世界遺産の保有数No.1!イタリア世界遺産の51スポット全てをご紹介

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イタリアの世界遺産は文化遺産が47件、自然遺産が4件の全部で51件!世界で最も多く世界遺産を保有している国です。イタリアにこんなに世界遺産が多いのは、ローマ帝国として栄え、植民地を支配してきた栄華を誇り、イタリアの人々がこの栄光を大切にしているからにほかなりません。

イタリア観光で人気の5大都市から、世界遺産が多く点在するシチリアやカンパニア州、トスカーナ州など、イタリア全土に世界遺産は広がっています。さまざまに異なる歴史を持つイタリアの世界遺産を巡ると、その地域の個性と魅力を体感できるはず。今回は、イタリアの世界遺産51か所すべてをご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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世界遺産の保有数No.1!イタリア世界遺産の51スポット全てをご紹介:目次

1.ヴァル・カモニカの岩絵群(1979年:文化遺産)

出典:Luca Galli

イタリア北部、アルプスの麓を流れるオリオ川のカモニカ渓谷にある世界遺産が「ヴァル・カカの岩絵群」。イタリアで最初に登録された世界遺産です。紀元前8000年から約8000年間にわたる線刻画が残っており、その数は14万点。古代人の生活や農耕の様子、航海、戦争、ローマ帝国時代の文字などさまざまな絵が描かれています。

「ヴァル」というのは、「渓谷」を意味するイタリア語。カモニカ渓谷一帯に描かれた線刻画の世界遺産は、今は消滅した古代文化がイタリアにあった証拠。これらは、ナクアネ岩壁彫刻国立公園やナドロ、ルイーネなど、カモニカ渓谷一帯に点在しています。旧石器時代から新石器時代にわたるイタリアの世界遺産を観光してみませんか?

2.ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂(1980年・1990年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

イタリアのローマとバチカンエリア一帯に広がるイタリアを代表する世界遺産。最大の魅力は、古代ローマを建国したとされる紀元前753年から、帝国へと伸し上がり「ローマの平和(パクス・ロマーナ)」と称される時代を築いた変遷が見て取れること。イタリアの歴史ドラマが繰り広げられた世界遺産を歩くと、世界最古や世界最大といわれる建造物が続々と登場します。

出典:Atibordee Kongprepan

歴史地区には、市民生活の中心地だったフォロ・ロマーノや熱き剣闘士の命を懸けた戦いで沸いたコロッセオ、1600人が収容できた公衆浴場のカラカラ浴場など、必見の世界遺産が目白押し。サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂やサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂、そこから約4km南西にあるサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂など見どころだらけの世界遺産へぜひゆっくり訪れてみてください。

3.レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院(1980年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

イタリアのミラノには、レオナルド・ダ・ヴィンチが1495~1497年に描いた『最後の晩餐』があります。『最後の晩餐』は、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にあるドメニコ会修道院の食堂の壁に描かれた壁画。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会と修道院共に世界遺産となっています。

壁画はフレスコ画が一般的ですが、ダ・ヴィンチはテンペラ画の技法と一点透視図法でこの壁画を描きました。「この中に私を裏切るものがいる」とキリストが最後の晩餐で予言し、それを聞いた12人の弟子たちの驚きと動揺を立体的に捉えることができます。テンペラ画は高温と湿気に弱い技法のため、1977~1999年にかけて修復され復活しました。

『最後の晩餐』を見学するには、インターネットで事前に申し込むか、ツアーを利用しましょう。

出典:Davide Oliva

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会から南へ歩いて5分ほどの場所に「レオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館」があります。地下鉄を利用すれば一緒に徒歩で観光できますよ。

4.フィレンツェ歴史地区(1982年:文化遺産)

出典:scaliger / PIXTA(ピクスタ)

今もルネッサンスの華やかさを色濃く残す「花の都」フィレンツェの歴史地区もイタリアの世界遺産。街全体が芸術で溢れ、「屋根のない美術館」と称されるほどの美しさを誇っています。馬の蹄の音が今にも聞こえそうな石畳の細い道や、レンガ色の屋根を持つ白壁など、繊細で女性的な雰囲気を体感できます。

14~16世紀にかけて、古代ギリシャ・ローマ文化を手本とするルネッサンスが、金融財閥のメディチ家の強大な力によりフィレンツェを中心にイタリアを始めヨーロッパ各地で花開きました。ミケランジェロやダ・ヴィンチなども、天才としてイタリアで実力を発揮。メディチ家の最後の子孫が、財産はフィレンツェのものと遺言をし政府に寄贈しました。世界遺産の歴史地区にあるウフィツィ美術館では、メディチ家歴代の美術コレクションを見ることができます。

5.ヴェネツィアとその潟(1987年:文化遺産)

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イタリアの「水の都」と称されるヴェネツィアは、世界文化遺産の登録基準6項目を完全に満たした地として世界遺産に登録されています。ヴェネツィアは泥土に杭を打ち耐水性に優れたイストリア石という石を積むという方法で、都市の基盤を築いているのが特徴。5世紀にアドリア海の干潟に築かれ、商工業や貿易の拠点となりました。同盟を結んで勢力を広げたり、独立を繰り返したりと波乱万丈な歴史を辿った世界遺産です。

ビザンツ、ロマネスク、ゴシック様式やイスラム文化も影響した街です。150ほどの運河と400を超えるともいわれる橋で繋がれた美しい景色は、イタリアの中でも魅力的。この地に憧れ、世界中から多くの観光客が訪れています。

出典:sborisov / PIXTA(ピクスタ)

世界で最も美しいとナポレオンが称えたサン・マルコ広場や、橋にお店が並んでいる賑やかなリアルト橋をはじめ、大運河沿いに佇むさまざまな様式の建物が美しいイタリアでも人気の世界遺産です。

6.ピサのドゥオモ広場(1987年:文化遺産)

出典:Thomas Duesing

イタリアで「斜塔の街」として有名なピサには、緑あふれる世界遺産のドゥオーモ広場があります。

まず目を奪われるのは、やはり世界的に有名なピザの斜塔!ピサの斜塔は、ピサで生まれた建築家ボナンノ・ピサーノ氏が設計したと言われていますが、諸説ありはっきりとしていません。ピザの斜塔は大理石で造られた8階建ての鐘楼で、上ることも可能。らせん階段を上った先には、イタリアのピサらしいパノラマの絶景が広がっています。

ピサ・ロマネスクの最高傑作ともいわれるてドゥオモは、列柱の並ぶ白大理石の大伽藍が美しい大聖堂。緑の芝生に癒されるドゥオモ広場には、ドゥオモのほか、鐘楼であるピサの斜塔、洗礼堂、墓所回廊などの歴史的建築群があり、この世界遺産の美しさをカメラに収めようと観光客が集まっています。イタリアの世界遺産のひとつ、ピサのドゥオーモ広場に訪れてみませんか?

