中国 - 牡丹江について

牡丹江とは、中国の黒龍江省、牡丹江市の中心を流れる川の名前です。江は中国では川を意味する字です。ロシアや朝鮮半島にも近く、戦時中は満州国として、いろいろな民族が暮らした街です。交通の要所であり、観光地として有名な街ですが、現在は高麗人参やキクラゲが有名ですし、石炭・大理石・石灰岩などの鉱業も行われています。
現在は鉄道駅を中心にして、碁盤の目のように都市計画が進められています。ロシアや日本海を通じた国際交易を目的として貿易センターや高層オフィスビルが建設されて、街並みは変わりつつあります。
・鏡泊湖
1万年ほど前に、火山噴火の影響で牡丹江がせき止められてできたのが、鏡泊湖です。
面積は90.3キロ平方メートルで、これは琵琶湖の約7分の1にあたり、火山によってせき止められてできた湖としては中国最大ということです。
満州国だった時代には、この湖の周りにはたくさんの日本人が暮らし、水力発電所もつくられていたそうです。
中国政府からは国家重点風景名勝区にえらばれているため、人気の観光地になっていますが、夏には避暑地としても人気があります。遊覧船も運行しており、夏には涼しくて爽快な気分になれるでしょう。美しい湖を見ながら、昔の日本人の暮らしに思いをはせるのも興味深いですね。
・吊水楼瀑布
鏡泊湖の出口付近にあり、幅40m、落差は12mほどの滝ですが、水の多い季節には幅が200mほどにもなり、迫力のある光景が楽しめます。滝の周りにはマイナスイオンが出ますから、眺めることで心身のリフレッシュができるでしょう。
・地下森林
鏡泊湖を作った火山が休火山になった後に、噴火口の底に森林ができました。このため、森林を上から眺めるという、めったにできない体験ができます。もちろん中に入れますから、森林浴をしながら散策をしてはいかがでしょうか。
・牡丹峰スキー場
街の中心から近いスキー場として、観光客だけでなく地元の人たちにも親しまれています。
交通の便もよく、費用が安く済みますし、雪質もよく、積雪日数は160日以上です。メインコースが全長1200m、幅90mと広くてのびのびとスキーを楽しめます。冬は気温が－20℃まで下がってしまう牡丹江ですが、スキーをするなら、楽しく過ごせるでしょう。また、雪化粧をした鏡泊湖も冬におすすめの観光スポットです。
・八女投江・革命烈士陵園
牡丹江沿いの江濱公園にある記念碑です。1938年の旧日本軍との戦いで、川に身を投げて自決した女性たちを讃えるために作られました。高さ13m、長さ8.8mの巨大な花崗岩で作られた記念碑は街のシンボルになっています。
八女投江は映画や舞台のタイトルにもなり、中国の人たちには特別な思いがあるようです。旅行に出かける前には、ぜひ日本と中国の間にある歴史についても知っておきたいですね。
記念碑の周りは散策するのにちょうどよい場所ですから、じっくりと鑑賞してください。
・北山公園
中華風の建物が観光客を迎えてくれる公園で、地元の人たちにとっても大切な憩いの場です。地元の若者たちが集まって、ダンスに興じている様子が見られるなど、昼だけでなく、夜にも人がいる公園です。
公園の中には、小高い丘があり、展望台からは市内の景色を一望できます。展望台がすべて中華風なのも、観光客の旅情を刺激してくれます。
展望台までの階段の途中には、旧日本軍のトーチカ（鉄筋コンクリート製の防御陣地のこと）が残されています。桜並木も作られているので、日本と中国の関係を考えさせられます。
・牡丹江市でホテルに泊まるなら
東一条路歩行街は、市内でも一番のメインストリートです。地域の特産物が売られていたり、食べ物の屋台が出ていますし、週末や旧正月にはイベントが行われるため、歩いているだけで旅の楽しさを満喫できます。観光客だけでなく、地元の人々もよく訪れる場所になっています。
大きなショッピングセンターもこの通りにあるので、買い物にも便利です。通り沿いには、ホテルがたくさんあります。お得な料金で、豪華な部屋に泊まれて、たくさんある観光スポットに出かけるときにも便利です。
・観光にピッタリの季節は
先程も紹介したとおり、冬は気温が－20℃以下になることもあります。ウィンタースポーツを楽しむ人は別ですが、やはり観光に適しているのは、6月下旬から8月下旬までです。夏の気温は28℃くらいで、32℃を超すことはめったにないため、街や公園を散策したり、湖や滝を楽しむのに最適です。
日本人が大きく関わってきた街なので、ただ楽しいだけの旅とは少し違うものになるかもしれませんが、考えさせられる旅というのも、また趣があるものです。