中国 - 洛陽について

洛陽は河南省西部に位置する5000年の歴史がある古都です。歴代の王朝が都を置き「九朝の古都」といわれ、牡丹の花の古里として有名です。現在は農業機械や鉱山機械を製造が盛んな都市です。
河南省でも3番目に大きい面積で、岩手県とほぼ同じくらいの15,208 平方キロメートルあります。黄河の中流に位置することから、洛陽の南に洛水が流れているために洛陽と名づけられました。日本でも馴染みのある三国志の曹操が都を置いた場所でもあります。また洛陽近郊には日本でも知名度が高い少林寺があります。
洛陽の気候は、四季があり冬は寒くて春は乾燥し風が多い気候です。平均気温は14.7度程度で過ごしやすい気候です。また、洛陽は都が置かれた歴史があり長安に対して東に位置していたため「東都」と呼ばれていました。そのため、古都といわれ歴史遺産が多くあります。
人口は、650万人を越えており、32民族もの多民族が暮らしています。その9割近くが漢族であり、他少数派として回族、満州族、モンゴル族などの少数民族が暮らしています。
・龍門石窟
龍門石窟は、洛陽の南からおよそ13km離れた場所の龍門峡谷にあります。孝文時代（471～499年）から400年もかけて完成した中国三大石造芸術に数えられています。遠くから見ると蜂の巣のように山の断崖絶壁を南北1Kmにわたり、大小さまざまな石造が彫られています。大きさは最大17.14mから、最小2cmの幅がある仏像たちが、約10万体も彫られています。唐代の時代に造られたものがおよそ3分の2で、北魏の造像がおよそ3分の1に造られたものといわれています。これほど完全な状態で保存されている貴重な歴史的建造物であり、2000年に世界遺産にも登録されています。この地を訪れた仏教徒の方は石仏の前で両手を合わせている姿もみることができます。
・白馬寺
白馬寺は、洛陽から東に12Kmほど行ったところに2000年の歴史がある中国最古の寺です。インドの高僧が白馬に乗り、経典と仏像を済んで仏教を伝来したことが由来です。白馬寺の山門にある白馬の像が象徴的です。国内の度重なる戦乱のたびに、興廃を繰り返してきたため、現在ある建物は再建されています。白馬寺は、建物や塑像をみるだけでなく、仏教信仰の歴史を改めて認識することができます。
・嵩山少林寺
嵩山少林寺は、日本でも映画などで有名な少林寺のモデルとなった場所です。所在地は、河南省鄭州市の嵩山にあり、古来から信仰されてきた名山です。今でも武術の修行が行われており、世界遺産にも登録されています。現代では、中国市場経済化に伴い、商業活動を積極的に行うようになり、少林武術ショーを行ったり、観光客の集客に力を入れているようです。男性ならカンフーなどの武術に憧れた少年時代を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。
・牡丹ガーデン
洛陽にある10ヘクタールもある牡丹園です。牡丹の花が咲く4月～5月には各国から観光客が訪れる人気のスポットです。牡丹は中国原産で花の王様といわれ、品性が高い花とされています。観賞用の他に、薬用として古くから栽培されている中国国民には馴染みがある花です。時期は春先に限定されますが、花が好きなら是非訪れたいスポットです。
・関林堂/関林廟
関林廟は洛陽から7kmほど離れた場所にあります。三国志でも有名な蜀の名称関羽が呉軍に破れて首をはねられた関羽の霊を鎮めるために埋葬した場所です。関羽公は武聖人や商売の神様である財神として崇められており、中国全土に関帝廟を見ることができます。横浜や神戸にもこの関帝廟が存在します。この建物には関羽のみならず、関平や周倉の像も建っていて、中国の信仰の深さをうかがうことができます。
・洛陽博物館
洛陽博物館は、洛陽と近郊で発掘された遺跡など約800点収蔵されている総合博物館です。北京原人より古い藍田原人の頭蓋骨やマンモスから唐時代に流行した鮮やかに色づけされた人や動物などの焼き物を唐三彩のラクダや陶磁器などが展示されています。
洛陽のおすすめ宿泊エリアは、洛陽市内の中心を流れる洛河を挟んで、両岸におよそ100軒の宿泊施設が集まっています。市内中心から少し離れると一泊1000円程度の格安ホテルやユースホステルがたくさんあります。ショッピング街や高級ホテルが点在する新都匯周辺や観光地周辺にはホテルが少なく移動が便利な洛陽龍門高速鉄道駅周辺などは、観光客の宿泊スポットとして人気が高い地域です。