中国 - 西寧について

西寧は中国の青海省にある省都です。人口は200万人を超えて、そのなかには漢族やチベット族、回族、モンゴル族などの民族が含まれています。中国語だけではなくチベット語話者も住んでいる都市です。

昔から河西回廊の一部を構成してきた地域です。古くから東西の交通において重要な役割を果たしてきました。西域へ抜けるための交通の要盧として回廊地帯となっていて、歴史的にも重要な場所とされてきたのです。

西寧の歴史の始まりは紀元前121年に前漢の将軍がここに軍事拠点として西寧亭を築いたことが始まりとされています。西寧が位置しているのはチベット高原です。ユーラシア大陸の中央部に位置しており、世界で最大の高原とされています。この地域に昔から住んでいたチベット族は、清朝の時代に中国に支配され、西寧に配属された大臣によって掌管されました。そのため、西寧には今でもチベット族がたくさん住んでいるのです。ダライ・ラマ14性の出生地としても有名です。西寧にあるツォンカ地方には、モンゴルやチベットからの巡礼者や修行僧がたくさん集まっていて繁栄しています。

西寧は標高2,275mに位置しているため高原都市です。そのため、夏は涼しくて、冬はとても寒くなります。7月の平均気温は17.7℃であり、冬になると最低気温が氷点下10度程度にまで下がります。

西寧は近年になると国務院による西部大開発計画が実施されたことで工業化が進展しています。そのため、工業都市として発展していて、さまざまな企業が誘致しているのです。ただし、少数民族に関しては未だに農牧を行っていて収入の水準は低いとされています。

こちらには空港が2つあり、鉄道が開通されていて、高速道路はいくつも通っており、交通網は発達しているエリアです。成都を経由して東京への国際線の便も出ているため、日本から気軽にアクセスすることができます。

このような西寧の特徴的なスポットについて紹介しましょう。
・タール寺
こちらは郊外の湟中区にあるチベット仏教の寺院です。チベット仏教ゲルク派の開祖とされているツォンカパの生誕地として知られている場所に建てられています。ツォンカパの生母がこちらに仏塔を建てて、それが1560年に再興されました。1958年時点で3,600人以上もの僧侶が在籍していたのですが、文化大革命のあとにはほとんどの僧侶がラプラン寺へ移ってしまいました。それでも、今でも300人ほどの僧侶が在籍している寺です。チベット人の巡礼者以外は入場するためにチケットを購入する必要があります。

・文成公主記念碑
日月峠にあるスポットです。文成公主とは唐の皇女です。チベットにあったかつての統一王国である吐蕃の王に嫁ぎました。このときに、文成公主は涙を流して唐に別れを告げたとされています。このことを偲んで日亭と月亭という建物が建てられました。また、文成公主はチベットに仏教を伝えたとされており、そのためにチベットの人から深く敬われている存在でもあります。

・青海湖
中国で最大の湖であり、地球上に存在する内陸の塩湖としては2番目に大きなものとされています。23もの河川から水が流入していて、1050億立方メートルもの蓄水量のある湖です。琵琶湖の6倍もの広さがあります。湖の周囲では自転車ロードレースが開催されています。世界で最も高いところで行われる自転車レースとして有名です。チャリダーがたくさん訪れる場所となっています。チベット族の人が訪れている姿を見かけることがあります。青い湖に緑の草原、白い雲、菜の花の黄など風光明媚な場所であり一見の価値があるでしょう。まるで絵画の中の世界のような風景が広がっています。

・東関清真大寺
こちらは中国の西北地区にある4大モスクの1つです。なかにある大礼拝堂では3,000人が一度に礼拝することができます。古代中国の宮殿を模倣して建立されたため、通常のモスクとは大きく雰囲気が異なっているのが特徴です。金曜日になると1万人を超える礼拝客が集まります。非常に大きな建物であり、見どころはたくさんあります。

ホテルを探すならば、城西区や城中区にたくさん営業しているためおすすめです。このエリアにはショッピングモールや飲食店が多く立ち並んでいるため、滞在するのに便利な場所といえます。

治安については、特に悪いというわけではありません。ただし、ひったくりやスリ、置き引きなどには注意しましょう。命の危険を感じるようなケースはあまりありませんが、油断をしてはいけません。夜には不用意に出歩かないほうがよいでしょう。