中国 - ジャムスについて

ジャムスは中国の黒龍江省にある都市です。中国の最東部に位置していて、中国内では一番早く日が昇る場所として知られています。そのため、東方第一城と呼ばれることがあるのです。
ジャムスという名称は史書のなかに登場していて古くからの歴史があることがわかっています。辛亥革命のあとには漢人が多数入植してきて、港として発展しました。満州国の時代には三江省の省都となって、穀倉地帯の拠点として整備が進みました。輸送や軍事用に鉄道が整備されて、都市部として発展したのです。今でも中心部には大都会が形成されていて、多くの人が集まっています。
こちらには200万人を超える人が住んでいます。平均気温は3.3度であり、とても寒い地域で、亜寒帯気候に区分されている土地です。寒暖の差が非常に激しく、夏場は38度にまで気温が上がり、冬場は最低気温が-30度近くにまで下がります。そのため、観光で訪れるのであれば、しっかりと暑さや寒さの対策をしなければいけません。
黒竜江を挟んでロシアと向かい合っています。市内には4つの市区と6つの県があり、面積は3万平方キロメートルを超える地域です。黒龍江省の北東部に位置しており、地域の経済や金融、交通、文化の中心地として栄えています。
ジャムスは昔から農業が盛んな地域であり、豊富な食物や穀物を生産しています。特に大豆は年間に1億トン以上もの生産量があって、代表的な作物です。遺伝子組み換えを行わずに生産された大豆には栄養が豊富に含まれています。また、石炭資源が豊富であることも特徴で、石油やガスなどもたくさん埋蔵している土地です。
市内にはビール工場やトラクター会社をはじめとして大きな企業がたくさんあります。特に特殊用途の電気モーターが世界中で評価を集めているのが特徴です。ほかにも、ガラスや製薬、製紙、セメント、リネンなどの会社もあります。
観光地として人気が高く、特に冬になるとほかにはない雪や氷の世界を体験できるのが魅力です。また、ジャムスを拠点としてロシアにも気軽に足を伸ばすことができます。美しい自然環境が残されていて、魅力的なスポットが豊富にある場所です。そんなジャムスの代表的なスポットを紹介しましょう。
・松花江
松花江はアムール川の支流のうち最大のものです。ハルピン市からジャムスにまで流れていて、その先でアムール川と合流します。中国からロシアにまでつながっている川であり、とても大きいです。冬になると完全に凍結している松花江を見られます。凍った川の上には滑り台やスケート場が作られることがあり、有料で遊ぶことが可能です。
・水源山公園
ジャムスにおける観光の定番のスポットです。とても自然豊かな環境が残されています。市民の憩いの場となっていて、地域住民の人たちがたくさん訪れている場所です。中国の普通の人たちの姿を垣間見ることができるでしょう。夏と冬でそれぞれ異なる自然環境の美しさを体験できます。
・臥仏山スキー場
2001年に建設されたスキー場です。さまざまなレベルのスキーコースが設けられていて、スキー好きには楽しいスポットといえます。スキー場にはレストランや喫茶店、バーなどが運営されています。スキー場のある臥仏山は資源が豊富な場所であり、ほかにはない鉱物景観を楽しむことができるでしょう。
・大亮子河国家森林公園
総面積が7千ヘクタール以上もある大規模な公園です。朝鮮松林を見ることができ、なかには樹齢が400年を超えるものもあります。園内には白樺林や巨樹島があり、四季折々の美しい風景を楽しめるでしょう。森林のなかを歩いていると日頃の嫌なことを忘れてリフレッシュできるでしょう。また、森林内には願海寺があり、そこで線香をあげて願掛けすることができます。寺院文化に興味のある人にもおすすめできるスポットです。
・佳木斯博物館
比較的小規模な博物館ですが、魅力的な展示がたくさんされていて、入場料は無料のため、ぜひとも訪れてみたいスポットです。たとえば、かつての民族の展示品があります。日本のエスペランティストとして著名な長谷川テルの展示もあります。長谷川テルは緑川英子という筆名でエスペラントを通じた反戦活動を中国人の夫とともに行っていて、ジャムスで亡くなった人物です。
中心部にあるジャムス駅の周辺には商業施設が集まっていて、ホテルも多いため、おすすめの場所です。駅の近くのホテルであれば移動しやすいでしょう。
ジャムスの治安は、中国のなかでは比較的よい部類といえます。中国とロシアの国境の近くにあるため、警察がしっかりと監視しているからです。また、日本語教育が熱心な地域もあるため、比較的日本人が滞在しやすいでしょう。