中国 - 太原について

太原は山西省の省都です。市域は古都の1つとされていて、2500年もの歴史があります。太原盆地の北、黄土高原の東部に位置しており、三方を山に囲まれた場所にある都市です。市域には山西における最大の河川の汾河が流れています。山と丘陵地のなかに市域があり、平地と川は市域の面積の5分の1程度です。盆地内には肥沃な大地が広がっていて、昔から農業が発達してきた歴史があります。

耕地面積が210万畝あり、主な農作物として豆や芋、小麦、とうもろこしなどがあります。アブラナや薬草、綿花といった商品作物も生産する土地です。山麓には湧き水があり、豊富な水のある泉が形成されています。市域には池沼が全部で6つあり、そのなかでも最大のものが晋陽湖です。

標高800mの場所にある高原地帯のため、年間を通して気候は乾燥しています。秋から春にかけては乾季となり、雨はまったく降りません。平均気温は10度で、7月は平均気温が23.5度、1月は平均気温が-5.3度と非常に寒いです。冬になるとダイヤモンドダストが見られることがあります。ただし、雪はほとんど降りません。

黄河文明の遺跡が市域に多数あり、その時代から文明が栄えていたことがわかっています。中国有数の大都市として発展してきた歴史があります。明清の時代になると地元の商人が政治と強く結びつくようになって、太原は中国の工業や産業、金融の一大中心地となりました。

近代に入って銀行システムが導入されたことにより、地元の商人は大きな打撃を受けて、経済が落ち込みました。そのあと、豊富な資源があることを生かして工業化が進められ、教育システムの整備も進んだことによって、経済は回復したのです。豊富な地下資源のおかげで重工業や石炭業が盛んになって、中国を支えてきた都市です。現在では大気汚染などの公害の改善が進んでいて、産業の高度化や交通機関の整備などに力を入れています。

産業活動が盛んな土地であり、1998年には本格的なデパートが開業しました。そのあと、外資系の企業もどんどん入ってきて、2005年になるとウォルマートが生まれました。交通の要所としても重要な土地であり、高速道路が整備されたことで自動車交通がとても便利です。航空や鉄道、高速列車、高速バスといった交通網も整備が進んでいます。市内交通としては、路線バスやタクシー、トロリーバスが整備されていて、移動は便利です。

このような特徴のある太原のスポットについて紹介しましょう。
・晋祠
市内より南西に25キロ進んだところにあるスポットです。北魏の時代に普王を祀るための祠としてつくられました。伝統的な中国庭園が形成されていて、唐宋の時代の楼閣などもあります。長い歴史を感じさせる場所です。

・臥虎山公園
市内の東北部に存在する公園です。古い邸宅の跡地であり、ソメイヨシノの古木があるのが見どころとなっています。桜のシーズンになると多くの人が訪れます。

・迎沢公園
市内では最大規模の公園です。大きな湖があり、その周辺には水族館や遊園地、ホテルなどがあります。博物館もオープンしており、この公園だけでさまざまな楽しみ方ができるのが魅力です。

・柳巷街
市内では一番大きな繁華街です。太原を代表するデパートなどの店舗が集まっています。こちらで開かれる夜市が特に有名であり、毎日のように夜になると多くの屋台が立ち並ぶのです。そこで、地元ならではのさまざまなグルメを満喫できるでしょう。

・五一広場
市内の中心部に位置している大きな広場です。広場の地下には防空壕が形成されています。そこの一部が地下商店街として活用されているときもあります。また、広場の周辺にはデパートや映画館、飲食店、商店などが集まっていて繁華街が形成されているエリアです。

・天龍山
石窟があることで知られている場所です。南北朝時代から石窟がスタートしたとされています。隋や唐の時代には石窟の最盛期を迎えて、500年にわたって開鑿されました。山の東峰と西峰を中心として、石窟が多数残っています。全部で25の石窟があり、さらに500あまりの仏像が彫られています。

五一広場の周辺にはたくさんのホテルが集まっているため便利な場所です。あるいは、迎沢公園にもホテルがあり、観光スポットの近くのためおすすめできます。

基本的に太原市は大都市であり治安はよいです。警察や監視カメラなどによってしっかりと治安が守られているため、危険なトラブルに巻き込まれる心配はありません。ただし、治安が良いからといって油断をすることは禁物です。