7.サン・ジミニャーノ歴史地区(1990年:文化遺産)

出典:Cédric Liénart

サン・ジミニャーノ歴史地区は、イタリアで世界遺産が多い都市トスカーナでも、観光客の注目が高まっている世界遺産です。かつて貴族たちの見え張り合戦で建てた72本もの塔があったことから「美しい塔の町」と呼ばれました。今でもこの世界遺産には14本の塔が残っています。

石畳のサン・ジョヴァンニ通りを進むと、そこは城壁に囲まれた世界遺産の歴史地区です。イタリアでも有名な商業や貿易で栄えた中世の面影を残した中世の町並みはとっても魅力的。ローマを巡礼した時の主要街道沿いにあり、宿場町としても栄えた町。7本の塔に囲まれたドゥオーモ広場は壮観で、近くの城砦跡からは14本の塔を一望できます。美味しいジェラートのお店もありますよ。

8.マテーラの洞窟住居(1993年:文化遺産)

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「マテーラの洞窟住居」は、上へ上へと重なり合うように洞窟住居が造られている、南イタリアにある世界遺産。グラヴィーナ渓谷に凝灰岩の岩盤に彫られた3000~4000ともいわれる洞窟住居「サッシ」が何層にも重なる姿は壮観です。サッシというのは岩々という意味のイタリア語。世界遺産になるのにふさわしいイタリアでも珍しい風景が広がっています。

下の家の屋根が上の家の床になっていて、夏は涼しく冬は暖かいことが特徴。水を供給する仕組みや文化的に優れていることが再認識され世界遺産となったスポットです。イスラムの迫害から逃れたキリスト教信者たちが作った歴史を象徴する聖堂も見どころ。内壁にはビザンチン様式のフレスコ画が描かれています。

9.ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオ様式の邸宅群(1994年・1996年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

イタリアルネッサンスの天才的建築家アンドレア・パッラーディオが造った宮殿が点在する世界遺産です。ヴィチェンツァは15~18世紀にヴェネツィア共和国の統治下で繁栄した街。歩いてみると、中世から富裕な市民が住んでいたことを実感できます。この世界遺産からは「ヴェネツィアに負けてなるものか」と建築家のパッラーディオやその弟子たちが、宮殿造りに力を入れていたということが自ずと見えてくるようです。

古典的ローマ建築様式や正面に列柱を取り入れたスタイルは、パラディアン様式といわれるイタリアでも美しい歴史的建物景観。宮殿邸宅はもとより、バシリカ・パッラディアーナやオリンピコ劇場などは必見です。イタリアでもルネッサンス期の優雅さと上品な宮殿群を誇る世界遺産の街、ヴィチェンツァを訪れてその魅力に触れてみてください。

10.シエナ歴史地区(1995年:文化遺産)

出典:Pug Girl

かつてフィレンツェとトスカーナの覇権争いを繰り広げると共に、都市計画にも力を注いだシエナ。このシエナの歴史地区もイタリアの世界遺産となっています。

町の中心に位置するのは、ガイアの泉があるカンポ広場。貝のようにスロープがある扇形の「世界一美しい広場」とも称されるカンポ広場は、コントラーダといわれる地区対抗の伝統競馬「パリオ」が開催されることで知られています。通りにはフクロウやワシなど地区ごとの旗が掲げられ、街を上げて盛り上がるんですよ。

出典:Cyril Doussin

シエナのドゥオモは、美しいゴシック様式の大聖堂。その付属美術館や、シエナ派絵画の集大成ともいうべき国立絵画館も見どころです。

カンポ広場の東側にあるレンガ造りの鐘楼「マンジャの塔」から見下ろす世界遺産都市シエーナの景色は、言葉を失うほど美しい光景。全てが石造りで壮麗な街が丸ごと世界遺産のシエナは、イタリアに来たら立ち寄りたい観光地のひとつです。

11.ナポリ歴史地区(1995年:文化遺産)

出典:pixabay.com

ナポリはイタリア南部、紺碧のナポリ湾とヴェスヴィオ火山を望む丘陵に広がる、紀元前470年にギリシャの植民地として栄えた都市。イタリアンのナポリピザでも有名な町です。

古代ローマ帝国から始まったナポリの街並みは、世界遺産に選ばれるだけあって歴史と魅力に溢れています。サンタルチア港の小島にある卵城やナポリの歴史を担った王宮、凱旋門とされるヌオーヴォ城など見どころが多い世界遺産。イタリアナポリの下町情緒とフランスやスペインの文化が香る歴史地区は必見です。

出典:ja.wikipedia.org

「ナポリを見てから死ね 」と謳われる美しいナポリ港の景色と数多い世界遺産の建物、世界三大夜景にも選ばれた夜景など、世界遺産の街を堪能してくださいね。

12.クレスピ・ダッダ(1995年:文化遺産)

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18世紀末にイギリスで端を発した産業革命は、イタリアへも広がり「クレスピ・ダッダ」という素晴らしい世界遺産の街を造りました。クレスピ・ダッダというのは、啓蒙的企業家のクリストフォロ・ベニーニョ・クレスピが自分の工場で働く労働者とその家族のために造ったカンパニー・タウン。イタリア北部、ミラノとベルガモの間にあるアッダ川沿いにあります。

他のイタリアの世界遺産とは違った雰囲気が漂っていて、労働者にとっては夢のユートピアともいえる美しい景観は癒やされる気持ちになれますよ。

幾何学的に造られたコムーネには、住宅の他にも学校や病院、教会や墓地まで完備。現在でも工場跡や建物が残り、当時のままの風景を見ることができるイタリアの世界遺産となっています。

