【北海道のジオパーク】世界も認める大自然があるってホント!?

【北海道のジオパーク】世界も認める大自然があるってホント!?

北海道のジオパークについてご紹介!近年注目を集めているジオパーク。地球・大地を意味する「ジオ(Geo)」と公園「パーク(Park)」を組み合わせた言葉で、地球を学び楽しむことのできる「大地の公園」です。日本には現在、ユネスコが認めた8つの世界ジオパークと35の日本ジオパークが存在しています。

そのうち北海道には、世界ジオパークに認定されている2つと日本ジオパークの3つがあるのです。目の前に広がる北海道の美しい自然がどうやってできたのか?

その中で北海道の人々はどのような生活を送ってきたのか?といったことを学びながら、自然を楽しむことができるジオパーク。きっと、いつもの北海道旅行とは一味違った楽しみ方ができますよ。

目次

【北海道のジオパーク】世界も認める大自然があるってホント!?

目次を閉じる

1.洞爺湖有珠山ジオパーク

出典: YsPhoto/PIXTA(ピクスタ)

訪れ、見て、楽しみ、学べる場所がジオサイトです。「洞爺湖有珠山ジオパーク」は、地球の見どころが詰まった貴重なジオサイトが多いことから、2009年に日本で初めて「世界ジオパーク」として登録されました。洞爺湖は、約11万年前に発生した巨大噴火によって形成されたカルデラ湖。国内のカルデラ湖の中でも3番目の大きさを誇っています。

洞爺湖のほぼ中心に浮かぶ中島もまた、約5万年前の度重なる火山活動によって形成された溶岩ドーム群。島内では、この中島の環境に適応した独自の生態をもつエゾジカを数多く見ることができます。

出典: 663highland (CC BY 2.5)

20年~30年ほどの周期で噴火を繰り返し、現在でも活発な火山活動を続ける有珠山は、約2万年前の火山活動によって誕生しました。昭和新山から「有珠山ロープウェイ」に乗って約6分。山頂駅にある洞爺湖展望台から、昭和新山や洞爺湖を見渡すことができます。さらに山頂駅から10分ほど歩くと、有珠山火口原や噴火口、太平洋につながる噴火湾などを一望できる火口原展望台があるので、ぜひ足を延ばしてみてください。

洞爺湖有珠山ジオパークには多くのトレイルが整備されているほか、洞爺湖ビジターセンターや火山科学館などのミュージアムがいくつもあります。「1977年火山遺構公園」には、噴火を受けて倒壊した病院や穴の開いた幼稚園など当時の被害の様子がうかがえる場所がいくつも点在しており、噴火の恐ろしさを目の当たりにすることができます。

2.アポイ岳ジオパーク

出典: sasan / PIXTA(ピクスタ)

地球の内部構造は、中心部が核、その周りをマントルが包み、さらにその外側を薄い地殻が覆っています。私たちは普段直接マントルを見ることはできませんが、そのマントルが地球規模の変動によって地上にせり出し、姿を現した場所があるのです。それが、北海道日高東部にある「アポイ岳」。

約1,300万年前、大陸プレートの衝突によって日高山脈ができた際、地殻の下にあるマントルの一部が突き上げられるように地上に現れました。アポイ岳は上部マントルの構成鉱物である「かんらん岩」でできており、まさしく地球の内側が外に出てきたという状態の山。「アポイ岳ジオパーク」は地球内部を知ることができるジオパークであり、数億万年の壮大な地球の営みを感じることができる場所です。

アポイ岳は標高約810mと低いながら、土壌や気象、地理的環境といった様々な条件が重なったことにより、約80種の高山植物が生育しています。そのうち、ヒダカソウやアポイアザミといった約20種がアポイ岳特有の固有種。1か所にこれだけ多くの固有種が集中しているのは、世界的に見ても大変珍しく貴重です。アポイ岳ジオパークには、目的によっておすすめの観光コースが用意されています。花とパノラマ風景を堪能するなら「ルーピンネシリ~アポイ岳縦走コース」がおすすめ。

ほかにも、海岸奇岩や海食崖の日高耶馬渓、自然豊かな幌満峡などの名勝を巡る「プチジオコース」、かんらん岩の山並みと太平洋のパノラマ、高山植物を楽しめる「登山 アポイ岳満喫コース」など、子供や年配の方まで楽しめるコースもあるので、ぜひ利用してみてくださいね。

3.白滝ジオパーク

出典: Tokutotoo (CC BY-SA 4.0)

「白滝ジオパーク」は、北海道の北東部に位置する遠軽町(えんがるちょう)が舞台です。遠軽町といえば、町内どこからでも見ることができる瞰望岩(がんぼういわ)が有名。この瞰望岩はアイヌ語で「見晴らしのいい所」という意味の「インカルシ」という名前なのですが、実はこれが遠軽町の名前の由来といわれています。

