フランス - ブリーヴ＝ラ＝ガイヤルドについて

ブリーヴ＝ラ＝ガイヤルドは、フランス、ヌーヴェル＝アキテーヌ地域圏にある、コレーズ県中央部の西側に位置する基礎自治体です。フランス語圏では、こういった小規模の基礎自治体はコミューンと呼ばれます。正式名称は、ブリーヴ＝ラ＝ガイヤルドですが、ブリーヴと呼ばれることも多いです。
かつてこの町は、町を横切るコレーズ川の渡し場でした。古くからあったリヨンとボルドー間をつなぐ橋はローマ時代に架け替えられたものです。この道は、ポワチエとカオールをつなぐ道でもありました。当時は非常に活気があり、その後町として発展しました。
6世紀ごろ、スペイン人であったと考えられているマルタンによって町にキリスト教がもたらされ、リモージュ司教ロリス1世の墓が建てられました。11世紀に、リモージュ子爵領、コンボルン子爵領、テュレンヌ子爵領、そしてリモージュ司教領の交差地点となり、城壁によって守られていました。地名にある「ラ＝ガイヤルド」は、屈強な、という意味で、数多くの包囲網に見舞われた際に示してきた勇気にちなんだものです。
12世紀以降には、城壁の外にある車道の両側に郊外ができていきました。1341年、4人の参事官たちは、王の命令により、それまでの5倍にあたる面積の囲い地をつくりました。1360年より9年の間、ブレティニー条約によりブリーヴはイングランド領となりました。1374年にフランス王によって奪還されたのをきっかけに、町は王家に忠実になったとされています。
17世紀から18世紀にかけては、町は多大なる繁栄の時代にありました。現在のカルディナル橋にあたるポンヌフ橋や、邸宅、大通りや郊外を作り出し、城壁を破壊しました。町自体は急成長しましたが、町の産業は乏しい状態でした。しかし、1860年代に入ると鉄道の到来により、ブリーヴは複数の鉄道路線の中心地となったため、町が栄え始めました。ブリーヴ盆地では野菜や果物が生産されるようになり、こういった農業の拡大によってリキュールの製造やジャムの製造、カゴの製造や製紙業といった多くの他の業種も発展しました。
歴史あるブリーヴ＝ラ＝ガイヤルドのおもな観光スポットをご紹介します。
・サン・マルタン・ド・ブリーブ・ラ・ガイヤルド大教会 (Collgiale Saint-Martin de Brive-la-Gaillarde)
11世紀の終わり頃に建てられ、13世紀に再建された、市内中心部にある荘厳な雰囲気あふれる大きな教会です。1862年に歴史的建造物に指定されています。ステンドグラスが美しく、教会全体も美しく保たれており、独特な雰囲気をまとっているのもあり、訪れた人を引き付ける魅力がある教会です。教会内ではオルガニストが演奏をおこなっていることもあり、より神聖な雰囲気を感じ取ることができます。教会には地下室があり、建設される前の中世頃の痕跡を明らかにするための考古学的発掘もおこなわれています。地下室は公開されていることもあります。中心地すぐ近くにあり観光もしやすいので、ブリーヴ＝ラ＝ガイヤルドを訪れた際はぜひ足を運びたい人気観光名所です。
・ラバンシュ美術館 (Labenche Museum of Art and History)
ブリーヴ＝ラ＝ガイヤルドの歴史について詳しく知ることができるだけでなく、一時期イギリス領だった頃のイギリスのタペストリーや、異なる時代のアート作品の展示がある博物館です。規模は大きくはありませんが、美術館の建築も美しく、町の深い歴史を知ることのできる貴重な美術館として、ブリーヴ＝ラ＝ガイヤルドでは一番の観光名所となっています。町の中心地にあり、さきほどご紹介したサン・マルタン・ド・ブリーブ・ラ・ガイヤルド大教会の近くなので、一緒に観光するのをおすすめします。
・サン・アントワーヌの洞窟 (Grottes de Saint Antoine)
中心地から少し離れた郊外にある大きな公園です。町の中心部からはバスで行くことができます。とても静かな場所で、静けさを求めて訪れたりと、地元の方にもとても人気のある場所です。遊歩道の散歩が人気です。
町全体の治安はよいですが、観光時などは念の為に身の回りの持ち物には注意しましょう。宿泊施設はおもに町の中心地付近にあり、郊外にも点在しています。中心地付近は観光スポットも徒歩で回れる距離ですので、特に初めて訪れる方は中心地付近のホテルがおすすめです。