中国 - 汕頭について

汕頭(スワトウ)は、中華人民共和国広東省の東部に位置する都市で、経済特区のひとつです。
日本では、繊細で美しい汕頭刺繍の産地として知られています。
宋代に村が形成され、元代には大きな漁村となりました。
清代に沙汕頭砲台が築かれ、その後、簡略化して汕頭と呼ばれるようになりました。
1860年に対外開放され、海外向けには潮州語の発音を英語風に発音したスワトウと呼ばれることになりました。これ以降、広東省東部の玄関口として、発展してきました。
1919年に汕頭市政局が設置され、1930年、正式に市制が施行されました。
1981年に経済特区となりました。
華僑を多く輩出している土地柄、海外との交流が盛んに行なわれています。

気候は、亜熱帯モンスーン気候に属し、夏に降雨量が多く、冬は温暖で、秋には台風の影響を受けやすくなっています。
年間平均気温は21.3℃で、年平均降水量は、2420ミリメートルもあります。


海外との交流が盛んな港湾都市で、経済の発展も目覚しい汕頭の観光スポットをご紹介しましょう。

・南澳島

フェリーに乗れば、40分ほどで行ける美しい海と緑あふれるビーチリゾートです。
島の東側には、青澳湾が西太平洋航路との距離が6キロメートルしかないところに広がり、白い砂浜と青い海の美しさから『東方のハワイ』と呼ばれています。
島の西側は、南澳海島国家森林公園となっており、長山尾砲台などの史跡や見どころの観光スポットが点在しています。自然保護区には、1400種類もの熱帯・亜熱帯植物が分布しており、多くの野生動物も生息しています。

・北回帰線標志塔

北回帰線が通過する地点に建てられた塔です。塔の上には、赤道や北回帰線、南回帰線が描かれた直径約5メートルの地球儀があり、その地球儀を見上げたところにある小さな穴は、夏至の正午には太陽の光が通過し、真下を照らし出すようになっています。
北回帰線をまたいで、片足は熱帯、もう片方は温帯という写真を撮るのが、観光客に人気です。

・金平区老街

市の中心地にあり、金鳳壇バスターミナルから放射状に延びた道沿いに、古い街並みが広がっています。
ヨーロッパの教会のように、繊細な装飾が施された騎楼と呼ばれる建物が、たくさん並んでいて、19世紀の街並みが残されており、訪れる人々を魅了しています。
ぜひ見ておきたいのが、百貨大楼という豪華絢爛な建物です。
1932年にインドネシア華僑が開いたデパートで、今は営業していませんが、市のランドマークとなっています。
老朽化が進んでいますが、市民からの保存したいという声を受けて、修築工事が進んでいます。

・岩風景区

市内からは、フェリーか汕頭海湾大橋を利用してアクセスできます。
広い敷地内には、大小43の山があり、岩でできた山肌は、長い年月風雨で削られた経年変化で、様々な形の奇岩となっています。
この岩山を利用して、洞窟やトンネルが造られ、さながらテーマパークのような雰囲気です。
池や渓流もあり、美しい景色を楽しみながら、のんびり散策できます。
風景区内には、英国領事署旧跡や古代の建築を再現した百花尖大廟や万仏宝塔などのある新しく造られた天壇花園もあり、訪れておきたいスポットとなっています。

・陳慈簧古居

19世紀の華僑陳慈簧の邸宅跡です。香港とタイで成功した陳慈簧が。家族や親戚のために数多く建てた豪邸の中のひとつで、最もすばらしいと言われています。
東洋と西洋の折衷建築で、部屋数は500室以上、邸宅と言うよりはマンションといった大きさです。
廊下や階段は迷路のように入り組んでいて、探険しているようなワクワク気分で見学できます。室内の装飾はすばらしく、アンティークの調度品や家具も一見の価値があります。
敷地内には、土産物店もあります。

・金砂公園

市の中心に位置しており、にぎやかな町の喧騒から逃れることのできるオアシスといった感じです。
緑が多く、鳳の塔などの見どころも点在しています。
漢王朝の建築様式の庭園もあり、とても古風で風情があります。
街の散策に疲れて、ちょっと立ち寄るのにぴったりの公園です。


宿泊は、市の中心地に格安のゲストハウスから五つ星の高級ホテルまで、様々なランクのものが集中しています。観光地へのアクセスも良好です。


治安は、概ね良好ですが、やはり、ほかの有名観光地同様、観光客を狙ったスリや置き引きの被害が報告されています。
街歩きの際は、貴重品の管理には充分注意してください。