13.フェッラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯(1995年・1999年:文化遺産)

出典:Fredrik Rubensson

フェラーラがあるのは、ヴェネツィアとフィレンツェの中間あたり。エステ家によって整備されたルネッサンス期の市街地も、イタリアの世界遺産になっています。

ポー川南部の支流にあり、イタリアフェラーラでのルネッサンス文化の中心となりました。14~16世紀にエステ家がパトロンとなり育てた、ピエロ・デッラ・フランチェスカやアンドレア・マンテーニャなどが活躍し整備拡張された美しい街並みが広がっています。

この世界遺産の見どころは、計算された都市計画をもとに造られた人工的な美しさ。遠近法が取り入れており、広い通りから建物を眺めると奥行きが感じられる不思議な感覚にとらわれます。赤レンガの建物が建ち並ぶルネッサンスの整然とした街並みも魅力。ルネッサンス的理想都市を実現した、イタリアの世界遺産ならではの景観です。

14.カステル・デル・モンテ(1996年:文化遺産)

出典:pixabay.com

イタリアの世界遺産には、八角形の面白い形をした城も登録されています。「カステル・デル・モンテ(デルモンテ城)」は、13世紀の十字軍時代にトルコとの戦いに備えて、南イタリアを統治していたフリードリヒ2世によって建てられた城。十字軍という宗教上の問題だけでなく、地中海を巡る商業的覇権争いの狙いという重要な役割を担っていた世界遺産です。

出典:Daniele Testa

当時プーリアの海辺には200ほどの城が造られました。その中でもこの城だけが、八角形。黄褐色の石で建造されたルネッサンス的シンメトリーな美しさは必見です。イタリアの硬貨1ユーロセントの裏側にも描かれているので、1ユーロセントを持ってこの世界遺産に訪れてみてはいかがでしょう。

15.アルベロベッロのトゥルッリ(1996年:文化遺産)

出典:Pug Girl

イタリア南東部に位置するアルベロベッロは、イタリアでも有名な世界遺産の街。とんがり屋根の可愛らしい家「トゥルッリ」が建ち並ぶ、まるでおとぎ話に迷い込んだような街並みそのものが世界遺産になっています。

トゥルッリはイタリア南部のプーリア州だけに見られる円形住宅。先史時代から伝わる建築方法で、壁は石灰岩の切石を積み重ねて周りを白漆喰で固め、屋根は平らな石を積んだ簡素なもの。漆喰で装飾された屋根を持つ家には課税され、役人が来ると屋根を外して家ではないと主張したと伝わっています。トゥルッリが節税のために造られたという歴史も、興味深い世界遺産のエピソードですね。

現在も1000軒ほどのトゥルッリには住民が実際に住んでいて、トゥルッリのお土産屋さんやレストランもあります。夜景もステキなので、イタリア観光の際にはぜひアルベロベッロで泊まってみませんか。雨上がりの夜景も、しっとり濡れた石畳がキラキラしておすすめですよ。

16.ラヴェンナの初期キリスト教建築物群(1996年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」は、ヴェネツィアの南に位置するラヴェンナの、歴史と芸術的技術の高さを誇る世界遺産です。

アドリア海に面し、西ローマ帝国の首都だった歴史を持つラヴェンナは、6世紀に東ローマ帝国(ビザンチン)の支配下でイタリアの中心都市となりました。この時代に色ガラス片を埋めたラヴェンナ独特のモザイク技術が完成。そのモザイクで彩られた初期キリスト教建築が残っています。

外観はいたってシンプルですが、一歩中に入ると、そこは華やかに彩られたビザンチン・モザイクの美しさが魅力的な世界遺産です。この世界遺産はイタリアをはじめ、国外からもビザンチン様式の色鮮やかなモザイクが見られる地として注目を集めています。

17.ピエンツァ市街の歴史地区(1996年:文化遺産)

出典:Glen Bowman

ピエンツァはイタリア中西部、トスカーナ州の街。現在も残るピエンツァ市街の歴史地区が世界遺産になっています。

ローマ法王ピウス2世は自分の故郷をルネッサンスの理想的な街にすべく、建築家ベルナルド・ロッセリーノの命じてルネッサンス様式の教会や宮殿、大聖堂などを造らせました。世界遺産として登録されている歴史的建造物を観光するとともに、高台にあるピエンツァ市街地からの眺望も楽しんでくださいね。

18.カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョ邸宅群(1997年:文化遺産)

出典:en.wikipedia.org

広大な緑の中に宮殿と水の饗宴が美しい世界遺産です。1752年にフランスのベルサイユ宮殿をモデルに造られた宮殿は、「イタリアのベルサイユ」と称されています。1200もの部屋を持つ壮大な18世紀の建築様式と美しい庭園を伝えるものとして、世界遺産に登録されました。

当時の贅を尽くして施された装飾は必見。クーポラのバルコニーではかつて王や賓客たちにより音楽の演奏会が開かれたというイタリア貴族たちの暮らしぶりも垣間見られます。

宮殿から3kmも続く壮麗な庭園は、豪快な大滝や壮麗な彫刻を施した泉もあり、遊歩道を散歩するだけでもイタリアの雰囲気を感じられます。イタリア好きの日本人でも馴染みの少ない世界遺産ですが、ナポリから近いので訪れてみてはいかがでしょう。

19.サヴォイア王家の王宮群(1997年:文化遺産)

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16世紀末にイタリアのトリノがサヴォイア公国の首都となり、市内中心部からカステッロ広場やその周辺地区にたくさんの宮殿や庭園などが造られました。この世界遺産は優雅な宮殿としてだけでなく、要塞としての機能も持っています。当時の実力派の建築家たちが手掛けた歴史的建築物は、イタリア統一後にイタリア王となったサヴォイア家の栄華を語るものとして世界遺産に登録されました。

王宮とその庭園やマダマ宮殿、カッチャ宮殿、ストゥピニージ宮殿など22件の建築物は、どれも壮大かつ豪華で人を惹きつける魅力にあふれています。イタリアを統一し、首都をトリノに定め統治したサヴォイア家の凄さを誇る世界遺産へ訪れてみませんか。

