中国 - 昆明について

昆明は中国雲南省の省都であり、政治、経済、文化、交通の中心地です。
海抜1891メートルの高原にあり、一年中、春のような温暖な気候であることから、『春城』と呼ばれています。
その歴史は古く、旧石器時代の3万年前には、すでに古代人が住んでいました。
紀元前109年、前漢の武帝によって、益州郡が置かれ、その中心地とされました。
蜀代に諸葛孔明により、建寧郡と改められましたが、晋代以降は、チベット系の少数民族の支配下に置かれました。
隋代に昆州と改められ、唐代には雲南王により、少数民族の支配地域も統合され、昆明はその都として栄えました。
その後、元代に昆明という地名となり、明代に城壁都市が築かれ、現在に至ります。

気候は温帯夏雨気候に属し、年間平均気温は15℃で、夏は涼しく冬も温暖で、中国で最も快適な気候の都市とされています。
1月の平均最高気温は15.4℃、平均最低気温は2.3℃、7月の平均最高気温は24.0℃、平均最低気温は16.9℃、年間降水量は920mmで、7月8月に集中しています。


昆明は雲南省を観光する人が、最初に訪れる都市です。
昆明を出発点に、雲南省各所の観光スポットに向かうことができるからです。
ここでは、昆明市内の見どころをご紹介しましょう。

・池

雲南省最大の湖で、南北36.5キロメートル、東西12.8キロメートルあります。
別名を『昆明湖』といいます。
風光明媚な池で、周囲に大観楼、盤龍寺などの名所旧跡があります。
周りの山紫水明の風景とともに『高原明珠』と呼ばれています。
湖周辺はゆっくりと散策するのにぴったりです。

・西山龍門

池の西岸にある断崖に造られた道教の石窟です。
龍門石窟は、旧石宝、螺旋道、慈雲洞、雲華洞、達天閣からなり、三清閣から達天閣まで全長66.5メートルあります。
龍門と達天閣は、一枚岩に彫られており、その精緻な技は高く評価されています。
龍門の石坊の下に出ている玉に触れると科挙に合格できるという伝説から、出世できると言われ、今でも多くの人がその願いを込めて参拝に訪れています。
『登竜門』という言葉はこの伝説が語源となっています。
龍門をくぐると、展望台があり、ここから遠く昆明の市街地まで見渡せ、湖面の水がキラキラ光り、すばらしい景色が楽しめます。

・雲南民族村

雲南省には25の少数民族が暮らしています。
その文化や生活を知ることのできるテーマパークです。
120ヘクタールの敷地内に各民族の住居や宗教建築などが再現され、生活用具なども展示されています。それぞれの民族のステージでは、民族衣装をまとった人々によって、歌や踊りが披露されています。
園内の屋台やレストランでは、各民族の料理を味わうこともできます。
池の北岸に位置し、池をまたいで対岸の西山森林公園の頂上までロープウェイでつながっていますので、西山森林公園の観光とセットで訪れるといいでしょう。

・雲南民族博物館

1995年に開館し、雲南民族村の向かい側に位置します。
雲南省の歴史や文化を知ることのできるおすすめのスポットです。
中国で最大規模の民族博物館で、常設展は8つのテーマに分けられ、古籍、楽器、服飾、生活用具など、少数民族の文化や歴史、風俗を知るうえで、価値のある資料が多数展示されています。
所蔵品の数は12万点を越えており、雲南省で出土した化石や土器、青銅器なども展示されています。
昆明観光の始めに訪れておくと、土地柄を理解するための知識が深まり、いいかもしれません。

・円通寺

建立されてから1200年の歴史を持ち、昆明最古の寺院とされています。
唐代に池の北部を中心に、多くの仏教寺院が建てられましたが、そのうちのひとつです。
門をくぐると、天王殿、八角亭、大雄寶殿が左右対称に配置され、進んで行くと坂を下るように設計されており、主殿に当たる円通宝殿が一番低い位置にあるのが特徴です。
池の中心に立つ八角亭が、水面に映る姿はとても美しく、観光客を魅了しています。
寺院の裏手にある高台からは、昆明の街が一望できます。


昆明では、繁華街に多くのホテルが集中しているので、そこに宿泊すれば、徒歩で繁華街に出られ、とてもアクセス良好です。
空港からは、エアポートバスで向かえば、市の中心地まですぐ行くことができます。


昆明は中国の中でも、治安がいいとされていますが、やはり、観光客を狙ったスリや引ったくりなどの被害は報告されていますので、貴重品の管理には充分に注意しましょう。