冬の時期や北方の国を飛行機で旅行するときにどうしても気になるのが、雪の影響ですよね。空港や各航空会社によってできる限りの対策がとられてはいますが、雪・ヒョウ・吹雪などの自然現象は防ぎようがない部分も多々あるものです。ここでは雪による飛行機への影響について、そして遅延・欠航が起こってしまった場合の対処法について解説していきます。
目次
冬季の飛行機旅行での悩みの種、雪による遅延・欠航について
飛行機の主翼は雪が大敵
力強く大空を翔ける飛行機ですが、意外なことに雪がその両主翼にくっついてしまっただけで、遅延・欠航になってしまうことがあります。飛行機の主翼は上下面に風を通すことによって、浮かび上がる力「揚力」を得ることができるよう設計されているんです。なので雪の付着によって飛行機の翼の表面の形が変わると、十分な揚力を得られなくなって航行に支障が出てしまうという訳です。
対策として空港で除氷液を翼の表面に散布したりするのですが、効果のある時間には限りがあります。寒ければ寒いほどその時間は短くなってしまうので、一見大した降雪ではなくても気温などの条件次第では運行が難しい場合もあるんですよ。
滑走路は雪の深さと質が問題になる
降雪によるスリップは、飛行機の安全な離着陸の大敵。したがって滑走路の雪の深さと質、これらの状態によって飛行機の欠航・欠便が決まることもあります。
具体的に離陸を行ってはいけない条件は、
・積雪1.3cm以上で水あるいはスラッシュ(部分的に溶けた雪)状態の雪
・積雪5.1cm以上の湿った雪
・積雪7.1cm以上の乾いた雪(離陸時)
・積雪15.3cm以上の乾いた(着陸時)
といった状態のときになります。スラッシュは非常に水っぽく、蹴ると水しぶきが上がる状態の雪。湿った雪は水分を多く含み、握ると水が出てくる状態。乾いた雪は水分が少なく降ってからあまり時間が経っていない状態です。
強風や視界不良による欠航も
激しく雪が降っている場合、同時に風も強い状態のときがしばしばあります。飛行機離着陸時の強い横風は事故の原因になりかねない非常に危険なもの。吹雪などにより視界が悪くなると目視による確認が難しくなるため、特に離着陸時には危険が伴います。雪と共に起こる強風や視界不良も、欠航・遅延の原因になりえる状態といえます。
欠航・遅延時の対処法
大手航空会社では、雪・吹雪などの不可抗力な悪天候で欠航・遅延が起こってしまった場合に振替便への変更が可能です。もろもろの手数料などはかからず、払い戻しも可能ですよ。ただし欠航によりどこかに泊まらなければならなくなった場合の宿泊費などは、自己負担になります。
LCCの場合、大手航空会社と違い欠航時の「他社便への振替」や「他交通機関への振替」といったケアがありません。そのため欠航すると「自社便への振り替え」もしくは「払い戻し」扱いになります。LCCは飛行機の本数が少ないため「自社便への振り替え」だとかなり長時間待たなければ次の飛行機に乗れない、という事態になりがちです。場合によっては、翌日以降になることもあるのでご注意ください。
事前に天気予報などで欠航などのリスクはチェックしておきましょう。仮になってしまった場合は焦らないで、これからどういった選択肢が考えうるのか自分の今後のスケジュールを確認して考えてみましょう。利用の航空会社職員も、積極的に声をかければ協力してくれるはずです。
まとめ
飛行機が欠航ないし遅延となるかどうかは、降雪と気温、滑走路上の雪の深さと状態などによって左右されます。欠航となった場合、振り替え輸送か払い戻しという対応がとられることになります。その際に手数料はかかりませんが、振り替えを待つ間の滞在費などは補償してもらえないので注意してください。万が一起こってしまっても焦らないで、冷静に対処するように心がけましょう。