20.パドヴァの植物園(1997年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

1545年に造られたイタリアにある、世界最古といわれるパドヴァ大学大学付属の植物園。イタリアではボローニャ大学に次いで2番目に古いパドヴァ大学が、研究のために造った植物園が世界遺産として登録されています。

創設当時に造られた庭園や1585年に植えられた園内最古のヤシの木も残っています。ヨーロッパで初めてヒマワリの花を開花させ、イタリアで初めてジャガイモの栽培をしたことでも知られ、現在も植物・医学・薬学の研究などの役割を担う施設。園内のガイドツアーにも参加することができます。イタリアの世界遺産になった植物園を心ゆくまで満喫してください。

21.ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレ及び小島群(1997年:文化遺産)

出典:Bev Sykes

イタリアの北西部、リグーリア海沿岸にあるポルトヴェーネレ~チンクエ・テッレ間の断崖と、周辺の小島郡(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)が合わせて世界遺産に登録されています。

ポルトヴェーネレは、サン・ピエトロ聖堂がある絶景の町です。チンクエ・テッレとはイタリア語で「5つの土地」を表す言葉で、モンテロッソ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオ・マッジョーレという5つの村の総称。11世紀ごろの要塞として築かれた歴史を持っています。

この村々へ行く方法は船のみ。陸の孤島だったこの島の人々は、厳しい自然環境を克服しながら暮らしてきました。村落によって文化もさまざまで、独特の暮らしぶりを垣間見るのに最適な世界遺産。心地よい海風に吹かれながら、イタリアの小さな村落の日常を垣間見られる世界遺産も良いものですよ。

22.モデナの大聖堂、トッレ・チヴィカ及びグランデ広場(1997年:文化遺産)

出典:Pug Girl

イタリアモデナにある、大聖堂、市民の塔、グランデ広場が世界遺産に登録され、中世イタリアの自由都市の発展を伝えています。大聖堂は、1099年にイタリアが誇る建築家ランフランコと彫刻家ヴィリジェルモによって建設が始まり、12世紀に完成したヨーロッパを代表する初期ロマネスク建築。12世紀初期の最高傑作と称される世界遺産です。

大聖堂の壁面には、ロマネスク独特のユーモラスなレリーフが描かれています。『創世記』が物語調で描かれた扉上部のレリーフも見逃せません。市民の塔は、大聖堂の隣にそびえるモデナのランドマーク。1179年に完成した高さ約87mの大理石で作られた鐘楼で、「ギルランディーナの塔」とも呼ばれています。この世界遺産の塔からの見晴らしは最高ですよ。

23.ポンペイ、エルコラーノ及びトッレ・アヌンツィアータの 遺跡地域(1997年:文化遺産)

出典:pixabay.com

イタリアの裕福な商業都市ポンペイが、ヴェスヴィオ火山の大噴火により、たった19時間で死の灰になったことは、映画になるほど有名な現実です。一瞬にして灰に埋もれたため、街すべてがそのまま残されており、イタリアの世界遺産として登録されました。

出典:ho visto nina volare

かつてリゾート地だったエルコラーノ遺跡は保存状態が良く、裕福な商人の邸宅にはモザイク画や落書きまで残り、まるで1世紀にタイムトリップしたような気分を味わえます。イタリアで本当に起こった大噴火により、一瞬にして消えた世界遺産の古代都市に足を運んでみませんか?

24.アマルフィ海岸(1997年:文化遺産)

出典:Chuca Cimas

アマルフィ海岸は、イタリア南部にある宝石のような中世の海洋国であり、美しい海岸が続くことで有名な世界遺産。イタリアのソレントからサレルノに渡る地中海に面した約40kmの海岸線は変化に富み、青い空と紺碧の海の輝きが言葉にならないほどの絶景。映画のタイトルにもなったことから日本でも知られ、人気が高まった世界遺産です。

世界遺産の海岸線は「世界で一番美しい海岸線の一つ」とされる高級リゾートとなっており、美しい海や断崖絶壁に建つ芸術作品ともいえる家々の風景は必見!この美しさを象徴する伝説もいろいろ生まれている世界遺産です。カーブが続く狭い断崖沿いの道をドライブすると、絶叫マシーンのようなスリルも体感できますよ。

25.アグリジェントの遺跡地域(1997年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

ギリシャの大叙情詩人ピンダロスが「世界で最も美しい」と称えたことで有名なイタリアシチリア島にある小さな街アグリジェント。約1kmに渡ってドーリア式の古代神殿が20ほど残る「神殿の谷」はイタリアでも名高い観光名所で、世界遺産に登録されています。

中でも、34基の円柱がほぼ完璧な形で残る「コンコルディア神殿」は、アグリジェントのシンボル。保存状態が良く、アテネの世界遺産パルテノン神殿に次ぐ完全なものといわれています。アグリジェントの遺跡地域は見どころ豊富なイタリア古代遺跡が見応えのある世界遺産です。

26.ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ(1997年:文化遺産)

出典:Jos Dielis

シチリア中部のピアッツァ・アルメリーナにある「ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ」は、1997年に登録されたイタリアの世界遺産。ローマ帝政時代に地元の大貴族が田園に建てた贅を尽くした別荘跡です。

ここが世界遺産に登録された大きな理由は、古代ローマ最大ともいわれる、床に描かれた大変素晴らしいモザイク画。40を超える部屋と回廊で観ることができるモザイク画は大規模で質が高く、教科書に掲載されるほど見応えがあります。

出典:John McLinden

北アフリカの影響を受けたモザイク画には、動物やギリシャ神話の描写、ビキニ姿の女性などが描かれている芸術的価値の高いものです。また、建物に残っている柱にも彫刻が施されているなど、至るところに手が掛けられているので見逃さないように。

またここは別荘としてだけでなく、役所の機能など公的な役割を果たしていたとも考えられています。古代ロマンが広がるイタリアの世界遺産は、想像力を搔き立ててくれますよ。

27.スー・ヌラージ・ディ・バルーミニ(1997年:文化遺産)

