中国 - ハイラルについて

ハイラルは中国の内モンゴル自治区フルンボイル市にある区です。ハイラル河の上流346キロの場所に位置しています。フルンボイル高原と丘陵に挟まれた土地にある街です。フルンボイル市における人民政府所在地となっていて、フルンボイルの政治や経済、文化の中心地として発展しています。自然観光が主な産業となっていて、多くの人に注目されている都市です。
ハイラル区に住んでいる人は主にモンゴル族が中心となっています。さらに漢族も多数住んでおり、それに加えてダウールやオロチョン、満、回といった民族もいるのが特徴です。全部で26の民族が共存しており、北方民族に特有の風情や文化が残されています。
ハイラルは清によって1734年に要塞として建設された場所です。ハイラル河が由来となって名付けられました。伝統的な旧市街が残されている一方で新市街もできていて、そちらは現代的な工業地区として栄えています。建設されてから現在にいたるまで、常にフルンボイルの中心地として発展してきた土地です。
内陸性の気候であり、特に冬場はとても寒くなります。氷点下30度ぐらいまで気温が下がるのは普通のことです。そのため、冬場は街がとても閑散としています。道路は完全に凍結してしまい、車の通りも少なくなるでしょう。
街中には路線バスがあるため、どこにでも自由にアクセスすることができます。空港があり、鉄道も通っていて、交通網が比較的充実している都市です。
主な観光資源として有名なものはフルンボイル大草原とショウジマツの原生林、旧日本軍による海拉爾要塞などがあります。さらに周辺にある港湾や湖も観光資源として活用しています。また、この地に残っている独特の歴史文化や風情、地方経済も観光客から興味を持たれていて、国内外から多くの人が押し寄せる観光都市です。観光インフラの整備が進んでいて、重点観光地の開発にも力を入れてきました。その結果、1996年から2000年の間には179.38万人の観光客が訪れることになり、観光都市として成功したのです。
このような特徴のあるハイラルのランドマークといえる名所について紹介しましょう。
・フルンボイル大草原
中国国内でも特に美しい草原として知られているスポットです。地平線の彼方にまで広がる草原には馬や牛、羊がのびのびと過ごしています。日本には絶対にない環境が広がっていて、とてものどかで癒やされるスポットといえるでしょう。たとえば、馬の群れが近くを走って、河へ水を飲みに行く様子を見ることができます。そのほとんどが天然の草場であり、昔からの環境がそのまま残されているのです。総面積は10万平方キロメートルあり、とても立派な草原には感動できるでしょう。大草原のなかには3,000もの河が流れていて、500以上の湖があります。乗馬をしたり、ラクダの上に乗ったりすることが可能です。湖で魚釣りをしたり、林のなかで狩りをしたりすることもできます。思う存分草原を満喫できるスポットです。
・海拉爾（ハイラル）要塞
1934年にハイラルで建設がスタートして1937年に完成した要塞です。関東軍の第8国境守備隊が守備を担当して、最大で3万人もの人を収用可能な大きな建物です。周辺の山には陣地が構築されて、市街地をしっかりと守れるようにしました。最終的に日本がポツダム宣言を受諾したことによって、こちらの要塞も降伏しました。そして、現在では史跡として一般に公開されています。ソビエト軍の攻撃を受けて戦ってきた歴史があるため、現在では戦士したソ連兵のための慰霊碑や墓地などが設けられています。2010年にロシアにおいて対日戦戦勝記念日が制定されて、ソ連兵を慰霊するための式典がこちらで行われました。日本人にとっては、楽しみながら観光できる場所とはいえないのですが、かつての戦争のことを忘れないためにも一度は訪れるべきでしょう。

ホテルを選ぶならば、街の中心部にあるところをおすすめします。空港が街の中心部に近いため、空港から中心部に向かうまでのエリアでホテルを探すとよいでしょう。観光地として発展しているため、安いホテルから最高級ホテルまであります。最高級ホテルであれば、広々とした部屋が用意されていて、とてもリラックスできるでしょう。
ハイラルは観光地として比較的発展している都市であり、モンゴルのほかの都市と比較しても治安はよいといえます。もちろん、完全に安心して油断するべきではなく、警戒はするべきでしょう。それほど身構えることなく、リラックスしながら観光を楽しめる都市といえます。外国人の数は多いのですが、あまり日本人は訪れません。中国やロシアからの観光客が多いです。