フランス - トゥーロンについて

トゥーロンは、地中海に面したフランス南東部の都市です。ヴァール県の県庁所在地で、王政の時代から軍港として発展してきました。また、工業や商業だけでなく、漁業の中心地でもあり、ヨットハーバーやコルシカ島やイタリアのサルデーニャ島への船の出る港としてもにぎわっています。

フランスの有名な作家ヴィクトル・ユゴーは、「レ・ミゼラブル」の中で、主人公のジャン・ヴァルジャンがトゥーロン刑務所に収監されていたことになっています。
また、近年では、サッカーのトゥーロン国際大会の開催地として、日本での地名度も上がってきつつあります。

地中海性気候のこの土地は年間を通して温暖で、年間の平均気温は15.9℃です。夏場は乾燥し、太陽は強く照りつけますが、冬場は温かく5度以下になることはほとんどありません。

トゥーロン・イレーヌ空港は、国内線やヨーロッパ各国からの国際線の到着する国際空港で、バカンスシーズンには多くの臨時便もでるなどして賑わいます。また鉄道網、道路網も発達していて、船でのアクセスも可能であるなど、各国から多くの観光客の訪れる都市です。

街中には数多くの教会などの見どころがありますが、中でもひときわ目をひくランドマーク的存在は、リベルテ広場です。こちらでは、トゥーロンの街を散策するのにおすすめのスポットをいくつかご紹介しましょう。

・リベルテ広場
駅から港のほうへ100ｍほど行くと、噴水のある広場が見えてきます。街歩きのスタート地点として、この広場から始められる方も多い場所です。方向がわからなくても、この広場に出れこられれば、起点にすることのできる場所です。
この付近には多くのカフェやレストランが集まっていて、人々の憩いの場となっています。年間を通して不定期に、コンサートやイベントやクリスマスマーケットなどが催される場所でもあります。戦後破壊された街の再建と共に、この広場も再建され、現在ではトゥーロンのシンボルとして人々に愛されています。

・ノートルダム・ド・ラ・セド大聖堂
1997年よりフランスの歴史的建造物として保護されているこの大聖堂は、11世紀から建設が始まり、様々な歴史の変遷を乗り超えて17世紀にファサード部分が、そして18世紀には鐘楼も完成しました。
美しいフレスコ画やパイプオルガンもあるこの教会は、一見の価値があります。

・モン・フェロン
眼下にトゥーロンの街並みが一望できるモン・フェロン。ロープウェイで登ることのできるこの展望スポットは、天気が良ければ周りの島々まで広く見渡すことのできる大パノラマが楽しめます。
山頂には、動物園があるので、親子連れも多く見られます。また、連合国軍上陸記念館があり、ドラグーン作戦によるフランス解放の歴史を知ることができます。

・トゥーロン歴史博物館
この町の歴史が知りたいなら必ず足を運びたいのがここ。この地の建築や文化について、時代ごとに詳しく学ぶことができます。

・トゥール・ロワイヤル
グロス・トゥール（太い塔）とも呼ばれる大砲台のあるこの塔は、幾層にも重なった塞です。1513年に、ルイ12世の命によりこの地を海からの侵入者より守るため、作られたのが始まりです。そのため「王家」を意味する「ロワイヤル」の名がついたのです。
1947年に歴史的建造物に指定されたこの塔は、この地の海軍の歴史を語るには欠かせない場所です。現在は劇場としても利用されていて、ダンスや演劇が上演される場所となっています。

・国立海洋博物館
軍港の近くに立つこの建物は、入り口が美しく、それだけでも一見の価値があります。展示物は、模型や実際に使われていたものなど、多岐に渡り、世界最古の海軍のひとつであるこの地の海軍の歴史や、軍港の歴史を学ぶことができます。

トゥーロンの滞在では、港近くの海外線沿いのエリアがおすすめです。周辺には多くのカフェやレストランが集まり、賑わいを見せています。観光スポットもこの付近に集中していますし、近辺には劇場もあり、様々なお店もあるので、観光するには非常に便利な場所です。食事や観劇で夜遅くなっても、ホテルまで近ければ帰り道も安心です。

トゥーロンは決して危険な街ではありませんが、やはり日本と同じというわけにはいきません。高額な現金を持ち歩かない、貴重品は肌身離さず持つ、荷物からは絶対に目を離さないなどに注意するようにしましょう。