出典:commons.wikimedia.org

イタリアのサルデーニャ島にある世界遺産「スー・ヌラージ・ディ・バルーミニ」は、先史時代の考古遺跡です。紀元前1000年代に文明が栄え、丘の上など高い位置に、巨石を積み上げた島独特の要塞が造られているのが特徴。ヌラーゲといわれる円錐の塔遺跡が7000ほども残っています。

ガイド付きツアーを利用すると見学が可能で、ルート最後の見晴らし台からは緩やかに広がる緑やヌラーゲなどを見渡せます。かなり進んだ文明であったと考えられているイタリアの古代ロマン溢れる世界遺産に訪れて、想像を巡らせるのも素敵ですね。

28.アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカ(1998年:文化遺産)

出典:stefano Merli

イタリアの最北東にあるアクイレイアは、紀元前181年にアドリア海の側に古代ローマ人の植民地として建設された街。ローマ帝国で4番目に建設された商業都市で、栄えていた時代を彷彿させる世界遺産です。ローマ帝政初期には大司教が置かれ、人口は20万人にも達し「第2のローマ」と呼ばれるほどになりましたが、5世紀にフン族によって破壊されてしまいました。

出典:commons.wikimedia.org

この世界遺産の最大の見どころは、総主教聖堂バシリカの床モザイク。これが4世紀に造られたもの?と目を疑うようなモザイクには感動すら覚えます。

総主教聖堂バシリカを訪れると、かつて、東方やヨーロッパの琥珀流通の中継地としても、当時のイタリアにおけるキリスト教伝道の地としても重要な場所だったということを感じます。フォロ・ロマーノといわれる紀元前1世紀の建物も再建された、ローマ時代の郷愁をそそるイタリアの世界遺産ですよ。

29.ウルビーノ歴史地区(1998年:文化遺産)

出典:Gareth Williams

ウルビーノはイタリア中部のマルケ地方にある古都。巨匠ラファエロや、ルネッサンスの偉大な建築家ブラマンテを輩出し、15世紀には芸術文化の中心地として栄えました。フェデリコの時代には学芸保護政策の下、イタリアやヨーロッパ各地から芸術家などが集まった地であり、この世界遺産は今もルネッサンスが花開いた面影を残しています。

モンテフェルトロの宮廷だったドゥカーレ宮殿が、世界遺産の歴史地区最大の見どころ。2本の円柱の塔が印象的で、ルネッサンス様式の中にゴシックの名残も見られます。内部は国立マルケ美術館となっており、ラファエロやルネッサンス期のイタリアの巨匠が描いた作品などを展示。

ウルビーノにはラファエロの生家もあります。ルネッサンスが花開いた都市を体感できる世界遺産にもぜひ訪れてみてください。

30.パエストゥムとヴェリアの古代遺跡群を含むチレントとディアノ渓谷国立公園とパドゥーラのカルトゥジオ修道院(1998年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

イタリアカンパ―ニア州、チレントとディアノ渓谷国立公園の、広大な一帯が世界遺産に登録されています。

紀元前6世紀に造られたパエストゥムという遺跡には、ケレス神殿・ポセイドン神殿・バシリカという3つのギリシャ神殿、城壁、公衆浴場跡などが残っています。ここは自然と遺跡がうまく融合した景観に特徴を持つ世界遺産。散策すると、南イタリア特有の長閑さと古代遺産のロマンに触れることができます。

国立考古博物館には遺跡から発掘された品々が展示され、石棺内部に描かれた紀元前5世紀の貴重なフレスコ画なども保存されています。

出典:it.wikipedia.org

ディアノ渓谷の麓には、14~18世紀頃に建てられた南イタリア最大の規模を誇る、カルトゥジオ修道院があります。サン・ロレンツォ修道院とも呼ばれるバロック様式の立派な修道院で、84の柱がある回廊は世界最大といわれ、必見です!

31.ヴィッラ・アドリアーナ(1999年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

映画『テルマエ・ロマエ』にも登場したローマ皇帝ハドリアヌス2世が建てた広大な別荘跡です。ハドリアヌス2世は、世界遺産に登録されている建築物を各地に数多く残した皇帝で、イタリアのティヴォリにある世界遺産「ヴィッラ・アドリアーナ(ティヴォリ)」もそのひとつ。

別荘といえども、城壁が兵舎や3つの公衆浴場、劇場、いくつかの宮殿を囲うという豪華さ。ローマ皇帝最盛期の栄華を誇る最高傑作ともいわれています。丘陵の上にあるかつて保養地として使われた世界遺産で、穏やかなイタリアの風を感じてみてください。

32.エオリア諸島(2000年:自然遺産)

出典:gnoma / PIXTA(ピクスタ)

エオリア諸島はシチリア島の北、ティレニア海に浮かぶ7つの火山島を主とする島々。地球における歴史上の主要な段階を示す顕著な見本として、2000年に世界遺産(自然遺産)登録されました。

リパリ島は、エオリア諸島の中心に位置する最も大きい島。ホテルやレストランもあり、エオリア観光の拠点となっています。

出典:justinknabb

リパリ島の南、シチリア島に一番近いヴルカーノ島は4つの火山がある3番目に大きな島。「vulcano(火山)」の語源になった島として知られています。

1890年頃から大きな噴火はなく小康状態を続けていますが、硫黄臭が漂っていて、いかにも火山島といった雰囲気。天然の泥パックも楽しめる泥温泉や、海底から温泉が湧き出すほんのり温かい海水浴場もあるので、訪れる際にはぜひ水着を準備しておきましょう。

最北東に位置するストロンボリ島は、現在も噴火を続けている活火山。火山を目的に世界中から多くの観光客が訪れています。代表的な3つの島をご紹介しましたが、エオリア諸島はそれぞれの島で特徴が全く異なっています。地球の息吹を肌で感じることができるとともに、青くきれいな海や野鳥など豊かな自然を満喫できる世界遺産です。

33.ヴェローナ市(2000年:文化遺産)

出典:S. Alexander Gilmour

シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』の舞台として有名なヴェローナは、ローマ時代の遺跡が残る北イタリアの世界遺産。「ジュリエットの家」は人気の観光スポットです。古代ローマ~中世~近世に及ぶ歴史ある赤い屋根の家々がアディジェ川に沿って建つ街並みが美しい世界遺産となっています。

