壮大な滝の地響きと美しいオーロラを体感!世界遺産ナハニ国立公園

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壮大な滝の地響きと美しいオーロラを体感!世界遺産ナハニ国立公園

世界遺産「ナハニ国立公園」は、カナダのノースウエスト準州にある人気観光地です。ノースウエスト準州の総面積のうち、約4,766平方kmが1972年に国立公園として指定された後、その自然美と生物学・地形学的な重要性が評価され、1978年には世界遺産として登録されました。カナダにある3つの準州には今でも先住民族が多く暮らしており、このノースウエスト準州はおよそ1万年前からデネ族の居住地となっています。
ちなみに、「ナハニ国立公園」という名前もデネ語で「精神」を意味する「ナハニ」が由来なのだとか。
この記事では、カナダの世界遺産「ナハニ国立公園」の魅力や見どころについてご紹介していきます。

目次

壮大な滝の地響きと美しいオーロラを体感!世界遺産ナハニ国立公園

1.「ナハニ国立公園」とは?

出典: Vadim Gouida/Shutterstock

ノースウエスト準州には、古代からの自然が残る未開の地がたくさんあります。住民のおよそ半数は先住民族。冬期が長いのが特徴で、あのオーロラの町として有名なイエローナイフが州都です。そんな地域に位置する世界遺産「ナハニ国立公園」は、「カナダの秘境」や「野生動物の最後の楽園」とも呼ばれています。

サウス・ナハニ川を中心に広がる「ナハニ国立公園」の魅力は、高さ90mにも及ぶヴァージニア・フォールズやカヌーでの川下り、オーロラ鑑賞、美しいブルーの湖を見ながらのハイキング、先住民族の文化体験、空中からの絶景ツアーなど盛りだくさん。アクティビティを楽しむにはもってこいの観光スポットです。

公園内には硫黄成分の温泉が湧き出ており、カナダで最大の「ラビットケトル・ホットスプリング」もあります。ツンドラ地帯にある公園にも関わらず緑の植物が豊かに生い茂るのは、この温泉のおかげ。「野生動物の最後の楽園」の名にふさわしく、グリズリーやヘラジカ、オオカミ、ウッドランドカリブーなど珍しい動物も多数生息しています。公園内では、モータボートによる野生動物観察ツアーも楽しめますよ。

2.「ナハニ国立公園」へのアクセス

「ナハニ国立公園」が他の世界遺産と大きく異なる点は、レンタカーや公共交通機関でアクセスできないというところ。交通手段はフォート・シンプソンからの小型水上飛行機のみとなります。さらに、公園内には宿泊施設が一つしかないため、観光の際は個人ではなくツアーに参加するのがおすすめです。

日本の成田から行く場合は、まず、バンクーバーを経由してイエローナイフへ向かいます。イエローナイフからフォート・シンプソンまでは約630km。国内線かレンタカーでアクセス可能です。国内線は約1時間のフライトですが、少々割高なのが難点。一方、レンタカーは片道8時間とかなりの時間を要しますが、原野でのドライブを楽しみながら行けるとあって密かに人気を得ています。

フォート・シンプソンからは、水上飛行機で公園内に入ります。公園の真ん中を流れるサウス・ナハニ川の渓谷を上空から眺めつつ、ヴァージニア・フォールズ近くの飛行機の発着場へ。そこからハイキングで滝の近くや、宿泊施設があるクリ・レイク湖畔へ向かいましょう。

3.「ナハニ国立公園」のおすすめポイント

◆滝と湖での爽快アウトドア

出典: GROGL/Shutterstock

数あるアクティビティの中でも特におすすめなのが、世界遺産「ナハニ国立公園」の象徴ヴァージニア・フォールズでのキャンプファイヤー。ナイアガラの2倍の落差を持つというこの滝を見ずに「ナハニ国立公園」は語れませんよ。滝に近づくにつれて地響きが全身に伝わり、誰もがその迫力に圧倒されるでしょう。

絶好のフォトスポットを探して写真に収めるも良し、マイナスイオンをたっぷりと浴びて癒されるも良し。しばし壮大な滝を眺めながら、日常を忘れてのんびり過ごしてみてはいかがでしょうか?

もう一つおすすめなのが、ラビットケトル湖でのハイキング。「ラビットケトル・ホットスプリング」では、およそ1万年前に形成されたというカナダ最大級の石灰石を見ることができます。この地形が生み出した豊かな生態系を眺めながら、温泉に浸かることもできますよ。特に星空を眺めながらの温泉は別格です。

◆バラエティー豊かなハイキングコース

出典: GROGL/Shutterstock

「ナハニ国立公園」内とその周辺を含むエリアには、観光客が気軽に楽しめるハイキングコースがたくさんあり、そのほとんどは川からボートでアクセス可能です。ただし、コースによっては道が全く舗装されていないところもあるので、ガイドに相談して自分に合った適切なコースを選んでくださいね。

「シークレット・レイク」は小さな湖が集まったエリア。ここへのハイキングコースは2種類あり、北西部の高地から出発する片道6kmのコースと、砂利や岩のある川沿いを歩く10kmのコースから選ぶことができます。熊がエサを探しにやってくるという「プレーリー・クリーク」へのコース(片道4km)を歩く場合は、自然環境に影響を与えないよう細心の注意が必要。ガイドの指示には必ず従いましょう。

その他にも森を抜けて山頂に向かう「サンブラッド・マウンテン」コース(片道8km)や、地図やコンパスなどが必要なアドベンチャー度の高い「マレゴン・フォールズ」コース(片道4km)、水辺を歩いたり登ったりする「スカウ・クリーク」コース(片道8km)などバラエティー豊かなコースが目白押しですよ。

もう少し長めのハイキングを楽しみたい方には、「ラム・クリーク」コース(片道15km)や「ドライキャニオン・クリーク」コース(片道10km)がおすすめ。自分や見たい景観や難易度をじっくり考えながら、悔いのないよう「ナハニ国立公園」を満喫してくださいね。

◆オーロラ鑑賞

カナダでのオーロラ鑑賞といえば、イエローナイフやホワイトホースが有名ですよね。中でもオーロラの出現率が高く「ブレークアップ」と呼ばれる現象も見られるイエローナイフは、一度は訪れてみたいオーロラの観賞スポットとして世界的にも知られています。

そんなイエローナイフと同じオーロラベルトの真下に位置する「ナハニ国立公園」でも、オーロラを見ることができるんですよ。おすすめは12月~2月までの冬期。夜は気温がマイナス40度近くまで下がるので万全な防寒対策が必要となりますが、冬の時期特有の済んだ空に勝る条件はありません。

1棟あるロッジの明かり以外は何もなく、辺り一面真っ暗というオーロラ鑑賞にはもってこいの環境を作れるのも、人里離れた場所にある「ナハニ国立公園」ならでは。寒さがどうしても苦手という方は、8月~9月の夏期が狙いめです。ただし、オーロラの出現率は冬に比べて下がるのでご注意くださいね。

◎まとめ

世界遺産「ナハニ国立公園」の夜は真っ暗です。見えるのは夜空に光る星と月明り、そしてたまに出現するオーロラのみという何ともロマンチックな環境なのですが、野生動物が多数生息しているだけでなく、天候が悪い時にはフォート・シンプソン行きの水上飛行機が欠航となるなど、ある意味「命がけの観光」であることは否めません。しかし、この環境こそが「ナハニ国立公園」の魅力であり「カナダの秘境」と呼ばれる所以なのです。自然や地学に興味がある方だけでなく、本物の自然の中でリフレッシュしたい方にぜひおすすめしたい世界遺産となっています。

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