年には生前の姿を再現した頭像がつくられています。ミイラ以外にも文化財や標本が4万余点展示されています。シルクロード交易の時代の毛織物や絹織物、木製品なども多数あるのも魅力です。

・紅山公園
市の中心部にある山が紅山公園です。紅山は断崖が赤色になっているために名付けられました。海抜910.6メートルの高さの山です。頂上にレンガ造りの塔が建てられていて、向かい側にある山にも同様の塔があり、これらを鎮龍宝塔と呼びます。ウルムチ川にいるとされていた龍を占めるために建てられました。もともとは不毛の丘だったものを政府が水を引き、木を植えたおかげで、今では緑化が進んでいます。

・天池
ウルムチから北東に110キロのところに天池があります。こちらはボコダ峰の中腹にある湖で、峰の白い色と湖のエメラルドグリーンとのコントラストが美しいと評判です。中国のスイスと評されていて、多くの観光客で賑わっている人気のスポットです。ロープウェイか循環バスによってアクセスすることができ、絶景の長めを楽しめるでしょう。遊覧船に乗ったり、カザフ族の民族衣装を着たりするといった楽しみ方があります。

・新疆国際大巴扎（シンジャン・インターナショナルグランドバザール）
ウルムチにある人気の高いスポットです。バザールとはペルシア語で市場の意味であり、多数のお店が集まっています。イスラム風のデザインとなっていて、アラブの雰囲気を感じさせるスポットです。入場の際には荷物検査が行われることがあるため注意しましょう。新しく整備された建物のなかには、文化施設やエンターテイメント施設、ショッピング施設が充実していて、さまざまな楽しみ方が可能です。地元の名産品から珍味まであらゆるものを揃えています。地元のグルメをたっぷりと満喫することができ、子羊肉やピラフ、地元のフルーツなどが人気です。夜になると民族舞踊のショーを見ることができます。

ウルムチの天山区にはたくさんホテルがあり、観光地も近くにあるためおすすめです。観光の拠点として便利であり、交通網が発達していて、各地へのアクセスは快適に行えます。

ウルムチは基本的にとても安全な国です。昼間だけではなく夜もとても安全であり、女性が一人で外を歩くこともできます。市街地であれば、至るところに防犯カメラが存在していて、警察も多いからです。