中国 - 斉斉哈爾について

チチハル（斉斉哈爾）は、中国の黒龍江省に位置する都市です。市内の人口は150万人を超えていて、都市圏人口は1,000万人となっており、省内では2番目に大きな規模の都市として栄えています。
清代にはチチハルに黒龍江省郡が駐在して中心地として栄えてきたのですが、清末になると鉄道が建設されて物流の中心はハルビンへと移行しました。そして、新しい中国が成立したあとには、省都までもハルビンへと移転したのです。それでも、チチハルは黒竜江省の西部における政治や経済、文化の中心地として今でも発展し続けています。
チチハルにはたくさんの鶴がいる有名な湿地のジャロン自然保護区があるため、こちらは鶴城と呼ばれることもあります。気候は亜寒帯気候とステップ気候の境界に属するのが特徴です。そのため、冬はとても寒くなり、1月は平均気温が-18度にまで達し、とても乾燥します。逆に夏はとても蒸し暑くなり、平均気温は23度程度です。雨は夏季に集中的に降って、それ以外の季節では雨がほとんど降りません。
チチハルという地名の由来はダウール語で「自然の牧地」あるいは「辺境」という意味の言葉からです。市内には高速鉄道が運行されていて、中国国内で高速鉄道のある都市としては最も北に位置しています。高速鉄道が開業されたのは2015年であり、寒冷地仕様の車体が使われています。空港もあり、交通網が発達している都市でアクセスしやすいでしょう。黒龍江省の中心地であるハルビンからは高速鉄道で1時間半でアクセスできます。
現在でも豊富な自然環境が残されていて、環境資源として活用されて人気が高いです。また、昔からの歴史を感じさせるスポットもたくさんあります。このようにさまざまな魅力のあるチチハルの有名なスポットを紹介しましょう。
・ジャロン自然保護区
チチハルにはジャロン自然保護区があり、この都市における一番の観光スポットといえる場所です。シベリアから来る渡り鳥の通過点で、多くの鳥たちの生息地となっています。全部で300種類近くの水鳥が確認されており、そのなかでも特に多いのが鶴です。世界に生息する15の鶴のうち9種類が中国に生息しており、こちらの保護区では6種類の鶴を観察できるでしょう。タンチョウヅルは500羽近くいて、これは世界に生息するタンチョウヅルの4分の1に達するとされています。まさに鶴城という異名をもつチチハルにふさわしいスポットです。
・龍沙公園
黒龍江省における最大の公園がこちらです。リラックスした時間を過ごしたいときにおすすめできるスポットとなっています。1904年に誕生して、全部で5つのエリアからなる複合公園です。龍沙とは、万里の長城よりも北に離れている場所という意味です。園内には労働湖というとても大きな湖があり、名物といえます。市民が穴を掘って小さい池を拡大させました。そのときに掘った土は積み上げられて小山となっていて今でも残されています。龍沙氷景遊覧会というイベントが毎年1月と2月に開催されていて、最大の目玉です。氷による芸術品が園内に並び、大勢の観光客が集まります。夏場にはたくさんの露天が立ち並び、それらも見どころといえます。
・昂昂渓古文化遺跡
チチハルの中心から南西に24キロ離れたところにある遺跡です。中国東北部における狩猟文化や新石器文化の遺跡であり歴史的に価値があるとされています。遺跡が発掘されたのは2010年のことであり、7千年前のものです。旧石器時代の遺跡も発見されており、旧石器から青銅時代における文化を解明できると期待されています。石器や陶器の展示が行われており、歴史好きは満足できるでしょう。
・明月島
風光明媚な場所にあるこちらの島は、川面に島が映ったのが満月のように見えたことから名付けられました。こちらには将軍府が残されています。1695年に建設されて1900年まで使われていました。そのため、清の時代の歴史や文化を垣間見ることができるでしょう。当初は荒れていたのですが、観光資源として活用するために1999年に復元されたものです。また、近くには太陽島と呼ばれる島があり、そちらはキャンプや海水浴などで賑わっています。
ホテルを選ぶならば空港や地下鉄の近くにある施設を選ぶとよいでしょう。チチハル三家子空港から市街地へ向かうエリアにはホテルがたくさんあるためおすすめできます。
治安については、悪い人に騙されないように注意をして、警戒しながら過ごせば大丈夫でしょう。中国のほかの都市と比較すると、治安は良い部類に入りますが、油断はしないでください。