中国 - オルドスについて

オルドスは中国のモンゴル自治区に存在する都市です。オルドス公言に位置していて、ちょうど黄河が北のほうへ屈曲した地点に位置しています。古くから交通上の要衝として栄えていた土地です。匈奴と秦・漢はこの土地を争っていました。15世紀になるとモンゴルのオルドス部がこの土地に移住したため、現在のようにオルドスという地名で呼ばれるようになったのです。17世紀になるとオルドス部は清に隷属しました。国共内戦を終えてからは、1956年に内モンゴル自治区に加わって現在に至ります。

さまざまな鉱物資源が埋蔵されているのが特徴です。石炭の収益だけでも2兆円を超えます。炭鉱用地の収用は2004年から開始されて、遊牧民に対して補償金が出されました。天然ガスやトロナ、硫酸ナトリウム、食塩などの産出量も豊富です。特産品としてカシミアがたくさん取れて、世界の4分の1のカシミア製品が生産されています。貧困都市だったのが石炭のおかげで好景気となり、人口が30万人から200万人近くにまで急増しました。一時期は、香港やマカオと並ぶほど1人当たりの域内総生産が高まりました。今では石炭によるバブルは落ち着いているのですが、天然ガスや希土類、風力資源などがあり、価値のある都市としてオルドスは注目されています。

オルドスは自然が豊富であり、四季折々の美しい景色を満喫できる場所です。たくさんの花や木々が育ち、魅力的な景勝地を備えた都市として知られています。活気に満ちた都市であり、多くの観光客を集めることに成功している街です。空港があり、ロシアや韓国、ベトナム、タイといった国に直行便が出ています。

オルドスの地名の由来となったオルドス族は、古くから伝統としてチンギスハーンを祀ってきました。そのため、観光名所の1つとしてチンギスハーン稜は有名です。そのようなオルドスを代表する場所について紹介しましょう。

・チンギスハーン稜
12世紀頃のモンゴル族の首領だったのがチンギスハーンです。そんなチンギスハーンの陵墓がオルドスにはあります。内モンゴル自治区を代表する観光スポットとなっています。3つの大殿によって構成されていて、中央には記念堂があり、チンギス・ハーン夫妻の棺が安置されているのです。年に4回の大がかりな祭祀が開催されて賑わいます。今でもモンゴルの人たちにとってチンギスハーンは英雄視されています。陵墓といっても実際には博物館のような施設となっていて、かつての金属器などが飾られているのが特徴です。お墓としてはとても立派なものであり、チンギスハーンやモンゴルの歴史に興味のある人にとって、とても魅力的なスポットといえます。敷地内にはホテルが設置されていて、ショーが開催されます。モンゴルの伝統的な歌謡や舞踊から現代的なベリーダンスのショーまで楽しめるでしょう。

・オルドス博物館
モンゴルの歴史や文化に興味のある人にとって欠かせないスポットといえるのがオルドス博物館です。マッドアーキテクツによって設計された建物はとても印象深いです。まるで芸術品のようなデザインとなっているため、建物を見るだけでも価値があるでしょう。博物館のなかでは、これまでのモンゴルの歴史について面白い展示品がたくさんあります。

・オルドス国際サーキット
2010年に生まれたサーキットです。2011年にはこちらでFIA GT1世界選手権が開催されて話題となりました。今でもさまざまな大会が開催されていて、多くの人が集まります。

・布沙漠
モンゴルといえば多くの人がイメージするものが砂漠であり、オルドスでは砂漠を観光地化しています。砂漠のなかにあって、アトラクションを楽しめるテーマパークとして人気です。砂丘のそりやキャタピラ車、ラクダライド、バギーカーなど数多くのアトラクションが用意されています。注意点として細かい砂が飛び散ることでいろいろなところに入り込みます。スマホやカメラなどを扱うときには気をつけましょう。

オルドスには空港や鉄道があり、市バスはとても発達していて、タクシーを利用することも可能です。そのため、交通アクセスは便利であり、どこのホテルであっても不便さを感じることはないでしょう。なかでもオルドスの中心である東勝区の東勝駅の近くにあるホテルはおすすめです。手頃なビジネスホテルから高級ホテルまでが揃っています。

オルドスは都市として発展していて治安はそれほど悪くありません。犯罪に巻き込まれるリスクは少なく、人々は親切であり、過ごしやすいです。