ヴェローナは紀元前89年に古代ローマの植民地として発展。しかし13世紀になると、皇帝派と教皇派が対立し、激しい争いが繰り広げられました。その争いもデッラ・スカラ家の統治下で終わりを告げ、ブラ広場など多くの広場、聖堂など壮麗な建物、ヴェローナの特徴である赤い屋根の家の街並みができました。

出典:ja.wikipedia.org

街の中心部にある円形闘技場やピエトラ橋も当時を顧みられるイタリアの世界遺産。夏の野外オペラの街としても知られているので、夏に訪れるなら野外オペラを堪能し、イタリアらしい観光を楽しみましょう。

34.アッシジ、聖フランチェスコ聖堂と関連遺跡群(2000年:文化遺産)

出典:pixabay.com

イタリア中部のスバジオ山斜面にあるアッシジは、標高約1300mにある小さな町。フランシスコ会を創立した聖フランチェスコ誕生の地として知られる、緑に囲まれた世界遺産です。

サン・フランチェスコ大聖堂は荘厳な雰囲気。上階の教会は明るいのが特徴で、巨匠ジョットによる『聖フランチェスコの生涯』は必見!1枚8畳ともいわれる巨大なフレスコ画28枚で聖フランチェスコの生涯を描いた壁画は圧巻です。また礼拝堂の壁には、イタリアゴシック期の画家シモーネ・マルティーニによる12の壁画『聖マルティーニの生涯』が描かれています。

出典:Bob Hall

オリーブの丘の上から周囲に広がる緑の平野を見下ろす光景が美しいアッシジの街。聖フランチェスコが説いた教えと後世の基礎とされた宗教建築物が素晴らしい、巡礼地としても有名なイタリアの世界遺産です。

35.ティヴォリのエステ家別荘(2001年:文化遺産)

出典:commons.wikimedia.org

「ティヴォリのエステ家別荘」は、ローマの近郊にあるベネディクト会の修道院を別荘に改築した建物。後期ルネサンス期の代表的な噴水庭園が有名な世界遺産です。

この世界遺産を代表するオルガンの噴水やローマの名所をミニチュアにしたロメッタの噴水など、緑がいっぱいの庭園には大小さまざまな噴水が500以上も造られていて、イタリア随一の美しさといわれています。特に夏の夜はライトアップされ、庭園一帯が幻想的な雰囲気に包まれます。

この周辺は、かつてイタリアでも上流階級の高級保養地として、ローマの皇帝や貴族たちがこぞって別荘を建てていました。別荘内もフレスコ画や美しい家具を展示しているので合わせて観光してみてはいかがでしょう。イタリアの癒やしの風を感じ、美しい噴水を見ながら散策するのに最高の世界遺産です。

36.ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々(2002年:文化遺産)

出典:commons.wikimedia.org

シチリア島の南東部に位置するバロック様式の8つの町が、「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」という名称で世界遺産に登録されています。

世界遺産の対象となっているのは、ノート、ミリテッロ・イン・ヴァル・ディ・カターニア、カターニア、ラグーサ、カルタジローネ、モディカ、パラッツォーロ・アクレイデ、シクリの8町。1693年の大地震で壊滅状態となりましたが、後期バロック様式の都市計画に基づき再生。18世紀には建築・芸術において素晴らしい街並みが再建されました。

教会や貴族の邸宅、彫刻など見どころが多く、バロック様式の町はとても魅力的なイタリアの世界遺産に生まれ変わっています。その美しい景観はイタリア人をはじめ、訪れる人々を魅了してやみません。

37.ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ(2003年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

15~16世紀にかけて、北イタリアのピエモンテ州とロンバルディア州周辺に、多くの聖堂や礼拝堂が建てられました。これらが「サクリ・モンティ(聖なる山)」と呼ばれる世界遺産です。

実はこの頃、キリスト教の聖地でもあったエルサレムはイスラム勢力下にあり、巡礼ができませんでした。そのため、エルサレムへの聖地巡礼の代わりとするためにサクリ・モンティが造営されたのです。1480年頃のヴァラッロから始まり、全部で8つのコムーネと呼ばれる小さな町々にサクリ・モンティが造られました。

イタリアの壮大な自然の中に静かに佇む宗教建築物は、周辺の湖、丘、森林との調和が美しく神秘的な噴気に包まれています。教会、噴水、井戸なども備わっており、建物内部の宗教画や彫像なども必見。イタリアでも巡礼地として人気の世界遺産となっています。

38.ヴァル・ドルチャ(2004年:文化遺産)

出典:Yann Cœuru

幾重にも重なる緩やかな丘には糸杉が並び、これぞイタリアトスカーナといわせるほど美しい地があります。ここが、まるで絵画のような美しい景色が見られるとイタリアでも人気の世界遺産のひとつ、ヴァル・ドルチャです。中世に造られた町と田園風景など、ルネサンス時代の芸術家たちに愛された風景が広がっています。

この地はかつて、土地が痩せており作物が育つ環境ではありませんでした。フィレンツェの覇権争いをした都市国家で、シエナの領土となった時から土壌改良が始まり、葡萄やオリーブを栽培。これらの美しさを残そうと保護され、世界遺産となりました。ぜひ、清々しい風が流れるイタリアの世界遺産に訪れて、人の力で作られた美しい景観に癒やされるひとときをお過ごしください。

39.チェルヴェテリとタルキニアのエトルリア古代都市群(2004年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

イタリア半島中西部にある、地中海最大を誇る墓地遺跡の世界遺産です。エトルリアは紀元前9年~紀元前1世紀ごろに交易で栄えた都市国家。高度な文明を持ち、葬祭芸術にも優れていました。2004年に、チェルヴェーテリ近郊のバンディタッチャ遺跡とタルクイーニア近郊のモンテロッツィ遺跡を対象に文化遺産として登録。エトルリア人が残した「ネクロポリス(死者の街)」呼ばれるイタリアの世界遺産です。

バンディタッチャ遺跡は、小高い丘の上にある総面積400万平方メートルにも及ぶ敷地に、約1200基といわれる墓が点在。これは紀元前約9年~紀元前1年の約800年にわたって造られた有力者の墓です。立方体上の墳丘と円形状の墳丘には2つの様式が見られ、内部には玄室、羨道など幾つかの部屋があります。紀元前4世紀ごろのレリーフとフレスコ画、薄浮き彫りが見どころ。

