北海道でおすすめのダム8選!~インフラツーリズムとは~

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北海道でおすすめのダム8選!~インフラツーリズムとは~

みなさんは、「インフラツーリズム」という言葉を知っていますか?日本は、地震や大雨、大雪など多数の災害に見舞われてきた「災害大国」であり、数多くの道路や橋、ダムといった公共物が存在します。

そういった公共物の中には、歴史的な意義などの観点から、それ自体が価値あるものとして再評価されつつあります。そこで観光資源として活用しようと開催されるツアーがたくさんできました。国でも、民間ツアー会社と連携して「ダムツアー」を実施するといった施策が講じられていて、こうした動きは北海道も同様に行われています。

今回は、いま注目されている「インフラツアー」でも関心の高い北海道の「ダム」のうち、一度は訪れたいダムについてご紹介します。

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北海道でおすすめのダム8選!~インフラツーリズムとは~

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1. 豊平峡ダム

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北海道開拓使以来、北海道の中心としてあり続けてきた札幌市を水害から守り、また増え続ける人口に対応するために昭和47年に作られたのが、「豊平峡ダム(ほうへいきょうダム)」です。現在は、水道水供給と洪水調整、そして水力発電を目的とする多目的ダムとして、その役割を果たしています。

豊平峡ダムから作られた人造湖である「定山湖(じょうざんこ)」は、札幌ドーム約30個分もの水をためることができ、札幌市民の生活にとっては欠かすことができない存在。また定山湖は、その景観の美しさから「ダム湖百選」に選ばれており、上部の国有林も林野庁選定による「水源の森百選」に選ばれています。

周囲は、秋には美しい北海道の紅葉を見ることができ、絶好の紅葉狩りのスポット。ダムの下流には、有名な定山渓温泉があるので、秋にはダム見学のあと定山渓温泉でゆっくりとお湯に浸かるという北海道旅行はいかがでしょうか。

2. 金山ダム

出典: ja.wikipedia.org

平成28年8月30日、強い勢力を保ったまま東北地方に上陸した台風12号は、東北地方と北海道地方に甚大な被害をもたらしました。北海道では、石狩川の支流として最大の流域面積を持つ空知川が氾濫するなどの被害が出たのは記憶に新しいところです。

この北海道の空知川の最上流部につくられた「金山ダム」は、北海道の利水及び治水を目的に建設されたダム。「金山ダム」から作られた人造湖である「かなやま湖」は貯水総量約1億5,000万トンを誇り、北海道のみならず日本有数の人造湖となっています。

北海道富良野町や北海道美瑛町といった観光地に近いこともあり、周辺にはダムを一望する展望台や散策路、オートキャンプ場、パークゴルフ場なども整備。今では、ダムと湖を中心として様々なイベントも開催されており、多くの観光客が訪れる観光スポットとなっています。

3. 富里ダム

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焼肉とハッカで有名な町、北海道北見市の郊外にあるのが、「富里ダム」です。富里ダムは、北見地方における農業灌漑用水を確保するために建設されました。北海道の年降水量は、全国的にみると比較的少ない方ですが、北見市のあるオホーツク地方は、日本の中でも年間降水量が少ない地域であるため、富里ダムの存在は農業用水の安定確保に資することでも重要。

また富里ダムによって作られた「富里湖」のほとりにはうっそうとした森が広がり、富里湖とその周辺は「富里湖森林公園」として整備されています。富里大橋を渡り、富里湖を横断すると、南側には自然散策を楽しむことができる約3㎞にもおよぶ歩道がありますよ。周辺は鳥獣保護区になっており、たくさんの野鳥が生息しているため、目をつぶって耳をすますと様々な鳥たちの息遣いを感じることができるでしょう。

さらに冨里ダム周辺には「冨里湖森林公園キャンプ場」があり、こちらもおすすめ。北海道北見市中心部より約25㎞、車を走らせること約30分の距離にあるこのキャンプ場は、富里湖のほとりに広がります。バンガローは、7人用と10人用のものがあり、雨の日もキャンプを楽しめるので安心。富里湖ではボートに乗ることもできるため、のんびりとボートを漕いで遊ぶのもいいですね。こんな素晴らしい光景を独り占めできるなんて、北海道ならではの贅沢なレジャーです。富里ダムを見学したら、冨里湖森林公園キャンプ場で北海道の自然を楽しんでください。

4. 聖台ダム

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聖台(せいだい)ダムは、北海道美瑛町(びえいちょう)にある灌漑用(かんがいよう)のダム。実はこのダム、北海道の土木学会選奨土木遺産にも指定されており、北海道の歴史的に重要な価値のあるダムとして認められているのです。

一般に、ダムは、地形や地盤の性質、その目的などの様々な形式があり、それぞれの長所や短所に応じて最適と思われる形式が選択され、建設されます。今回紹介する「聖台ダム」は、日本で古くから使われ、かつ最も多い形式とされる「アースダム」という形式。「アースダム」は、主に土を材料にして作られたダムで、最も原始的な形式です。

この「聖台ダム」の大きな特徴は、ダムの中央にコンクリートが注入されていること。ダムが建設された昭和初期、当時としては最先端の技術と5年間の歳月をかけた聖台ダムは、その後のダム建設の手本のひとつとされ、現在に至っています。