大昔の火山噴火によってできた巨大な岩であるこのインカルシは、町名の由来になっていることからも、大地(ジオ)との関係が深いことが伺えますね。遠軽町は古くから日本最大の黒曜石原産地としても有名で、白滝ジオパークの魅力のひとつとなっています。

マグマの噴火によってできた巨大な八号沢露頭では、白滝黒曜石をつくった溶岩の断面を見ることができます。黒曜石は旧石器時代より狩猟採集の際に多く使われ、100か所以上もの遺跡が残っています。白滝ジオパークでは、1万年以上も前の文化を体感することもできるのです。

火山活動は瞰望岩や八号沢露頭のような大迫力の奇岩の地形だけでなく、雄大で美しい景色も創り出しました。太平高原は、その代表ともいえる火砕流がつくりだした広大な台地。その美しさは北海道美瑛の丘の景観と間違えてしまうほど美しく、夜には天然のプラネタリウムが夜空を覆いつくします。

出典: RJD (CC BY 3.0)

高さ約28m崖から落下する「山彦の滝」も見逃せません!この崖もまた火砕流が固まった岩石からできていて、裏側へ回って見ることができることから「裏見の滝」とも呼ばれています。真冬になると滝は巨大な1本の氷柱となり、その迫力は見る者を圧倒。夜にはライトアップされた幻想的な光景をみることもできます。

4.とかち鹿追ジオパーク

出典: pakku (CC BY 3.0)

北海道東部に広がる十勝平野と、北海道西部に広がる鹿追町全域がエリアとなっている「とかち鹿追ジオパーク」は、国内のジオパークで唯一「凍れ(しばれ)」がテーマ。凍れとは北海道の方言で冬の厳しい寒気を意味しており、北海道の凍れがあってこその地形や生態系、生活様式がこの地で生み出されてきたともいえます。

出典: YOKO / PIXTA(ピクスタ)

そんな凍れを楽しむなら、火山が川をせき止めてできた然別湖(しかりべつこ)で冬に開催される「しかりべつ湖コタン」というイベントがおすすめ。然別湖は北海道内で最も標高の高い場所にある自然湖で、火山活動によって誕生しました。

冬には然別湖が完全結氷します。凍った湖面に雪や氷を使った家「イグルー」やチャペル、ステキな氷の「Ice Bar」、氷上露天風呂などが造られ、氷点下の凍れの世界を満喫することができますよ。

然別湖周辺には、夏場でも常に涼しい日本最大級の風穴地帯が広がっていて、独特の生態系を有しています。標高の低いところには高山植物が生えていたり湿地の植物が繁茂していたり。さらに北海道だけに生息しているエゾナキウサギに出会えるかもしれません!

5.三笠ジオパーク

出典: Dddeco (CC BY-SA 3.0)

北海道石狩平野の東端に位置する三笠ジオパークの最大の魅力は、1億年もの時の流れを体験できるところ。アンモナイトが海を泳いでいた白亜紀から、明治期に石炭が発見され炭鉱として賑わった現代までの北海道の大地の長い歴史が、この「三笠ジオパーク」につまっています。

白亜紀の歴史について知りたい方は、北海道三笠市立博物館の利用がオススメです。実は、日本で最も多くのアンモナイトが発見されているのは北海道。三笠市立博物館では北海道産のアンモナイトを約600点も展示しており、化石の展示総数が約1,000点にものぼることから「化石の博物館」とも呼ばれています。

大きいもので直径約130cmにもなるアンモナイトの展示物には、実際に触れることも可能。太古の生命の営みを直に体感してみてください。さらに、北海道ではまだ3つしか見つかっていないノドサウルスや、天然記念物のエゾミカサリュウの化石も展示されており、とにかく見どころ満載です。

野外博物館エリアでは、珍しい垂直な地層を見ることができます。通常、地層というのは砂や泥が積み重なって形成されるため水平ですが、三笠ジオパークの地層は長い年月をかけた大地の変動によって地層が押し曲げられ、垂直になっているのです。野外博物館コースは徒歩のほか、自転車でも回れますよ。

出典: M-MIX (CC BY-SA 3.0)

三笠ジオパークには旧幾春別炭鉱をはじめ、数多くの炭鉱も残っています。旧住友炭鉱立坑櫓は、櫓の高さ約51m、深さ約735m、内径約6mもあり、その当時、東洋一の立坑と呼ばれていました。炭鉱で発展した町の面影を感じることができるでしょう。

◎まとめ

せっかくの北海道旅行は、ただ自然を眺めるだけではもったいない!ある程度の知識があれば楽しさは何倍にも膨れ上がり、旅の記憶を鮮やかに彩ってくれます。旅先で出会った雄大な自然に感動したり、心動かされることが多々あるかと思いますが、その自然がどのように出来上がっていったのか、その答えはジオパークに行けば見つかるかもしれません!

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

北海道でおすすめの記事

北海道のアクセスランキング