中国 - 景洪について

景洪(けいこう・ジンホン)は中国南部の中華人民共和国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州に位置します。

現地の言葉で「12の千の田」を意味する「シーサンパンナ(西双版納)」と呼ばれる民族自治州の首府として、タイ族（ルー族）が古くから住む土地として知られています。1980年に初めて外国人観光客に開放されたこの一帯は、田園風景が広がり農業が盛んな土地です。

気候の面では隣接するラオスやタイ、ミャンマーなどの山岳地帯と似ており、市内を流れるメコン川を境とした低地部分では夏が長く、冬の無い湿潤な気候です。
対して高地では気候が変わりやすく、比較的低温な冬季と高温乾燥な暑季、温暖湿潤な雨季に分かれます。

そんな景洪のベストシーズンは、雨季があけるだいたい11月頃から、翌年4月頃までです。また天候次第ですが、真冬も最低気温が15度ほどの時もあり、比較的過ごしやすいとされています。
逆に真夏の7月や8月は日本より涼しい気温ですが、雨が多く降るので旅行には不向きな時期と言えます。

主に族（雲南省に住むタイ族系ルー族）が住む多民族区域として、2002年の少数民族の人口が約25万人と、総人口の7割近くを占める景洪は、1950年に人民解放軍が入城して車里県となるものの、1953年にシーサンパンナ・タイ族自治州が成立してタイ族の自治が認められました。
のちの1958年初頭に景洪県と命名され、1993年に景洪市が成立し今に至ります。

タイ人のルーツともいえるタイ族の影響で、景洪周辺は今なお多くのタイ族の文化に溢れており、中国でありながらも街では中国語と併せてタイ族語の表記がある看板をたくさん見かけます。

そこで、街並みもまるで東南アジアさながらの風景で、異国情緒に溢れた景洪に行ったら是非立ち寄りたいおすすめのスポットをご紹介します。

・曼聴公園

曼聴公園は街から2キロ離れた東南部、瀾滄江と流砂河の合流点の三角地帯にあり敷地面積は2.4万平方メートルあります。
シーサンパンナにある中で最も古い1300年以上の歴史を持つ、景色の美しい公園です。

園内にはタイ族の伝統行事を鑑賞出来る民族文化広場や6000万平方メータもの広さを誇るタガヤサン林が美しい藤本植物区、100羽もの孔雀が放し飼いにされ写真撮影も楽しめる孔雀園などの観光的な施設から、タイ族の信仰を集める「総佛寺」など、景洪の魅力を凝縮して楽しめます。

・シーサンパンナタイ族園

タイ族について興味がある方に人気なのが、「シーサンパンナタイ族園」です
タイ族が住んでいた5つの村を整備して作られた観光施設なだけあって、タイ族の伝統的家屋を見学出来ます。

こちらの園で人気なのが、毎年4月に行われるタイ族の伝統行事「水掛け祭り」のショーです。見るだけでなく、観光客も衣装を借りて参加することもできます。

また入り口からすぐにある、1400年以上の歴史をもつ「春満大仏寺」という名の黄金の仏塔を持つ寺院も見どころの1つです。

・野象谷

シーサンパンナは土地の6割以上が森林で覆われており、さまざまな野生動物が生息しているといいます。そのなかで生息する野生の象を見られる施設として、旅行客に人気の施設が野象谷です。

野象谷は、野生のアジアゾウが頻繁に現れる場所として知られており、特に毎年2月頃が実際に遭遇できる可能性があります。

野象谷は街中から車で1時間程離れた場所にあり、希少な熱帯植物や、象の足跡を散策しながら全長4kmの林道を巡ります。訪れる際は歩きやすい服装がおすすめです。

他にも象のショーをはじめとしたインコなどの動物ショーもあります。

・告庄西双景

タイ族の観光エリアで、商業施設をはじめ、郷土料理を楽しめるレストランや茶館などが集まっており、宿泊地としても最適です。

食事は、雲南料理をはじめ、タイ族料理も満喫出来ます。
「菠羅飯」というパイナップル入りの炒飯や、竹にもち米を入れて蒸した「竹筒飯」など、タイ族の伝統料理も食べられます。

告庄西双景は9つの塔と12の村という意味を持つ「九塔十二寨」と呼ばれ、タイ族のための黄金の仏塔が建てられています。

また夜になるとそのシンボリックな仏塔は、美しくライトアップされ、荘厳な輝きは写真スポットに最適です。
治安も比較的良いので、ここで開催される夜市で、バナナの葉で包んで焼いた魚や串焼きなどB級グルメともいえる地元のソウルフードが食べられる屋台などをぜひ巡ってみてください。