名称：Cliff of Bandiagara (Land of the Dogons)
公式・関連サイトURL：http://whc.unesco.org/en/list/516
マリ共和国には、ドゴン族が居住しいている断崖絶壁「バンディアガラの断崖」があります。1989年に世界遺産にも登録された観光スポットです。切り立った崖の中腹や上にも居住エリアがあり、そこに至るまでの道のりは非常に険しく危険であるため、観光に訪れる際はかなりの疲労を覚悟しなければいけません。しかしながら、バンディアガラの断崖にはユニークな建物群や、ドゴン族の象徴ともいうべき仮面、またその仮面を使った祭りなど様々な魅力が詰まっています。
今回は、そんなマリの世界遺産、バンディアガラの断崖についてご紹介いたします。
目次
ドゴン族の居住地域であるマリの世界遺産、バンディアガラの断崖（ドゴン人の地）
バンディアガラの断崖（ドゴン人の地）とは？
バンディアガラの断崖（ドゴン人の地）とは、マリ共和国のドゴン族が居住する地域となっている断崖で、その壮観な自然環境とドゴン族の文化が保持されている地域であることが評価されて1989年に世界遺産に登録された観光スポットです。標高差500m、幅150㎞にまで及んでいるこの断崖の裾野などで、ドゴン族は現在およそ700の村落を作り約25万人ほどが暮らしています。なおドゴン族の集落は断崖の途中にも作られており、断崖の上下には土で要塞も作られているという特徴を持っています。これは1300年頃に先住民族を追いやってこの地でずっと暮らしてくる中で、その暮らしを守るために作られたものです。それにより彼らの持つ独特の文化は、長い歴史の中でもほとんど変化することなく守られてきました。しかしながらバンディアガラの断崖が世界遺産に登録されたことをきっかけにこの地も観光地化しており、ドゴン族の文化も今までとは違う価値観に変わりつつあるという状況となっています。すなわち守るべき文化であるという価値観から、観光収入を得る手段へと変貌しているのです。それにより都市へと流出するドゴン族も年々増加傾向にあることも判明しています。また観光客が押し寄せることによって、今まで行われてきた伝統的な儀式の位置づけなども変容しつつあることも今では指摘されている状況です。
バンディアガラの断崖（ドゴン人の地）へのアクセス
バンディアガラの断崖はマリ共和国の中央部に位置しており、首都であるバマコからは約700㎞離れた場所にあります。しかしながらマリ共和国は公共交通機関がそこまで整備されていませんので、バマコからは陸路で向かわなければいけません。もし宿泊を伴う観光を計画している場合は、バンディアガラの断崖の近郊都市であるモプティで宿をとることをおすすめしますよ！なおバンディアガラの断崖までは凹凸の激しい道路も進まなければいけませんので、四輪駆動で訪れるようにしましょう。
バンディアガラの断崖（ドゴン人の地）のおすすめポイント①：ユニークな建物群
バンディアガラの断崖に居住しているドゴン族の住居はユニークなものが多く、この世界遺産の見所の一つとなっていますよ。土レンガを積み上げ、さらに土で表面をならした長方形である彼らの住居には、人が通り抜けるのにぴったりなサイズの出入り口と、およそ50㎝四方の窓が複数ついており、縦長の内部を仕切るためにかわされた木の棒があちこちの壁から突き出しているという特徴があります。さらには住居の外壁には動物の骨などが塗り込まれていますよ。そして一番の特徴として挙げられるのが、わらで作られたとんがり帽子のような屋根です。このようなユニークな住居が断崖の下だけでなく途中や上にも建てられていますので、その光景は一見の価値ありですよ！是非バンディアガラの断崖に足を運んだ際はその切り立った断崖だけでなく、その断崖に建てられたユニークな建物群もじっくり見学してみてはいかがでしょうか？
バンディアガラの断崖（ドゴン人の地）のおすすめポイント②：ドゴン族の象徴である仮面
バンディアガラの断崖に居住しているドゴン族の生活の中で、象徴ともいえる存在が仮面です。それは家族や秘密結社ごと、もしくは葬祭などの使用目的によって様々なタイプを使い分けており、その数はなんとおよそ90種類にも及ぶそうですよ。その中でもこの仮面を効果的に使っているのが、部族内で安定した関係を保つために顔を隠した者同士が対話を行う仮面結社と呼ばれる秘密結社です。さらには60年に一度開催されるシギの祭りでもこの仮面が活躍しますので、時期が合うようであればこの祭りを是非見学してみてはいかがでしょうか？シギの祭りはバンディアガラの断崖にある村を全て順に周っていくため、なんと7年間かけて行われる祭りとなっています。是非バンディアガラの断崖に訪れた際は、ドゴン族の象徴ともいうべき仮面に注目して、観光を楽しんでみてくださいね。なお仮面の祭典であるシギの祭りが開催される次の時期は2027年となっていますよ。
◎まとめ
マリの世界遺産、バンディアガラの断崖についてご紹介いたしました。切り立った断崖も特徴ですが、それ以外にも特徴的な住居や仮面を生活の一部として使用している習慣など、バンディアガラの断崖には観光客を惹きつける様々な見所が揃っていますよ！是非マリに観光に訪れる際は、バンディアガラの断崖に足を運び日本とは全く違った環境で育ったドゴン族の生活を感じてみてはいかがでしょうか？
