世界遺産モザンビーク島!日本ともゆかりのあるポルトガルの貿易拠点

画像出典:Stig Nygaard

世界遺産モザンビーク島!日本ともゆかりのあるポルトガルの貿易拠点

アフリカ南東沿岸部の国モザンビークには、美しいビーチや歴史ある建築物が見られる世界遺産があります。国名のもとともなっている「モザンビーク島」です。国名の由来といいながら、現在のモザンビークの首都マプトは、南北に長い国土の北側にあるモザンビーク島に対して、ほぼ南端に位置しています。そのため、モザンビーク島は世界遺産の観光名所でありながら、それほど観光客でいっぱいということはなく、ゆったり過ごせるところですよ。

ポルトガルの貿易拠点であったモザンビーク島は、戦国時代の日本ともつながりがあります。たとえば織田信長に気に入られて家臣となった黒人の「弥助」は、モザンビークの出身といわれています。また、ローマへ派遣された天正遣欧少年使節の一行は日本へ帰る途中、天候の回復待ちのためにモザンビーク島に滞在したとされています。

そんな日本とも歴史的な関係をもつ世界遺産モザンビーク島の見どころについてご紹介します。

目次

世界遺産モザンビーク島!日本ともゆかりのあるポルトガルの貿易拠点

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モザンビーク島とは?

出典: Stig Nygaard

現在のモザンビーク島の基礎が築かれたのは、1498年のヴァスコ・ダ・ガマによる喜望峰ルート開拓によるものですが、それ以前にはアラブ人の交易港がありました。1507年にはポルトガルが城塞と軍港を整備し、海洋貿易の拠点となりました。イエズス会の伝道拠点ともなり、フランシスコ・ザビエルやアレッサンドロ・ヴァリニャーノといった日本で有名な宣教師たちも、モザンビーク島に滞在したといわれています。

ポルトガル領東アフリカの首都として栄えたものの、1869年にスエズ運河が開通すると急速に衰退。1898年には首都がロウレンソ・マルケス(現在のマプト)へ移り、モザンビーク島は交易都市としての重要性を失いました。そのため、モザンビーク独立後の内戦においても大きな被害を受けることなく、世界遺産の街並みと歴史的建造物を今に残しています。

モザンビーク島へのアクセス

世界遺産モザンビーク島を訪ねるには、まず西に100kmほどの都市ナンプラを目指します。ナンプラ空港へは、モザンビークの首都マプトのほか、ヨハネスブルグやナイロビ、ダルエスサラームからも便があります。また、距離的にはモザンビーク島により近いナカラ空港もありますが、こちらはマプトとの間にしか就航していません。

両空港からモザンビーク島までは車での移動となります。バスかツアーを利用することになりますが、島のホテルを予約してあるなら送迎を依頼すると良いでしょう。ナンプラからモザンビーク島までは、車でおよそ3時間です。モザンビーク島はアフリカ本土と長さ3kmほどの橋でつながっているので、車でそのまま島内に乗り入れることができます。ただし、この橋は長さのわりに車1台分が通れるほどの幅しかないので、多用はおすすめしません。

モザンビーク島のおすすめポイント①:サン・セバスティアン要塞

出典: Stig Nygaard

サン・セバスティアン要塞は、モザンビーク島の北端に築かれた堅固な城砦です。16世紀にポルトガルが建造したもので、1607年とその翌年にはオランダの攻撃を防ぎきるという活躍をしています。石灰岩と木製の梁で造られた白壁の建物が印象的で、稜堡から望むインド洋の景色も素晴らしいですよ。

他方で、要塞内には処刑場や奴隷の収容部屋などもあり、西洋による植民地支配の歴史をうかがうこともできます。モザンビーク島を代表する観光スポットですが、近年植生により大きな被害を受け、劣化の危機に瀕しています。その修復工事の資金を提供しているのが、実は日本。数百年の時を超えて、再び日本とモザンビークのつながりを確認することができる世界遺産スポットです。

モザンビーク島のおすすめポイント②:サン・パオロ宮殿

出典: commons.wikimedia.org

世界遺産モザンビーク島の中心街でひときわ目立つ赤壁の建物が、サン・パウロ宮殿です。もともとはかのフランシスコ・ザビエルの名を冠したイエズス会の学校がありました。しかし、イエズス会の勢いが衰えると、1610年にポルトガル人司令官の館に改築されました。

現在は、隣接する礼拝堂とともに博物館となっています。ポルトガルやインド、アラビアなどから集められた家具や美術品などが展示されていて、モザンビーク島が貿易で繁栄していたころのようすをうかがうことができますよ。世界遺産モザンビーク島に滞在するなら避けては通れない観光スポットなので、しっかり内部まで見学しましょう。

モザンビーク島のおすすめポイント③:ノサ・セニョラ・デ・バルアルテ

出典: David Stanley

サン・セバスティアン要塞のさらに先っぽの稜堡の下に、ポツンと小さな白い建物があります。これは1522年に建てられたノサ・セニョラ・デ・バルアルテ礼拝堂で、なんと南半球で最古のヨーロッパ建築といわれているんですよ!

ザビエルの日本来航が1549年なので、彼や天正遣欧少年使節のメンバーも、おそらくこの礼拝堂を目にしたはず。そう考えると、日本人にとってはとても親近感の湧く歴史的建造物といえるでしょう。

少々痛みが激しく淋しいたたずまいの小さな礼拝堂ですが、内部を見学することも可能です。未知なる世界への布教を自らの使命として、ここからアジアへと旅立っていった宣教師たちのことを考えると、とても感慨深いものがありますよ。

◎まとめ

モザンビーク島は、北と南ではっきり雰囲気が異なります。ポルトガル人が築いた港湾都市の遺跡はほとんどが島の北半に集まっていて、リゾート施設やホテルなどもこのエリアにあります。

他方で島の南半は主に地元の漁民が暮らすローカルなエリア。世界遺産の観光スポットはほとんどありませんが、モザンビークのリアルな暮らしが見られるので、こちらはこちらで観光スポットとしておすすめですよ。

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