中国 - 南京について

南京は、中華民国の首都であった場所で江蘇省の省都です。その総面積は約6587平方キロメートルで中国の東中央部にあります。古くから長江流域・華南の中枢場所であり、中国四大古都の一つです。また別名を金陵（きんりょう）とも呼ばれています。
南京市は長江が東西に貫いており、多くの中州や湖が点在する地域です。長江は南西から市街地の西を過ぎ去るように流れてそのまま鎮江市方面へいき、南京城内を南北に貫く秦淮河、北から流れ込む滁河が長江に合流していきます。市域内の地形は丘陵地が中心です。
南京の歴史は春秋時代に、呉がこの地に城を建設したことに始まりました。その後秦朝による統一事業が達成され、始皇帝がこの地を訪問した際に「この地に王者の気がある」といわれ、それに怒って地形を無理矢理変えたという逸話があります。
明の洪武帝は1356年に集慶路と呼ばれていたこの場所を征服し、以後ここを根拠地として全土を統一しました。1421年、永楽帝により首都が北京へ遷都され、「南京」と改名。このため北京が首都となったものの、洪武帝の陵墓のある南京も同時に重視され副都としての扱いを受けていました。
辛亥革命により中華民国が成立すると、1912年には一時臨時政府が置かれ、1927年4月には国民政府の首都となりました。日中戦争中の日本軍による占領時代を経て、1949年1月に中華民国の中央政府は撤退。4月には中国人民解放軍により占領後、同年10月に中華人民共和国が建国されると直轄地になります。1953年に江蘇省の発足とともに同省の省都となりました。
気候は宮崎県とほぼ同緯度に当たるため、年間を通して温暖です。冬期は日本よりも気温が下がり、平均最低気温が氷点下まで下がる月もあります。その一方で夏期は、暑さが厳しく降雨も多いため高温多湿です。日本と同様に四季が存在し、春と秋は体感温度も寒くなく暑くもなく、日本よりも雨が少ないため渡航におすすめです。

南京は歴史ある街のため、さまざまな歴史建造物が数多く残っています。かつてこの街のランドマーク的な存在だった南京城は一部が現在でも残っており、多くの観光客が足を運ぶスポットです。そこにある中華門は街を取り囲む城壁の一部ですが、その巨大さは迫力があり約650年ほど前の姿のまま残されています。かつての時代に想いを馳せるにはおすすめの観光スポットです。
南京にはその他にもおすすめの名所が沢山ありますので、ご紹介いたします。

・中山陵：この霊廟は元総理陵園と呼ばれ、革命先駆者、孫文の陵墓です。鐘山南麓にあり、南向きで、西は明孝陵、東は霊谷寺に接しています。配置は整然として雄大なスケールを誇り、孫文の棺が1929年6月1日にここに安置されました。墓全体は警鐘型の図形を成し、そのうち祭堂は宮殿を模した建築物です。3つの門が築かれ、上には「民族、民権、民生」の額が掛けられています。

・夫子廟：秦淮河北岸の貢院街に位置し、孔子を祭っている廟です。全般的には秦淮河付近から建康路周辺の地域も夫子廟といわれています。その歴史は古く、337年に設立され1034年に改築されました。東は東水公園、西は西水関公園があり、夫子廟以外にも瞻園、江南貢院、王謝旧居などの観光スポットがあります。
有数な歓楽街でもあり夜遅くまで賑わいをみせています。食べ歩きにもおすすめのスポットです。

・栖霞寺（せいかじ）：栖霞寺は棲霞区にある仏教寺院です。この地の中でも、484年の創建と歴史を誇るお寺です。三門、天王殿、毘盧殿、石造の無量殿、磨崖の千仏龕石窟などがあります。その歴史ある雰囲気を感じながら山の麓にあるので自然の美しさにも魅力を感じることでしょう。秋になると紅葉が見事で、「栖霞紅葉」は有名な風景のひとつです。

宿泊施設は1番の繁華街、新街口にたくさん集まっています。ビジネスホテルから高級ホテルまで様々ありますので、予算に合わせて予約をとると良いでしょう。
新街口周辺には、飲食店やショッピンセンターなどもあり、食事やショッピングに困ることはないでしょう。
南京の治安はそれほど悪くはありません。新街口をはじめとする繁華街でも明るく夜でも人通りも多いですが、人気の無い道に入るのはやめましょう。置き引きやスリも多いので注意が必要です。観光地やレストランでも同様で、貴重品はもちろん手荷物の管理もしっかりと心がけてください。