モンテロッツィ遺跡には6000以上の墓が見つかっています。2つともイタリアの墓地遺跡群を代表する世界遺産で、フレスコ画が描かれているなど魅力的です。エトルリア人が残した文化遺跡へ訪れてみてください。

40.シラクーザとパンタリカの岩壁墓地遺跡(2005年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

「シラクーザとパンタリカの岩壁墓地遺跡」は、シチリア島南東部に位置する地中海文明の歴史的な世界遺産です。シラクーザは、紀元前8世紀ごろにギリシア人の植民地として始まりました。アルキメデスの故郷であるとともに、太宰治の小説『走れメロス』の舞台となった町として有名です。

シラクーザはアポロ神殿やアレトゥーサの泉、円形ギリシア劇場、円形闘技場などの古代遺跡が残る世界遺産。その一方で、現在はホテルやレストランも多い世界中から観光客が訪れるリゾート地になっています。ドゥオーモ広場では、教会に改築されたアポロ神殿跡が残るドゥオーモや、サンタ・ルチア聖堂など見どころがたくさんあります。周辺にはレストランもあるので、ぜひゆっくり回ってみてください。

出典:commons.wikimedia.org

シラクーザの西内陸部にあるパンタリカは、原始時代におけるシチリア島の中心地として繁栄した趣が感じられる場所。共同墓地遺跡には、岩肌に洞窟のように彫られた墓が5000以上も残る独特な光景を観ることができます。ぜひイタリアが誇る世界遺産へ訪れて、地中海文明の歩みを体で感じてくださいね。

41.ジェノヴァのレ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ(2006年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

イタリア半島付け根の西側、リグリア海に面したジェノバは、金融や商業で繁栄した都市。「ストラーデ・ヌオーヴェ(新しい通り)」と「パラッツィ・デイ・ロッリ(登録された邸宅群)」が世界遺産に登録されています。

パラッツィ・デイ・ロッリは、ジェノヴァ商人が貴族となって築き上げた豪華絢爛な40以上の大邸宅。ルネサンスが花開いたイタリアでもこれほどの邸宅群が残るのはこの世界遺産くらいでしょう。この地では、貴族たちが造り上げたユニークな宿泊施設に関する制度にも触れることができます。イタリア最大の港街ジェノヴァが、中世まで海洋国家として繁栄し、16世紀からは金融都市へと変貌した軌跡が垣間見られるようです。

42.マントヴァとサッビオネータ(2008年:文化遺産)

出典:Pedro

イタリア北部ロンバルディア州、マントヴァとサッビオネータという2つの都市の歴史的な素敵な町並みが、2008年に世界遺産に登録されています。古代ローマ時代からの古い歴史を持つこれらの町は、バロック期やルネッサンス期を通してゴンザーガ家により拡張され発展しました。2つの町全体が、優れた都市計画と当時最先端であった建築技術を今に伝えている世界遺産です。

スペリーオール湖ほとりのマントヴァでは、イタリア・ルネッサンス期の建造物群が世界遺産登録されています。ドゥカーレ宮殿の内部は美術館になっており、部屋ごとに美しいフレスコ画や絵画を見学できます。

出典:xiquinhosilva

サッビオネータは、ヘキサグラムという6角の星形をした城壁に囲まれているのが特徴の町。マントヴァから約30kmほど南西に位置しています。ドゥカーレ宮殿や庭園、インコロナータ聖堂、古代劇場などが見どころで、イタリアらしい都市景観が魅力的です。

43.レーティシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観(2008年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

スイスとイタリアが共有する、国境を越える世界遺産です。スイスのグラウビュンデン州からイタリアのロンバルディア州ソンドリオ県を駆け抜けるレーティッシュ鉄道は、スイス最大の私鉄で100年の歴史を持っています。アルプスの大自然を破壊することなく建設された鉄道技術と列車から見える美しい景観が評価され、世界遺産に登録されました。

レーティシュ鉄道は、赤い車体が印象的。スイスのラントヴァッサー橋など、撮影スポットの通過時には徐行してくれるので、素敵な写真がいっぱい撮れますよ。

出典:モリゾ / PIXTA(ピクスタ)

ベルニナ線ではアルプス最高峰のピッツ・ベルニナや氷河などを間近に見ることができ、ビアンコ湖の沿岸も走ります。ヨーロッパ最高の高さにあるオスピツィオ・ベルニナ駅から、ブルージオのループ橋を走ってイタリアのティラーノまで続いています。

レーティシュ鉄道の山を駆け抜ける鉄道技術は、日本の箱根登山鉄道もモデルとなりました。歴史と伝統を誇り、氷河やアルプスの村の景色を満喫できる世界遺産レーティシュ鉄道に乗って、スイスからイタリアまでの列車の旅を楽しんでくださいね。

44.ドロミーティ(2009年:自然遺産)

出典:pixabay.com

イタリア北東部、3000m級の山々が連なるドロミーティ山脈もイタリアの世界遺産。日本では「ドロミテ」という名称で人気のある観光地です。

世界遺産に指定されている9地域には、尖塔のように突き出た尖峰や岩壁、氷河やカルスト系の地盤などの美しい景観はヨーロッパ有数の景勝地です。赤茶色の荒々しい岩肌が特徴で、ロープウェイやリフトからはオーストリアのアルプスまで望めます。

出典:ja.wikipedia.org

カレッツァ湖や、「ドロミーティの真珠」と称されるミズリーナ湖など、山々が取り囲む中キラキラ輝く湖も絶景!優美なスイスのアルプスとまた違った力強いドロミーティを訪れ、イタリアの世界自然遺産をトレッキングしてみてはいかがでしょう。

45.サン・ジョルジオ山(2010年:自然遺産)

出典:it.wikipedia.org

スイスとイタリアが共有する自然遺産であるサン・ジョルジオ山は、ルガーノ湖南部にせり出すように存在する海抜1096mの山。世界でも珍しい爬虫類や魚類、恐竜の化石などが10000以上も発見されています。約2億5000万年前からの歴史を研究できる場として重要なことから世界遺登録されました。

