中国 - 貴陽について

貴陽は中国の貴州省の省都です。市内には森林がたくさんあるため、林城と呼ばれることもあります。貴陽という指名は貴山の南に位置することに由来したものです。古くから少数民族が割拠してきた土地であり、戦国時代には夜郎国がありました。唐代になると羈縻（きび）州が設置されて、貴陽の地は矩州に属しました。宋代には貴州と改称されて、1569年になると貴陽府となり、貴陽という名称が使われるようになったのです。そして、中華民国が成立したあとの1914年には貴陽府は廃止されて現在の貴陽市が成立しました。

昔から竹が豊富な土地として知られており、竹でできた楽器である築の制作によって有名になったため、築と略称で呼ばれることがあります。山地の丘の間にあることから、山の都という愛称でも親しまれている都市です。

標高1,100メートルに位置する高原都市です。年間を通して特別に暑かったり寒かったりすることがなく過ごしやすいでしょう。1月の平均気温は5度程度で、7月の平均気温は24度程度です。年間の平均気温は15度程度であり、年間降水量は1,100mm程度となっています。年間を通してくもり空が多いため、「天に3日の晴れ無し」と昔から言われてきた土地です。

こちらは1992年に貴陽ハイテク産業開発区となりました。2000年になると再編が行われた結果、金陽科学技術産業パークと新天ハイテク産業パークが誕生しました。2004年時点におけるGDPは438.5億人民元となり、ハイテク産業の地として豊かな都市となったのです。現在でも成長を続けている都市であり、多くの人が集まっています。

貴州省の省域は雲貴高原と呼ばれています。石灰岩がたくさんあって、カルスト地形が広がっている土地です。至るところに鍾乳石や鍾乳洞、天然の石柱などがあって、自然の美しい景観を楽しめます。

もともと貴州省は中国のなかでも最貧の地域とされていました。それが今ではビッグデータ先進地域として注目されています。ビッグデータ産業博覧会が市内で実施されて、郊外にビッグデータ団地ができているのです。関連する施設や会議センターなども充実しています。このようにIT人材が活躍できる環境が整っているのです。その理由として、山の谷間にある都市は風通しがよくて涼しく、空調のコストを抑えられる点があります。年間を通して涼しい地域のため、機械を扱うのに都合がよく、それがビッグデータを扱う土地としてふさわしいと判断されたのです。

このような特徴のある貴陽市の魅力的なスポットを紹介しましょう。
・貴州中洞村
山のなかにある洞窟で、アジアでは最後の穴居部落が存在しています。この地域の山には必ず洞窟が存在していて、昔から多くの人が生活してきました。かつて、戦争から逃れるために洞窟に移住してきた人の祖先が現在まで続いているのです。洞窟のある周辺の景色は他にはない珍しい眺めとなっています。奇石や古木がたくさんあって、中国の山らしい風景といえるでしょう。

・茘波（れいは）
カルスト地形に特有の山と水が魅力的なスポットです。世界自然遺産に登録されている中国南方カルストの一部となっています。茘波にあるカルスト森林は中国で最もきれいな森の1つです。また、茘波は中国で一番美しい池とされています。そんな茘波は、小七孔風景区と大七孔風景区という2つから構成されている場所です。それぞれに見どころがあります。

・花渓公園
風景区として有名な場所であり、1937年に建設されたスポットです。田園や山水の風景がきれいに残されていて、民族風情と溶け込んでいることから「高原の真珠」と称されています。花渓河が流れていて、両岸に小さな山が連なっている地形です。山にはたくさんの鍾乳洞があって、地下には河が流れています。川の両岸にはホテルや楼閣、別荘などがあり、それらが自然風景と上手く溶け込んでいて美しい景観をつくるのに一役買っているのです。山の頂上まで登ると公園の全景を見渡すことができます。春になるとたくさんの花が鮮やかに咲き誇り、夏になるとハスの花が咲き誇ります。秋には金木犀の香りがあちこちに漂って、冬になると梅の香りを感じさせるでしょう。四季折々の自然の美しさを実感できる場所としてとても人気があります。

貴陽駅の近くにあるホテルはアクセスに便利でおすすめです。バスで市の中心部まで気軽にアクセスすることができます。1959年に駅が建てられて長い歴史を感じられるでしょう。

こちらの治安は比較的良い部類に入ります。日本人が一人で歩いても特に不安を感じることはないでしょう。