中国 - カンシュウについて

カンシュウは江西省にある市です。かつては江西省にカン州が設置されていて、現在はカンシュウ市となっています。江西省があるのは長江の南岸であり、内陸部の省です。南昌市を省都として発展しています。省内では最も人口が多いのがカンシュウ市です。江西省の南部に位置しています。かつて革命が起きたときにカンシュウは根拠地とされていました。その頃に築かれた城壁が今でも残されています。実際に城壁の上を歩くことができるため、観光地として人気が高いです。

カンシュウは西側には章江、東側には貢江が流れていて、川に囲まれた都市です。そのため、中洲といえるような地勢のなかにあり、東南部で陸地とつながっています。そちらは丘陵地帯となっていて、背後には山があるのが特徴です。そのため、川と山に囲まれた環境で要害の地といえます。川を通じて南昌にまでつながっていて、水上交通の要衝でもあり、昔から重要な地とされてきました。

カンシュウはタングステンの産出が世界一である点で有名です。また、レアアースの産出量は世界で2番目に多く注目されています。中国はレアアースの開発に大きく力を入れていて、環境を守りながら持続可能な開発を続けることに注力しています。

カンシュウで話されている言語は客家語です。これは中国語の方言の1つであり、江西省南部だけではなく、広東省東部や福建省西部でも話されています。

カンシュウは江西料理と総称される食文化が根付いているのが特徴です。醤油をベースとして、油をたくさん使い、味が濃く、素朴な味がします。地元で特徴的な食材としては、ヒメシラウオや岩茸、タカヨモギ、ツクシガモといったものがあります。日本人の舌に合うものばかりであり、食事に満足できるでしょう。

このような特徴のあるカンシュウには魅力的なスポットが多いです。そのなかのいくつかを紹介しましょう。

・通天岩
古代石窟芸術がたくさん残されていることで知られている場所です。唐や宋の時代に作られた石の彫刻がたくさんあります。今では1千年以上経過しているため、多少風化しているのですが、それでも当時の状態がきれいに残されていて、魅力的な表情を見せてくれるでしょう。ハイキングをするのにおすすめのスポットであり、自然のなかを気持ちよく散策することができます。よく手入れされている庭や滝、大きな岩など見どころが満載です。山の頂上にまで登ると周囲の絶景を見渡すことができます。至るところに仏像などがあるため、ずっと歩いていても飽きません。

・陽嶺国家森林公園
自然保護区に指定されていて、豊富な自然が残されている場所です。中国のなかで最もマイナスイオン濃度が高い場所として知られています。中国は大都市において大気汚染が問題視されているのですが、こちらではとてもきれいな空気を吸うことができ、市民から愛されている場所です。

・古浮橋
カンシュウを代表する景観といえるのがこちらです。市内の外には川が流れていて、そこに桟橋のようにしてかかっているのが古浮橋です。船を並べて、そこに板を置くことで橋にしています。板の間には隙間があって、上を歩くときには橋が揺れて不安定な状態となっているため、注意しましょう。日本ではありえないような中国らしさを存分に感じさせる橋であり、遠くから見ているだけでも満足できます。

・八景台
八景台はかつての楼閣を現代の技術で復元したものです。1056年に創建されたものがモデルであり、このときに送られた詩文に由来して八景台と名付けられました。実はこれが日本や中国の各地にある「○○八景」という呼び方の始まりです。八景台からは美しい眺めを楽しむことができ、まさに八景の名にふさわしい場所といえるでしょう。

ホテルはカンシュウ鉄道駅の周辺で探すとよいでしょう。近くにホテルがあり、観光の拠点とすればアクセスに便利です。それほどホテルの数が多いエリアなわけではないため、選択肢はあまりありません。

カンシュウのある江西省は中国内でも特に治安の良い場所として知られています。たとえば、普通の中国の都市部においては、アパートやマンションには窓にしっかりと鉄格子がはめられているのが特徴です。そうしないと空き巣などの被害にあう可能性が高いからです。一方、江西省では、商店街にあるお店も基本的にガラス張りとなっていて、日本とほとんど変わりません。強盗事件などの被害もほとんどなく、治安はとても良いと考えて良いでしょう。そのため、安心して滞在することができます。