東北地方における有数の温泉地、花巻温泉郷。東京駅から東北新幹線で2時間半あまりで到着します。花巻には花巻空港があり、福岡や名古屋、大阪などからのアクセスも抜群です。そして、花巻温泉郷は2020年には大規模なリニューアル工事が様々なホテルで施され、ますます注目を集めています。
そんな花巻温泉郷の中でも豊沢川沿いの温泉は花巻南温泉峡と呼ばれています。今回は花巻温泉と花巻南温泉峡を合わせてご紹介いたします。
台温泉
花巻空港のやや北西に位置する台温泉の由来は、1200年前に坂上田村麻呂がこの地の温泉に浸かって「躰(だい)癒ゆ」といったことから、「台」(だい)の名前が使用されることになったという説と、異説として、「台」の地名の由来はアイヌ語由来であり、「森林」を意味するという、2説が有力です。確かな記録としては、600年前に猟師が発見したことが記録に残っています。もともと花巻温泉も湯量が豊富だった台温泉の源泉をもらって営業していました。
そんな台温泉では、高村光太郎や宮沢賢治に関する祭りも行われ、四季折々の違った風景が楽しめます
おすすめの宿「やまゆりの宿」
源泉かけ流しの温泉が自慢の宿です。この宿には囲炉裏があり、この周りを囲んで三陸の海の幸や岩手の山の幸の食事ができます。とても静かな宿で、弱アルカリ性の源泉を用いた2つの温泉「かじか」と「寿の湯」は男女入れ替え制で異なった趣を味わうことができますよ。また、特別な個室のお風呂もあり、お風呂好きにはたまりません。
花巻温泉
台温泉の南東に位置し、花巻温泉郷の中心部を形成しています。「花巻温泉 ホテル紅葉館」「花巻温泉 佳松園」「花巻温泉 花巻温泉ホテル」などがここの温泉街のメインとなる旅館・ホテルです。泉質は低張性弱アルカリ性高温泉で、無味無臭のため、子どもでも入りやすいお湯になっています。
そしてバラ園もここの名物になっています。8:00~17:00まで開園されており、様々なバラを鑑賞できます。
おすすめホテル「花巻温泉 ホテル花巻」
純和風の和室から洋風のツインルームなどといった様々な客室が用意されています。そして、「ホテル紅葉館」「ホテル千秋閣」とも渡り廊下でつながっていて、3つのホテルそれぞれのお風呂を相互に楽しむことが可能です。
松倉温泉
ここからは、豊沢川沿いに秘境の温泉宿が連なる花巻南温泉峡といわれる地域を見ていきましょう。なお、この地域には無料シャトルバスが運行されており(2020年1月現在)、新花巻駅や花巻駅から楽にアクセスすることができますよ。
「ガーデンリゾート 悠(はるか)の湯 風の季(とき)」は、花巻南温泉峡で最も市街地に近い松倉温泉に位置している、唯一の宿泊施設です。宿泊のほか、日帰り入浴も楽しめますよ。
温泉はもちろん源泉かけ流しのお湯を100%を使用しています。館内は和を意識しつつもどこかモダンな雰囲気。客室は専用露天風呂がつき贅の限りを尽くしたスイートルームから7畳の和室まで幅広く取り揃えています。
名称:ガーデンリゾート 悠の湯 風の季
住所:花巻市湯口松原36−3
公式・関連サイトURL:https://kazenotoki.jp/
志戸平温泉
花巻市街地から2番目に近い温泉。ここも坂上田村麻呂が浸かったという伝説があります。また、水の神様である竜神を祭っていたことから竜神さまといわれ、神仏分離以前は、医療の仏様である薬師如来を祭っていた志戸平温泉神社も観光名所の1つです。
湯の杜ホテル志戸平の温泉は、成分が異なる2つの源泉を使用しています。
喜久の湯は弱アルカリ性低張性高温泉で冷え性などにきくとされています。また、まつの湯が単純温泉で、動脈硬化などに効果があるとされています。
このホテルのレストラン「ごっつぉダイニング たんとたんと」はバイキング方式ながらもできたてを目の前で調理してくれると評判です。
