フランス - ナントについて

ナントは温帯海洋性気候で、夏は晴天が多くて快適に過ごしやすいのが特徴です。気温は最高でも25度くらいしか上昇しないので、日本の夏と比べると暑くありません。一方、冬の時期は長く、風が強くて非常に寒いです。冬は最低気温がマイナス5度で曇りの日が続きます。また、雪が降ることもあるので、外出時は防寒対策が必須といえるでしょう。
フランスのナントはロワール川沿いにあり、芸術や文化が盛んな街として高く評価されています。フランス人が選ぶ「最も住みたい街」の上位にランキングされるほどに人気の観光スポットとなっています。そんなナントのランドマークといえば、ブルターニュ大公城が挙げられるでしょう。こちらは最後のブルターニュ公の住居で、その後はフランス国王の城として使われていました。ロワール川の右岸に建ち、防衛のためにかつては城の周囲には堀がめぐらされていました。花崗岩と石灰土で造られているために、城の外壁は美しい白色となっているのが特徴的です。そもそもブルターニュ大公城は、1207年にブルターニュ女公コンスタンスの2番目の夫によって建造されました。1598年にアンリ4世が長年にわたるカトリックとプロテスタントの対立を終結させるために、ヨーロッパで初めて信仰の自由を認めた「ナントの勅令」を発令した場所としても有名です。
現在、ブルターニュ大公城は歴史博物館として生まれ変わり、観光客は堀の周囲や城の内部、古い要塞などを自由に見学することが可能です。また、博物館にはブルターニュ公国の歴史、当時の植民地貿易や奴隷売買の歴史、ナントの港湾事業に関する800点以上もの所蔵品が展示されています。そのため、ナントの歴史に興味がある人にとって見応えは十分といえるでしょう。さらに、お堀を渡る橋の前にはアンヌ・ド・ブルターニュの銅像が設置されています。アンヌ・ド・ブルターニュは、ブルターニュ大公城で生まれてフランス王シャルル8世と結婚した人物です。王が亡くなると後継者であるルイ12世と結婚し、最後はブルターニュ女公として生涯にわたって城に住み続けました。荘厳な姿から、多くの観光客が記念撮影をしています。
もう一つのナントのランドマークといえば、「サン・ピエール・サン・ポール大聖堂」があります。こちらは1434年に建設工事が始まり、完成したのは1891年です。完成するまでにおよそ457年もかかった理由は、建設途中で何度か火事に見舞われたからです。また、戦争による空襲で建物が全部崩れてしまったために長期間完成するのに時間がかかりました。
「サン・ピエール・サン・ポール大聖堂」はゴシック様式の荘厳な雰囲気の建物で、その美しさを見るために世界中からたくさんの観光客が訪れています。特に大聖堂の入口に施されている彫刻がとても繊細で美しく、見入っている観光客は多いです。また、中に入ると天井がこれでもかというほどに高く、清々しい空気が漂っています。さらに、大聖堂には、1488年に死去したブルターニュ公フランソワ2世とその公妃マルグリット・ド・フォアのお墓が置かれています。このお墓は、娘のアンヌ・ド・ブルターニュが両親のために建てました。ルネッサンス様式の精巧な装飾が施されている白い墓は、アンヌの両親への強い想いが込められています。
ナントの観光でおすすめの地域といえば、グラスラン広場とロワイヤル広場を繋ぐクレビヨン通りが挙げられます。クレビヨン通りとは、フランスナントのお買い物スポットとして有名です。パティスリーをはじめ宝石店、ジェラール・ダレルやマージュ、ラコステなどの高級ブティック店などが多く軒を連ねていて、最先端の流行を発信している場所です。その他にも、伝統の製法で香水を製造・販売しているラルティザン・パルフュムールもあり、まさに買い物が大好きな人にうってつけの観光名所といえるでしょう。日本で待っている家族や友人のためにお土産を買うのに便利です。
クレビヨン通りは、買い物できるお店以外にも19世紀の雰囲気を現在に残す歴史的建造物があることでも知られています。たとえば、クレビヨン通り沿いのガス灯は、ナントで初めて設置された由緒あるものです。クレビヨン通りは車の乗り入れが禁止されているので、車の往来がなく静かな環境です。したがって、ショッピングがてら通りの景色をじっくりと眺めながら観光しても楽しむことができます。