ダムの周辺は、春は桜、秋は紅葉を楽しめる絶好の観光スポット。ダムと湖が周りの自然とうまく溶け込み美しい景色になっています。穏やかに晴れた日には、ぜひこの「聖台ダム」にぜひ遊びに来てくださいね。

5. 札内川ダム

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北海道・十勝は日本の食料生産基地ともいうべき農業地帯であり、小麦、大麦、芋、ビート、ジャガイモなどの野菜に限らず、牛肉や豚肉も生産する一大農業地帯。そうなると当然、大量の農業用水が必要になり、十勝を滔々と流れる十勝川とその支流が合流する帯広市近辺は、盆地状になっているため、昔から洪水が多発する地域でした。

そんな十勝において、豊富な農業用水を確保しつつ川への放流を調節し人々の暮らしを守る、いわゆる多目的ダムとして建設されたのが、この「札内川ダム(さつないがわダム)」。札内川は環境省が選定する「水質日本一」に過去数度も選ばれた川で、この美しい札内川とその流域を洪水による氾濫から防いでいます。

このダムの見どころは、ダムに併設された「地質ギャラリー」と「ダムギャラリー」。ダムの本体内部に通じる細い道を入り、パネルなどで札内川やダムについての説明を見ることができます。また、ダムは奥底深い地盤まで埋め込まれていることから、地質に関する格好の勉強材料を提供してくれます。地質ギャラリーを見れば、地殻運動や地震活動など、地球の生命力を感じられるでしょう。これらは自由見学のほか、事前に予約をすることで、ダム管理支所職員さんの案内とともに見学することもできます。

ちなみに、ダム下流には、川沿いに散策を楽しむことができる公園もありますので、お子さんと一緒に訪れても良いですね。

6. 朝里ダム

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「朝里ダム」は、北海道・小樽市の南方にあるダムです。建設された目的は、北海道小樽市の生活用水及び洪水調整のために作られ、重力式コンクリートダムで非常に重厚な雰囲気。

ダムの目の前には、クルリとループになった道路が走っています。これは道道1号小樽定山線で、ダム建設によりルートが変更されて建設されたもので、「朝里大橋」と呼ばれています。少し離れたところをみると、ループ橋とダム、そしてダムによってせき止められてできた人造湖「オタルナイ湖」を見られますよ。

ダムの上を歩くことができるほか、ダムのふもとには公園が整備され、テニスコートや子供たちの遊び場が設けられています。目の前の巨大な建造物を目の当たりにしながら遊ぶレジャーは、日常とはちょっと変わった面白い光景ですね。

周囲にはダム記念館があり、楽しみながらダムの機能や構造、役割などについて学ぶことができます。ダムがどういったもので、どんな役割をしているかを知ることができる、とても興味深い記念館です。

秋には紅葉が水面に映え、その美しさを一目見ようと毎年北海道内外から多数の方が訪れる観光スポット。夜は、色とりどりのライトでアップライトされます。スポットライトを浴びて、漆黒の夜の中に浮かび上がるその姿は、まさに壮麗の一言ですよ。

7. 夕張シューパロダム

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「夕張シューパロダム」は、北海道夕張市にあるダムで、全国でも有数の総貯水量を誇るダムです。農業用水の不足が顕在化する中、農業用水の確保と治水を目的に、それまで設置されていた「大夕張ダム」を水没させるかたちで作られ、平成27年に完成しました。

しかしこちらのダムが建設されるにあたっては、膨大な建設費がかかること、景気減速により水余りが懸念されること、ダム建設による経済波及効果が限定的であること、さらには、炭鉱で栄えた夕張の面影を残す鉄道橋といった貴重な遺産が水没してしまうことなどがあって、「夕張シューパロダム」には様々なところから批判がなされました。

そのような紆余曲折を経て完成したのがこのダムです。ダムを訪問する際は、周囲の美しい風景だけに心を奪われるのではなく、時にはこのような、ダムの持つ歴史や性格、役割について考えてみるのもよいのではないでしょうか。

8. 上磯ダム

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北海道上磯町(かみいそちょう)は、平成18年の市町村合併により、北海道南部の中心である函館市のほど近くにある北斗市として生まれ変わりました。その「上磯町」から命名された「上磯ダム」は、周辺の農業用水の確保を目的として平成3年に完成したダムです。

堤高は約32m、堤頂長は約408mと比較的小さなダムですが、周辺には公園が整備されています。ここには、大山桜や染井吉野など様々な種類の桜が植えられているので、開花シーズンの5月中は桜を楽しむことができます。また、夏に咲くアジサイの花などはとてもかわいらしく魅力的。

さらにダム湖のそばにある「上磯ダムキャンプ場」は、約200張りも広さのある芝生で、とても解放的な雰囲気。設備は水洗トイレや炊事場など、キャンプをするうえでの必要最低限のものがそろっています。昔ながらの雰囲気があるキャンプ場で、素朴なキャンプを楽しむことができますよ。

◎まとめ

ダムは古くから日本各地でつくられていて、北海道にもたくさんあります。現在でも、多くの人々の生活を支えているダムは、再評価されている公共物であり、ダムを訪れるインフラツアーも登場していることから、今後もますます注目されるでしょう。北海道の観光名所としてぜひダムに訪れてみてくださいね。

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