天狗の滝、薄衣の滝も見に行こう
上の段が天狗の滝、下の段が薄衣の滝になっています。小規模ながらも迫力がある滝になっています。駐車スペース(冬季閉鎖)もあり、マイナスイオンたっぷりの滝を気軽に眺めることができます。
渡り温泉
志戸平よりやや奥に入ったところにある温泉です。「渡り温泉ホテルさつき」「別邸楓」はあわせて露天風呂2つ、内風呂2つ、貸切風呂2つを持つ贅沢なつくりとなっています。
客室も和室はもちろんのこと、洋室、スイートを備えた格式高いものです。
大沢温泉
大沢温泉は花巻南温泉峡の中央部に位置しており、花巻駅からはバスで30分かかりますが、そこにはレトロな雰囲気の山水閣や湯治屋といった宿があります。(菊水舘は2020年1月現在休止中)
山水閣は渓流側と駐車場側を選ぶことができます。部屋の広さは10畳からです。
湯治屋は築200年の建物で、自炊ができるのが特徴です。6畳の部屋と20畳の部屋があります。
これらのホテルは渓流に面しており、川の流れの音を聞きながら休むことができるのでおすすめです。
日帰り入浴は11:00~14:00の間で大人1000円、子ども500円です。(2020年1月24日現在)
出典: photo by moto / PIXTA(ピクスタ)
名称:大沢温泉 湯治屋
住所:花巻市湯口大沢181
公式・関連サイトURL:https://www.oosawaonsen.com/
山の駅・昭和の学校も見てみよう
道端にある廃校を利用した博物館。昭和アンティークの雑貨や家電、レコードなどが並べられ、懐かしい古き良き時代を思い出させてくれます。昭和時代を体感した人はもちろん、平成生まれの方でも楽しめる施設です。
山の神温泉
山の駅・昭和の学校からさらに奥に行った地区。この地区には山祇(やまづみ)神社があり、山の神様を祭っています。
宿泊するなら山の神温泉 優香苑がおすすめ
「山の神温泉 優香苑」は山の神温泉に位置するホテルです。800円(2020年1月24日時点)で日帰り入浴も楽しめます。建物は宮大工が建築し、木のぬくもりを十二分に生かした構造になっています。
出されるお料理も四季のものを取り揃えています。いわて牛や前沢牛、白金豚等のブランド肉をはじめ三陸産の海鮮、地元の野菜をふんだんに使ったコースになっていて、食欲を誘います。
温泉は、源泉掛け流しの天然温泉で、とろみのあるお湯が特徴になっています。「こもれび乃湯」と「とよさわ乃湯」、2つの違ったお湯に加え、それぞれに露天風呂が付属しています。ここからは宮沢賢治も愛した岩手の満天の星空を眺められます。
鉛温泉
鉛(なまり)温泉は今回ご紹介する中では最も奥地にある温泉地です。鉛温泉白糸の滝が豊沢川の中にあり、眺めがよいと評判です。
鉛温泉は600年前、岩窟から出てきた白猿が自然に沸いた温泉で傷をいやしているのを発見したのが始まりです。
この地区の旅館は、「鉛温泉 藤三(ふじさん)旅館」が有名です。
田宮虎彦の作品「銀心中」の舞台ともなり、田宮自身も1か月ほど藤三旅館に滞在し執筆活動を行いました。
藤三旅館では4つのお風呂が楽しめる
藤三旅館のお風呂は4種類あります。白猿の湯は、浴槽の深さが1.25mあり、天然の岩をくりぬき立って入る立位浴というスタイルが珍しいと人気で、湯圧が全身に均等にいきわたります。
銀の湯は、バリアフリーに配慮するなど、お年寄りや障がいのある方にやさしい貸切風呂です。桂の湯は露天風呂、白糸の湯は滝を間近に見られる半露天風呂になっています。
◎まとめ
花巻温泉郷は2つの地区に分かれ、さらに細かい地区ごとに特色があるものになっていました。皆さんも趣が少しずつ異なる地区を訪ねて、思う存分温泉を堪能してくださいね。
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