サン・ジョルジオ山にはハイキングコースが整備されています。4時間ほどかけて登る本格的なコースから、2時間程度で気軽に登れるコースまであるので、化石を探しながら登るのもおすすめ。周囲の景色も世界遺産に匹敵するほどの美しさですよ。

46.イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡 (568-774年)(2011年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

イタリア国内に7か所あるロンゴバルド族の遺跡群を対象とした世界遺産です。強力な力を持っていたロンゴバルト王国は、6世紀に北ヨーロッパから侵攻。イタリア半島を拠点に独特の文化を発展させました。774年にカール大帝によって滅ぼされるも、紀元前568年~774年にわたってイタリアを支配したことを象徴している歴史的建造物です。

ローマ建築やカトリック建築、ビザンチン建築、ゲルマン人の各文化が混在する要塞や教会、修道院などがあり、この世界遺産からは、古代から中世への建築様式の変遷を見ることができます。宗教活動を主とした勢力で、中世ヨーロッパのキリストの精神的・文化的な基礎を作ったロンゴバルド族のかつての雄姿を今に伝える世界遺産です。

47.アルプス山系の先史時代杭上住居跡群(2011年:自然遺産)

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アルプス山脈にまたがる6か国(イタリア・オーストリア・フランス・ドイツ・スイス・スロベニア)に分布する世界遺産です。

世界遺産に登録されているのは、紀元前5000年~紀元前500年ごろにわたる、アルプス山脈の湖畔や川辺などの湿地周辺に建設された杭上住居の遺跡群全111か所。イタリアの世界遺産は、北部に点在する19か所が対象です。

6か国の中ではイタリアの杭上住居が最も古く、中でもヴァレーゼ湖畔の家屋は新石器時代に建てられたとされています。湖の上に、杭で建物全体を持ち上げるように建てた高床式が特徴。反乱を避けるためのもので水の中に佇んでいました。この世界遺産は、1853~1854年の大干ばつで発見され、全体の37%は今なお水没し、30%は一部水に浸かっています。

※画像はドイツの杭上住居です

48.トスカーナ地方のメディチ家の邸宅群と庭園群(2013年:文化遺産)

出典:it.wikipedia.org

イタリア中部のフィレンツェ郊外に点在する、メディチ家が建てた12の邸宅と2つの庭園の計14件を対象とした世界遺産です。ルネッサンスが開花したことで有名なフィレンツェらしく、イタリア・ルネッサンスの邸宅と周囲の観光の調和が見事な世界遺産として訪れる人を魅了しています。

イタリアをはじめ近代ヨーロッパの別荘のモデルとなっており、貴族の別荘とは何かを今に伝えています。日本人にはあまり知られていない世界遺産ですが、トスカーナ地方独特の美しい田園風景と栄華を極めた富豪メディチ家の建築物を合わせて味わってみてはいかがでしょう。

49.エトナ山(2013年:自然遺産)

出典:ja.wikipedia.org

イタリアシチリア島にある、標高約3300mのヨーロッパ最大の成層火山で、2013年登録された世界自然遺産です。同年には日本が誇る、富士山も世界文化遺産として登録されました。エトナ山は2700年前には噴火活動が起こっていたと考えられており、約50万年前から今も休むことなく火山活動を続けています。

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火山活動が造った頂上付近のクレーターや250もの溶岩洞窟など、自然の驚異に触れることができます。標高約2000mの中腹には神秘的な氷の洞窟があり、夏でも氷が溶けません。この氷がシャーベットの発祥といわれているんですよ。活火山であるエトナ山ですが、麓には果樹園やブドウ園が広がっています。

50.ピエモンテの葡萄畑の景観:ランゲ・ロエロ・モンフェッラート(2014年:文化遺産)

出典:ja.wikipedia.org

「ピエモンテの葡萄畑の景観」は、2014年にイタリアで50番目の世界遺産として登録されました。イタリア・ピエモンテ州南部のポー川とタナロ川流域は、美味しいワインの産地。ワインの王といわれるバローロやワインの女王バルバレスコなどのイタリアを代表するワインが生産されています。手入れが行き届いた棚がどこまでも続く緩やかな丘の景観は、まさに世界遺産に相応しい絶景ですよ。

周辺で造られるネッピオーロという品種名は「霧のNebbia」という意味で、葡萄の実が霧のような白い粉を吹く様子から名付けられました。早朝に霧に包まれる葡萄畑はとても幻想的。イタリアで紀元前5世紀から続くワイン造りと伝統に触れられる世界遺産です。

51.パレルモのアラブ=ノルマン様式建造物群およびチェファル大聖堂、モンレアーレ大聖堂(2015年:文化遺産)

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2015年に登録された新たなイタリアの世界遺産です。シチリア州北部にあるパレルモは、イタリアの中でも異国情緒が色濃く残る都市。イスラムとビザンチン、ユダヤなど異なる宗教と文化を持ちさまざまな民族が暮らしています。

ヴァイキングの末裔の騎士兄弟が南イタリアを制圧し、その後、弟のルッジェーロ1世がシチリアを占領。そのノルマン王国がシチリアを統治した時代の1130~1194年ごろがこの地が最も栄えた時期で、保存状態の良い9か所の優れた建造物が世界遺産に登録されました。ヴァイキングらしい、さまざまな民族の宗教や文化が花開いたことがわかる世界遺産へ訪れてみてください。

◎まとめ

青い空、輝く太陽と陽気なラテン系のイメージが強いイタリアですが、穏やかな地中海性気候に育まれ、古い歴史と文化に彩られた素敵な観光地です。観光大国のイタリアらしく世界遺産の保有数は世界で一番!ヨーロッパの観光地の中でも、フランスと並ぶほどの人気を誇っています。

5大都市、ポンペイやアルベロベッロなどの世界遺産以外にも、青の洞窟があるカプリ島や天空都市チヴィタ・ディ・バーニョレージョなど見どころが満載です。歴史遺産や景観を有する小さなコムーネなどを称した「イタリアの最も美しい村」も世界遺産と合わせて訪れてみるのもイタリアらしい観光ですね。何度でも訪れたい国、イタリア旅行の参考にしてください。

※2017年11月現在の情報です。

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