中国 - 麗江について

麗江（れいこう）は、中華人民共和国、雲南省西北部にある都市です。中国の中では南部に位置し、面積は7648平方キロメートル、1市轄区・2県・2自治県を管轄しています。
1997年にユネスコ世界遺産に登録された、麗江古城と呼ばれる旧市街地がこの街の中心です。少数民族のナシ族のかつての王都であり、現在でも多くのナシ族が暮らしています。またナシ族の他にもさまざまな少数民族が住んでいる珍しい地域となっています。
金沙江の谷に位置し、街の周りが丘に囲まれた地帯です。平均標高は約2400メートルと高地に位置し、市の北には標高 5596メートルの玉龍雪山があります。雲貴高原の一部であり、四川省境界には瀘沽湖があります。
中国の都市は城壁に囲まれているのが一般的ですが、旧市街の周囲には城壁がありません。言い伝えによれば、当時この街を治めていた木氏が、統治する地域を城壁で囲む、「木」が「困」になる事を嫌い、城壁を造営しなかったと言われています。現実には、水路が複雑に入り組んだ都市構造で、城壁の建設が困難な上、その防御効果よりも治水の面で城壁が不利になる事を考慮し、造営されなかったと推察されています。そのため旧市街地は、古い木造の建物が密集し、屋根瓦がまるで湖のように広がっているかのような眺めです。

旧石器時代以降、青銅器時代、鉄器時代などの遺跡が多く残っているため、麗江には古くから人類が存在していたとされています。戦国時代には秦の勢力下に置かれ、唐時代以降は吐蕃などの支配下に置かれました。1371年明軍が宣慰司に任命した事で、麗江の地名が誕生し、この地ではナシ族の木氏が宣慰司を世襲。その後府となり、中華民国が成立すると、県が設置されました。1949年7月、人民解放軍の進出によって麗江県人民政府が成立すると、1961年4月にはナシ族自治県となり、2003年6月には周辺地区を統合し、現在に至っています。
気候は、季節風の時期に大雨がよく降りますが、1年を通して晴天が多く、日本に比べて冬は暖かく、夏は涼しく感じます。冬場は冷え込む事もあるため、真冬のコートが必要になる場合もあります。その他のシーズンも朝晩は冷え込むので、羽織るものを持参した方が良いでしょう。標高も高いので、紫外線対策も必要です。「雲南省の北部では1日のうちに四季を体験する事ができる」という諺どおり、高原地域なので天気は1日に数回変わる事もあります。

ランドマークといえば、なんといっても麗江古城でしょう。見渡す限り一面に広がる瓦屋根がとても美しく、幻想的です。水路が至るところにあるため、架けられた橋も趣があり、散策が楽しい街です。それはまるで迷路のよう。夕方からは提灯が灯り、幻想的で美しい景観になっていきます。世界中から観光客が集まる人気のエリアです。
その他にも麗江には名所が沢山あるため、ご紹介いたします。

・玉龍雪山
玉龍雪山（ぎょくりゅうせつざん）は、その山麓全体が国家重点風景名勝区となっています。リフトやロープウェイ、野外の劇場などが整備され、特に氷河公園までのロープウェイは標高4506メートル、ロープウェイで到達できる標高としては世界2位の高さです。また駅から4680メートル地点の展望台まで遊歩道が整備されています。間近で見る山の迫力はまさに圧巻そのものです。市街からも近い山ですので、人気が高いスポットとなっています。ただ標高が高いため、高山病になる可能性もあります。行かれる際はしっかりと準備をしましょう。

・瀘沽湖（ろここ、ルグフ湖）
雲貴高原にある淡水湖で、四川省と麗江市の間にあります。最大水深は93メートル。湖には大小さまざまな島が浮かんでいます。壮大で圧倒的な景色を一望できます。こちらを訪問した際は、是非ボートを借りて広大な湖を散策してみてください。瀘沽湖の美しい景色を湖側から楽しむ事ができます。

宿泊施設は、麗江古城区域に多く、5つ星ホテルから格安宿まで様々あります。また、旅行者同士が交流できるゲストハウスも多く、予算や旅の用途に応じて予約をする事をおすすめします。この区域には飲食店やお土産屋も多いので、食事やショッピングに困る事はないでしょう。
麗江は中国の中でも治安の良い街だと言われています。しかし日本とは違う土地ですので、過度な油断は禁物です。人気のない場所には近寄らず、夜の一人外出は避け、貴重品は人目につくように持たないようにしましょう。