仏教の中心地として発展したパハルプールの仏教寺院遺跡群!

仏教の中心地として発展したパハルプールの仏教寺院遺跡群!

南アジアにあるイスラム教徒主体の国バングラデシュ。インドとミャンマーに挟まれ、南はインド洋に面しています。活気のある独特の町並みが広がっていて、街を歩いているだけでも面白いです。宮殿や博物館、モスクなどの歴史的な建物も多く、観光スポットも盛りだくさん。そんなバングラデシュには3つの世界遺産があります。今回はその1つ「パハルプールの仏教寺院遺跡群」についてピックアップしました。

目次

仏教の中心地として発展したパハルプールの仏教寺院遺跡群!

パハルプールの仏教寺院遺跡群とは?

出典: Man (CC BY 2.0)

バングラデシュ北西部のラジシャヒ管区にある「パハルプールの仏教寺院遺跡群」は、バングラデシュの世界文化遺産として1985年に登録されました。イスラム教国として有名なバングラデシュですが、この地域は8世紀後半から12世紀後半まで仏教王朝のパーラ王朝の支配を受けていたため、仏教が栄えていました。そしてこの地域にはたくさんの仏教寺院が建設され、中でもソーマプラ僧院は一際目立ちます。

「パハルプールの仏教寺院遺跡群」は、8世紀の半ばから9世紀にかけて建設された仏教寺院遺跡群。ベンガル語でパハルは山を意味し、プールは中核を意味しています。パハルプールの造りはのちに、カンボジアのアンコールワットやインドネシアのロロ・ジョングラン寺院にも影響を与えました。

パハルプールの仏教寺院遺跡群へのアクセス

「パハルプールの仏教寺院遺跡群」へアクセスするには、まず首都ダッカまで向かいましょう。日本から首都ダッカまでの直行便は運航していないため、マレーシアやタイ、シンガポールなどの主要都市で1回乗り継ぐ必要があります。首都ダッカに到着後、バスやレンタカー、乗り合いタクシーなどを利用してボグラまで移動。所要時間は3時間から4時間です。

ボグラから「パハルプールの仏教寺院遺跡群」があるパハルプールまでは、チャールマタ・バスターミナルでジョエプールハット行きのバスに乗り換え、終点まで移動します。所要時間は約1時間です。ジョイプールハットからのバスは本数が少ないため、乗り合いタクシーの利用をおすすめします。

パハルプールの仏教寺院遺跡群のおすすめポイント2

ソーマプラ僧院の美しい建築様式

仏教の中心地として発展したパハルプールへの巡礼者は17世紀まで続きました。「パハルプールの仏教寺院遺跡群」の建築当時、尖塔が建っていた場所には今もレンガ造りの基礎と周壁が残っていて、古い歴史に触れることができます。中でもパハルプール最大規模を誇るソーマプラ僧院は必見です。一辺330メートルある敷地内の中心には十字型の巨大な詞堂が立っていて、その詞堂を取り囲むように仏舎利塔がありました。

僧院の数は177。1000人もの僧を収容することができたそうです。壁には約2800枚にもおよぶブッダやヒンドゥー教の神々、動物などが描かれている粘土を素焼きした塑像がはめ込まれています。各部屋には中庭へ続いている液体を下水へと導くための樋が設置されているため、当時から既に下水施設があったと推測されています。ソーマプラ僧院は中核的な仏教施設でもありました。

パハルプール博物館

出典: Md. Sarwar Ul Islam Fakir (CC BY-SA 4.0)

「パハルプールの仏教寺院遺跡群」の東側にあるよく整備されたパハルプール博物館。こじんまりとした小さい博物館ですが、遺跡が発掘されるまで地中に埋もれていた彫刻や、ソーマプラ僧院上部から出土した800枚ほどの塑像などが展示されています。パハルプールやパーラ朝時代の歴史について深く知りたい方にはうってつけです。他には陶器や硬貨、パーラ朝時代の美術品なども展示されています。

「パハルプールの仏教寺院遺跡群」で見れる塑像は、一部を除いてレプリカになっていますが、パハルプール博物館で見ることができる塑像は本物です。「パハルプールの仏教寺院遺跡群」に訪れる際は、パハルプール博物館も併せて観光することをおすすめします。

◎まとめ

「パハルプールの仏教寺院遺跡群」の頂上からは敷地全体を見渡すことができ眺めが良いですが、近年遺跡の破壊が進んでいるため、残念ながら登ることは禁止されています。バングラデシュ全土は2018年4月現在、首都ダッカで起きたテロの影響により、外務省の海外安全情報で危険レベル2が発令されています。不要不急の渡航は控えると同時に、外務省の海外安全情報に必ず従ってください。

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